紅花と徐
唐を倒した陳は役所にいた。
「陳、これが報酬だ」
役人は机に金を置いた。
「少林寺と関係する武術家を根こそぎ殺る。奴等は目障りな存在だからな」役人は言った。
「次は李英風だな」陳は言った。
「李は唐とは比べ物にならない高手だ。成功させたら倍の金額を出す」役人は言った。
「それは楽しみだな。必ず仕止めてみせる」ちゃんは言った。
「では頼んだぞ」役人は言って部屋を出て行く。
「李英風なんぞ訳ない」陳は思った。
酒店
李は茶と饅頭を注文した。
店内には二、三組の客がいた。
皆、唐の話をしていた。
「唐さんには妹さんがいたが嫁いで隣街に住んでいるらしい。まだ、お兄さんの死を知らないかもな」客が言った。
その時、店に男女一組が入って来た。
「紅花」李は女に声をかけた。
「李さん」紅花は男と李に近ずいて来た。
「唐の葬儀は終わりました」李は紅花に言った。
「間に合わなかったね」紅花は男に言った。
「李さん、旦那の徐よ」
「初めまして、李先生、徐と言います」徐が挨拶した。
「陳と言う奴に兄の仇を討ちたい」紅花が言った。徐も頷く。
「気持ちは分かる。ただ、唐が殺られた所を見ると相当な高手だ。清の刺客かも知れない」李が言った。
「仇討は慎重に進めよう。今晩は休んで明日から特訓開始だ」李が続けて言った。