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紅花の死
ひひーん。馬の鳴き声と共に李英風が道場の門に降り立った。
「陳、人殺しはいい加減に止めろ」李が言った。
「貴様には大金が懸かっている。止められるか」
陳はそう言って、いきなり、飛び蹴りを出した。
李は手刀でこれを払う。と同時に左手足刀で陳の顔面を狙う。これは陳の肩に当たった。続いて李は右の後ろ廻し蹴りを出す。
陳は転身し避けると同時に後ろ廻し蹴りを出した。
李は旋風脚を出すが陳はかわした。
二人は向かいあった。
李は二段蹴りを出し、左足で陳の顎を蹴り飛ばす。陳の顎の骨が折れ口から血を流す。
勝ち目がないと思った陳は紅花を抱きしめ首筋に短刀をあてがう。
「ふふっ。どうする」陳が言った。
李は動けない。
その時、紅花は自ら短刀を咽に突き刺した。
李は半飛び足刀で陳の腹部を蹴り込んだ。
「グエッ」あばら骨が内臓に刺さり大量の血を吐き出し陳は崩れ落ちるよう死んだ。
「紅花」李が駆け寄ると紅花は「兄さんの所へ行けるわ」と言って事切れた。