ころしあいのあいず
「みなさん、朝になりました。」
テレビの画面にはおとこが一人。
その声を聞き、起きた4人。眠れていなくて隈を付けているものもいれば泣きそうな顔をしたもの、冷静な顔のものが居た。そして、何かを睨むものもいた。
「お腹すいたよぉ.....」
「そうね、じゃあ食べ物を探しましょう。」
秀歌は恐る恐る食べ物を探し始めた。皆もそれぞれ武器を持ち、壁を触ったりと詮索し続けた。
数十分後、動いて益々体力を消費したからかそれぞれの空腹の限界が来ようとしていた。
「あのさ、ここに食べ物なんて無いんでしょ?」
千夜は冷静な表情でそういった。
するとどこからか管理人の声が聞こえてくる。
「ええ、無いと言えば無いかもしれませんが....貴方たちはなにを探しているのですか?目の前に"食べ物"ならあるじゃないですか?」
「食べ物なんて無いじゃないかぁ!!」
浦田は興奮状態で叫ぶ。
秀歌と千夜は気づいていた。目の前の3人を殺して喰うことで、腹を満たす、と。
芳佳も浦田もハッとした表情になる。そして、浦田は「僕たちが、食べ物」と呟いた。
芳佳はしばらく黙ったあと、何かを思いついたようで3人を呼ぶ。
「ねぇ、じゃ、じゃあお腹空いたなら自分の肉を食べればいいじゃない!」
芳佳は気が狂ったように自分の腕を浦田の鎌で切ろうとする。
「なんで、自分の肉なんて食わなきゃいけないのさ。」
浦田は下を向いてそう小さく呟いた。そして、狂気が目覚めたかのようにギラギラとした目で芳佳の握っていた鎌を奪った。
芳佳は青ざめた顔で秀歌の下へ行く。
「何、やってるのよ?」
秀歌は手の震えを抑えながらも浦田に武器を構えた。
芳佳もつられたようにスタンガンを構える。
千夜は構えはせず、手に持っているだけだ。
「ころせば、いいんだよ。」
浦田はニタリ、と笑う。3人はその表情に身震いをした。
その瞬間だった。浦田が動いたのは。




