袁の敗北
陳は唐を倒した数日後、李の道場、英風武館に着いた。
「李英風はいるか」陳は中庭で練習している門下生に聞いた。
「先生はお留守です」門下生の1人が答えた。
「試合がしたい。誰か相手はいないか」陳が言うと「私がお相手しましょう」と師範代の袁が言った。
陳は両手を後ろに組んだまま。袁は左手を前に出し、右拳で構えた。
袁は左手で突き出した。が、これはフェイントだと陳は無視した。
突如、陳は前足で袁の股間を蹴る、と見せかけ、顔面を狙う。
袁はかろうじて、顔面をカバーした。
「少しはできるな」陳が言う。
袁は横蹴りを陳の膝に出すと見せかけ、脇腹を狙った。
しかし、陳は左手で袁の足首をかけ流し、その手で袁の横顔を激打した。さらに左手を袁の首にかけ、地面に倒した。
袁は気絶した
「フフン、わかったか」と言い、陳は道場を去。
うっすらとかいた汗が夜風に気持ちが良い。
陳は酒店に入る。酒と料理を注文した。
勝利の酒は旨い。
酒を飲み料理を食べていると客の話声が聞こえて来た。
「李先生は仇を討つため、唐さんの道場で特訓してるそうだ」それを聞いて陳は今夜、酒が入っているので泊まり、明日、再び唐の道場に行く事にした。