はじまりのかね
ジジジッ.....
古びたテレビが静電気を表面に帯びて音を出す。
ビッと映ったのは二人の仮面をつけた、おんなとおとこ。
それを見ているのは支配人が用意した4人の少年少女。
「ようこそ、皆さん。ここはあなたたちのいた"学校"では無いのです。私たちの世界なのです。」
右のおとこは呟いた。仮面の奥の表情は読めない。
「ねぇ、秀歌ぁ....怖いね....」
芳佳は青ざめた顔でそう言う。
「ルールを説明しましょう。なぁに、怖がることはありません。
これは『友情を深めるゲーム』なのですから。」
おんなは唇の両端を上げてそう言った。
4人はホッとした様子。
「これから一ヶ月、4人でここで生活してください。それだけです。
ここは魔法の国だと思って暮らしてください」
「1ヶ月...。」
千夜は手で顎を触りながらそう言った。
おとこは「大丈夫、"学校"でしょう。ここで時間は進むけどあちらでは進まないから。」と分かったように言った。
「説明は以上です。では有意義にお過ごし下さい。」
支配人は4人の次の言葉を無視してテレビの電源を落とした。
4人のいる部屋にはベッドが4つとテレビが一つ。そして開いた跡のある床。殺風景な部屋だった。
しばらくの時間4人は笑い合って話していた。「学校にしばらく行かなくていいね」というくだらない話。
だけど暫くして4人は喉が渇き始めた。
少し丸い体をした浦田は「支配人さぁん...喉乾いた。」とテレビに向かって言った。支配人は様子を見ていたようで開いた跡のある床が開いてコップに入った水が四つ出てきた。4つの武器と共に....。
4人は水を飲んだあと適当に武器を取った。4つの武器、千夜は刃の長い日本刀のようなものを握り、秀歌は手持ちサイズの銃を。芳佳はスタンガン、浦田は45センチほどの鎌を。
すると突然テレビがついた。
その時彼らは知る。
『友情を深めるゲーム』の本当の意味と恐ろしさを___




