第5話 俺と私のお買い物part1
春休みも残り3日。
意外に呆気なかったなぁと思う。
まぁ、色々あったからな。そりゃ早く感じるのも当たり前か。
そんなことを思いながら朝刊を取りにポストの方へ向かう。
新聞紙を取ると、
ヒラリ
一枚の封筒。
?誰だ?
拾って確認してみる。
差出人は・・・
四十崎 昂祐
父さんであった。・・・マジかよ。
リビングに戻り急いで確認。中には現金と手紙が入っていた。現金もかなり気になるが、手紙の方が更に気になる。
急いで読んでみた。
『やぁ、亙。元気にしてるかい?父さんだ。今日はお前にお願いがあって手紙を出すことにした』
お願い・・・?
『その前に今週の父さんと母さんのラブラブストーリーについてだが・・・』
6枚中5枚を飛ばしました。てか本題より長いって・・・
気をとりなをして読むことにした。
『さて、本題だ。まずそちらに現金が同封されているかどうか確認してくれ。10万位入っているだろう』
10万も!?何故に?
『その10万が今回のお願いに関係するんだ。ズバリ、君の妹、奏ちゃんの服を買って欲しいのだ』
・・・はい?
『知っての通り彼女は着替えがない。今までは家にある母さんの服でどうにかしていたが、やはり年頃の女の子にしてみたらかわいい服の一つや二つ欲しいはずだ。そこで亙にそれを協力して欲しい。彼女一人では心細いだろうから、亙も一緒について行って服を買ってきて欲しいんだ。よろしく頼んだよ?では』
一気に読むとこんな感じだった。
成る程ね、確かにそれは言えてるかもしれない。
いつまでも母さんの服ってのも確かにアレな感じだしな。いっちょ手伝ってやるか!
急いで妹の部屋に行く。
「妹よ!きょうのことぉぉおぉぉぉ!」
サクッと
ナイフが壁に刺さった。
投げたのだ。彼女が。
「いきなり部屋に入って欲情しないでくれる?この万年発情期」
朝から全開だ。
「してねぇよ!ちょっとドキッとしただけだ!」
釘が飛んできた。ギャグを知らない妹だ
てか、相変わらず容赦ねぇ・・・
一歩間違えれば死ですよ?
「で、何の用かしら?」
「いや、純粋に妹の可愛い寝顔を見にきたってのは嘘ですからフォークをおろして」
どこに隠し持ってんだか・・・
「さっさと本題に入ってちょうだい。私も暇じゃないの。フラフープの稽古とかがあるのよ」
絶対嘘だ。
取り敢えずそれは置いておこう。まずはこっちだ。
「えーとな、今日買い物に行くぞ」
「行ってらっしゃい」
「他人事ですか!?いやいや、お前も行くんだって!」
「お断りするわ。何でこんな人生の敗北者候補と一緒に買い物にいかなきゃいけないのよ」
「そんな候補になった覚えはない!てか、お前の服を買いに行くんだよ!」
「・・・私の?」
お?空気が変わったぞ。これは行けるか?
「そうだよ、今日両親から手紙が来てな、お前の服を買いに行くのを手伝って欲しい言われたわけ!だから行くぞ!」
暫しの沈黙の後、
「・・・解ったわ」
神の許しを得た。
「その代わり貴方は私の半径1キロ圏内に入らないでね。入ったら問答無用で刺すわよ」
「妹よ。それはmission impossible というやつだ」
「こんなのもできないの?無能すぎて泣けるわ」
「君はもうちょっと兄を敬うことを覚えよう」
どうやら波乱がありそうだ。
長編チャレンジです
頑張ってみようかと思います
では