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化粧師  作者:
11/31

第三話 天女の羽衣 五

  八


 その日の目覚めは、最悪だった。楡の兄から珍しく誘いがあったかと思えば、一方的な会話の内容はいかがわしい宗教の勧誘。それも、妻が失踪して以来独身でいる三十路目前の自分を、本気で心配した上での事だったようで、無碍に扱う事も出来なかった。本質は違えど、兄弟揃って迷惑千万である。

 しこたま飲まされた上に、愚痴のような長話に付き合わされた挙げ句、それでは今から集会に、となったので、慌てて断って逃げ帰ったのが午前五時。そんな時間に何故集会などするのだろうと思ったが、聞いている余裕はなかった。

 帰宅して早々、コートだけ脱いで万年床に横になり、昼過ぎまで泥のように眠った。目が覚めたのはたった今。もう正午を大分回ってしまっている。

 頭痛が酷い。昔は幾ら飲んでも二日酔いなどしなかったのに、歳を取った証拠だろうか。

 九重はのっそりと起き上がって風呂場へ向かう。体が鉛のようだった。

 風呂から出てまず、台所へ入った。熱い茶が欲しかった。湯を沸かしながら煙草を銜えると、携帯のバイブ音が耳に入ってくる。九重は寝室に視線を遣っただけで、出ようとはしない。喋る気力すらなかった。歳は取りたくないものだ。

 酷く疲れていた。煙が目に沁みる。銜え煙草のまま急須に茶葉を入れ、沸いた湯を注ぐと茶葉が舞った。渦を眺めていたら気分が悪くなってきたので、薬缶を置いて煙草を摘む。視界が煙る。腹には何も入れていないというのに、胃酸が込み上げてきた。酸味を帯びた唾液をシンクへ吐き捨てる。

 吸殻がこんもりと盛られた状態のまま放置された灰皿へ煙草を押し付け、ふらつく足で台所を出る。煎れた茶を持って、ダイニングテーブルに着いた。妻が居なくなってからは、ここに座る事すら稀だった。あの頃の温かい食卓を、もう何度夢に見ただろう。夢に見ることそれ自体が、嫌だったのかも知れない。

 窓際に据え付けた作業机には、人形の首に混じって写真立てが置かれている。綺麗に微笑む妻の姿。無精な義近にはあれぐらいが丁度良いのだと友人は言ったが、自分には出来過ぎた女だった。今でもそう思う。

 佳い女だった。本当に。

 携帯が鳴り続けている。九重は舌打ちして立ち上がったが、瞬間、目眩に襲われテーブルに手を付く。湯飲みが揺れた。

 恨めしい。

 バイブの音が止んだ。回復を待って寝室へ入ると、明らかに空気が淀んでいた。顔をしかめて携帯を開きながら窓を開ける。冷たい風がすぐ横を通り過ぎていった。

 着信履歴には、国定の名前が数分おきに並んでいる。うんざりした。

「……マジかよ」

 インターホンの鈍い音が鳴った。未だ電池を交換していないので不明瞭だが、その音は九重を苛立たせるに充分だった。居留守でも使おうかと思ったが、外には滅多に出ないので、どうせばれているだろう。

 再び舌打ちを漏らしながら玄関へ向かい、せめて怒鳴りつけでもしてやろうかと、乱暴に扉を開く。しかし玄関先に立っていた国定の表情に、その気が削がれた。

「何だお前。どうした」

 結局、そう聞いた。国定は眉尻を吊り上げた真剣な表情で開いたドアを掴み、思い切り身を乗り出す。反対に、九重は身を反らせて体を遠ざける。国定は興奮すると顔を近づける癖があるのだ。

「今すぐ、やってくれ。危ないかも知れない」

 国定は疲弊しきっていた。大分窶れている。元々白い顔が更に青白くなり、目元には深い皺が刻まれていた。

「何がだよ」

 その問いに被せるように、国定は怒鳴った。

「君の奥さんがだ!」

 九重の表情が、驚愕に歪んだ。


 辻優子の遺体は、見事に修復されていた。元々炭化までは至っていなかったのだろうが、とても焼死体とは思えない。

 国定は遺体の傍らに立つ女に、疲れた顔を向けた。

「ご苦労様。いつも悪いな」

 長見雪乃は小作りな顔を怪訝に歪ませ、国定を見返す。眼鏡を掛けたコケティッシュな顔立ちは、少年のようにも見えた。大学を卒業してから五年間留学していたそうだから、そう若い訳でもないのだが。

「なんです警視。珍しい」

「僕だって礼ぐらい言うよ」

 ふうんと鼻を鳴らし、雪乃は遺体に視線を落とした。

 浅黒い手が、遺体の顔に化粧を施している。九重はいつになく真剣な表情で、作業に没頭していた。彼の心境を考えれば当然の事だろうと、国定は思う。

 国定の推測が正しければ、彼の妻は今、危うい状況下にいる。念の為、沢村邸に残っていた者を全員待機させてあるが、恐らく無意味だろう。国定のそれは憶測でしかないからだ。犯人の目星はつけたものの、証拠もない、動機さえ分からない状態では拘束など出来ないし、部下を動かす事も出来ない。予防策がない。

 危険な目に遭わせる事は出来ないと分かっている。しかしそれでも、彼女をそのまま留まらせて犯人に尻尾を出させるしか、道がなかった。

 国定には、あの男が許せなかった。国定の憶測が正しければ、彼は自己の特異な欲望の為だけに、使用人を殺害した事になる。それだけはいけない。許せない。

 犯人の目星はついている。彼の目は、楡の目と同じ光を宿していた。そして恐らく、国定とも。だから余計に、黙認出来なかった。黙っていられないのは立場上当然の事だが、今回のそれだけは個人的な感情から来る所思だ。

 それだけは、あってはならない事なのだ。そう考える事で、自分は彼とは違うのだと思いたがっているのだろう。国定は客観的に自分を見て、そう判断している。

「凄いですね。私もやって欲しい」

「死んだらやってくれるんじゃないか」

 雪乃は国定を睨んだ。冗談のつもりだったのだが。

「だからお前は童貞なんだ」

 国定が嫌な顔をした。軽口を叩いた割に、九重の表情は硬い。

「ああもう……好きに言ってろ」

 九重の指が、遺体の唇に紅を引いた。雪乃はごくりと喉を鳴らす。

「三十分だ」

 黒いメイクボックスを持って、九重は遺体から離れた。

 優子の目が、ゆっくりと開いて行く。二、三度瞬きをして、視線が国定を向いた。白濁した目はどこか虚ろだ。

「君が死んだ時の状況を、出来る限り詳しく話せるか」

 華やかな紅色の唇が緩慢に動く。

「弦太郎様が、家に来ました。私の髪を焼き、火を消そうともせず襲い掛かってきました」

「やっぱり髪から焼いてたのね」

 雪乃の呟きを聞きながら、国定は訝しげに片眉を顰めて九重を見た。

 焼かれた割に発声が明瞭で、発する台詞は多少たどたどしく感じるが、きちんと文になっている。今までこんな事はなかった。

「沢村家の使用人は皆、髪を差し出すことを条件に雇われていました。人数が多いのは、髪が伸びきるのを待てないからです」

「え……」

「弦太郎様は、髪を焼くことでしか性的興奮を感じられない方です」

 国定は凍り付いたように九重を見つめていた。彼は険しい表情を浮かべた顔を伏せる。

 遺体が、質問していない事を喋った。

「ゴミ置き場の床に走った焦げ跡はみな、髪を焼いた跡。早く――」

 優子はそこで、口を噤んだ。

 地下室に静寂が落ちる。雪乃は黙り込む二人を見て、その表情に首を傾げた。国定も九重も、凍り付いてしまったように動かない。

「あいつは、そこにいるのか」

「そうだ。北見警部も佐島も楡も、杉里さんも居る。でも多分、彼らは気付いていない」

 国定は睨むように九重を見ていた。

「……俺も行く。例えあいつが」

 顔を上げた九重が、複雑な表情を浮かべた。悲哀、憤怒、安堵。全ての感情が入り混じった、僅かな笑み。

「二度と俺を思い出さなかったとしても」


  九


 薄暗い室内には、しんと静寂が落ちていた。換気扇の音だけが耳鳴りのように響いている。扉正面の壁には大きなゴミ箱が並べられ、片隅にぽつんと台車が置かれてある。その傍らに、男女が向かい合って立っていた。

 男の表情は、伸び気味の前髪が落とす濃い影に隠れて窺えない。普段は手袋に隠された男の両手は、引き攣った火傷の痕で覆われていた。羽織ったジャケットのポケットから、ボトルの頭が覗いている。

 対面に立ち尽くす女は、困ったような表情を浮かべていた。見る者を黙らせる為にあるような美貌には、恐怖さえ滲ませている。

「私は惜しいんだ。あなたを他の誰かに渡す事が」

 女は一歩後退る。彼は追う事もせず、口元に酷薄な笑みを浮かべていた。

「あなたが……やったんですね」

 返答はない。長い前髪の隙間から垣間見えた双眸には、言い知れぬ感情が渦巻いていた。

「雪!」

 女が叫び声と共に開いた扉に気を取られた瞬間、男の手が伸びて腕を掴んだ。そのまま引き寄せて、驚愕に表情を歪ませた女――雪の両腕を後ろへ回し、背中でがっちりと捕まえる。

 血相を変えて入ってきた沢村老人は、息子の姿を見て深い皺が刻まれた顔を苦しげに歪めた。

「もう、やめなさい弦太郎……いつまでそんな事を続ける気なんだ」

 悲痛な声が室内に響く。

 外から聞こえる喧騒に、弦太郎は憎々しげに舌打ちした。

「連絡したのですか父さん。会社をどうする気です」

 息子の声はあくまで冷淡だった。肩を落とした老人の背中は随分と小さく見える。

「もう終わりだ。雪を――その人を離しなさい」

 声を絞り出すように懇願する父に、弦太郎は虫けらでも見るが如き視線を向ける。

 その手が雪の髪に伸びた。

「止めろと――」

「弦太郎さん」

 茂夫が驚いて振り返る。弦太郎は更に憎らしげに、青白い顔を歪めた。

 息を切らした国定が、開いた扉の向こうに見える。その後ろには北見や楡の姿もあった。

国定以外の全員が、困惑の表情を浮かべている。茂夫は扉の前から離れ、道を開けた。国定は重い鉄扉を抑えて内に入り、弦太郎と対峙した。

「ど、どうしたんですか雪さん……」

 佐島が呆然と呟く。国定は一度そちらを睨んで、弦太郎へ視線を戻した。

「もう逃げられませんよ、弦太郎さん」

「逃げる? 逃げる気はありませんよ」

 弦太郎は口角を吊り上げて笑った。国定の後ろで、杉里がこっそりとカメラを構えていた。更にその後ろで沼津が身を潜めている。

「私は殺そうと思ってやったのじゃない」

 北見は背中で扉を抑えたまま、複雑な表情でやり取りを見詰めていた。

「結果的に、辻さん含め四人が死んでいる」

「それの何が悪いのですか?」

 開き直ったかのような台詞だったが、本気でそう思っているのだと、その場に居た全員が感じた。茂夫は疲れ切った表情で肩を落としている。

「ここの使用人は皆、髪を差し出し燃やされる事を条件に雇われている。つまりそれは責務の内です」

「不戯けるな!」

 楡が唐突に怒鳴り声を上げた。

「そんな事して何になる! その人は使用人じゃない。仮にあんたの理屈が通用するとしても、その人は違うだろ!」

「その通り」

 鈴の鳴るような愛らしい声が響いた。その声に反応して振り向いた人々が皆、一様にして黙り込む。

 一瞬、室内に静寂が落ちた。

 僅かなくすみさえ見当たらない白い肌。

 猫のように大きな目。

 ふっくらとした桜色の唇。

 闇に溶け込む漆黒の着物を纏った、小柄な姿。その身の丈程もある大鎌の刃は、鋭く輝いている。

 誰一人として、現れた事にさえ気付かなかった。しかし少女のようなその姿を見た弦太郎がその白い顔に、目に見えて狼狽の色を浮かべる。

「落首花様……!」

 叫んだのは茂夫だった。国定が目を見開く。北見は意外そうに眉を上げた。

「ごきげんよう。調子はどう?」

「最悪だ」

 国定は憎々しげに吐き捨てた。娘は硝子細工のように華奢な手を口元に当てて、ころころと笑う。

「種明かし、してあげましょうか。どうして髪を燃やしたがるのかまでは解らないんでしょ」

 ヒールの音が響く。落首花は一歩彼らに近付き、愛らしい仕草で小首を傾げた。

「弦太郎君はね、目の前で母親が焼け死ぬのを見ていたのよ。二十年ぐらい前だったかしら。新聞にも載ったけど、あなた達気付かなかった?」

 返答も聞かず、彼女は言った。どう長く見積もっても娘が二十年以上を生きているとは到底思えない。

「事故だったの。コンロの火が移ってしまったのよ。長い黒髪にね」

 弦太郎は例えようのない表情で落首花を見ていた。

「もがき苦しむ母を助けられなかった事が、子供の心に深い傷を作った。でも人間ていうのはおかしなもので、彼は長じて行く内、髪を燃やす事に異常な興奮を覚えるようになってしまった」

 茂夫は頭を抱えて蹲った。しかし老人を気に掛ける者は、誰一人として存在しない。気にしていたとしても、動けないのだ。奇妙な威圧感に、身動き一つ取れなかった。

「それでも最初は、自分の髪を少し燃やすだけだった。段々それじゃ、満足出来なくなったの。その頃そこの社長が、あたしにコンタクトを取ってきた。どうすればいいのかとね」

 北見は蹲る老人に哀れむような視線を向けた。

「だから言ったのよ、燃やしたければ燃やせばいいって。条件付で使用人のシステムを作ったのはあたしよ。足がつかないように、孤立無援の子達を、この家の使用人として雇われるように仕向けたのも、会社の為に色々と助言してきたのもね」

 国定は複雑な表情を浮かべていた。

「結局、調子に乗ってエスカレートして行く息子を止められなかった父親の責任だわ。バカ息子が興奮に任せて火がついたまま犯した子が皆死んだのも、馬鹿な事してそこの人の記憶が五年間戻らなかったのもね」

 落首花は人差し指を雪に向けた。彼女は怪訝に眉を顰める。この場で落首花の事を全く知らないのは、雪だけである。落首花の口ぶりは、その雪の事さえも知っているようだった。

「その人に手を出すのは契約違反なの。そろそろ焦って手を出す頃だと思ったから沼津君の夢枕に立ってあげたのに、あなた達の手際が悪いせいで、司法が裁く前にあたしが捌かなきゃいけなくなっちゃった」

 娘は大きな目で佐島を見た。びくりと佐島の肩が震える。

「佐島君、救急車呼びなさい」

「は? ……はい!」

 佐島は敬礼して部屋を出て行った。落首花は彼が出た先を見て、淡い微笑を浮かべる。

「入っていらっしゃい坊や。あなたが心配しているような事にはならないわ」

 猫目の奥の深遠は、何を映しているのかさえ分からない。

 彼女の視線の先から、北見が開けた扉を潜って現れたのは、九重だった。険しい表情で落首花を見据えている。

 九重を見た雪の表情が、僅かに歪んだ。

「弦太郎君、その人を離して」

静かな声は、静まり返った室内に良く通る。弦太郎は力が抜けたように雪の腕を離し、がっくりと項垂れた。

「持っているんでしょう、その人に返しなさい。あなたが隠したせいでその人は、五年も無駄に過ごしてしまったのよ。記憶が無くても泣ける程――」

 娘が一瞬浮かべた表情に、国定は目を眇めた。

「愛していたのに」

 その声は、どこか切なそうにも聞こえた。九重は足元に視線を落としたまま微動だにしない。

 弦太郎は、懐から細長いものを取り出した。朱塗りで平たい頭に貝細工が施された、繊細な意匠の簪。それを見た雪の目が、大きく見開かれた。彼女は弦太郎からすうと差し出された簪を、震える手で受け取る。

「さあ、言って。あなたは沢村雪じゃない。あなたは九重」

 女の目が、真っ直ぐに九重を見詰めていた。

 楡が俯いたまま拳を握り締めている。

 国定は視線を落として深く息を吐き、北見がドアに凭れたまま考え込むように眉を顰める。

 杉里は複雑な表情で九重を見て、沼津は不思議そうに杉里の陰から落首花を見ていた。

 九重は緩慢に顔を上げ――悲しげに微笑した。

「紗代子」

 沢村雪――九重紗代子ここのえさよこは、一瞬泣きそうに表情を歪め、その場に崩れ落ちた。九重は血相を変えて駆け寄り、その体を抱き起こす。浅く呼吸する様子を見て、安堵の息を吐いた。

「さっさと運びなさい愚図」

 悪態を吐いた落首花が跳躍した。長い黒髪を翻して人々の頭上を飛び越えた彼女はやはり、人間とは呼べない。

 遠巻きに見守っていた北見が、ドアから背を離して身を乗り出した。

「やめろ!」

 制止の声だけが木霊する。打ちっ放しのコンクリートの床へ降り立つより先に、落首花は死神の鎌を振った。着地すると同時に、ヒールが高い音を響かせる。

「嘘だろ……」

 国定は呆然と呟いた。沼津が小さく悲鳴を上げる。

 沢村親子の首がずれ、床に落ちた。切断面から堰を切ったように血が溢れ出して、床と衣服を汚して行く。

 一言も発しないまま絶命した二人を、全員無言で見詰めているしかなかった。

「餞別よ、社長。感謝しなさい」

 落首花は屈んで二つの髪を纏めて掴み、今し方切り落とした首を拾い上げた。鋭利な切り口から、鮮血が滴り落ちる。虚ろな弦太郎と、悲愴に表情を歪めた茂夫の、首。

 持ち上げたそれらを掲げ、彼女は薄く笑みを浮かべる。

「全部あたしのせいにしなさい、国定君。お父様が上手くやってくれるわ。会社は副社長に継がせるのよ、落首花がそう言ってたと伝えればわかるから」

「君は……」

 横暴に怒る事も失われた命を憐れむ事も出来ず、国定は立ち尽くしたまま呆然と呟く。

「君は一体、何なんだ」

 平成のシリアルキラー・落首花は、散々語ったにも関わらず国定の問いには答えないまま、ただ二つの生首を持って微笑んでいた。殺人鬼は一瞬九重に視線を落としたが、玉の美貌に表情を浮かべる前にその場から消え失せた。

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