1.七日蝉
やがて、放課を迎え。七日は帰り支度をしていた時の事。
生徒の何人かは、部活などに行くために走って帰りのHR終了1分もしないうちに颯爽と消えて行き、徐々に人は減って、後は何もすることがなく、夕日に染まる教室で駄弁る生徒だけと成った。たわいもない会話、それがいつか良い思い出になるかは、分からないが七日には良さが分からなかった。
駄弁って暇を潰している生徒に混じり、楽しそうに会話をしていた担任は、切りのいい処で会話を切り、僕の元へ歩み寄ってきた。
元より僕は、昼休みに担任より放課後頼み事があるので、残って欲しいと言われて居た。内心はとても面倒だったけれど、人の頼みを断る事の出来ない七日は、言われるがままに放課後残って居た。
七日は、彼が何を話すのかは大体予想がついていた。
僕の"親友"の事だろう。
案の定、七日の予想通り、担任は申し訳の欠片のない表情で話しをし始めた。
「七日は、東条静を知ってるか?同じクラスの生徒なんだがなー…、ちょっと問題児で」
担任は頭を掻きながら、申し訳なさそうに話を続けてきた。
そんな姿を僕は見ながら、思っていた。
静は僕の親友で、頭は良いが素行は悪いが、人は悪くない。
仲良くなれば(成れればだけど)悪い奴では、決してない。
でも、大人は決まって静を悪い人だという
出席日数、は足りていない上に素行が悪く、先生への態度もすこぶる悪い。
だが、それはデーター上の事でしかなく
静の素行は悪いわけではない、煙草は嫌うし酒は飲まない。
先生への態度は、寧ろ別クラスのヤンキーの方が悪い。
何故分からないんだ。
所詮は、コネと金と偏見。
人間は、どうでもいい物や人は平気で無下に扱う。
だって、どうでもいいから。
「静さんでしょう?知ってますよ、あの問題児がどうしたんですか?」
モンダイジ、その単語を出した瞬間に罪悪感よりも殺意が動く。
優等生は、劣等生に言わなければ成らない
お前は、モンダイジなんだ、と
言わされる気持ちなんて、分かるはずがない
死ぬほど、辛い。
僕は、この世界の暗黙の了解が大嫌いだった。




