第34話 光があるから影がある
「ふぅー・・・」
「ふぅー・・・」
現在、俺と妹は温泉の湯に浸かってる。
よくわからんが夜は混浴になっていたらしく、それを知らなかった俺は妹と一つ風呂の下にいるわけだ。
で、妹がいきなり自分の事を話すと言うことでそれじゃあ聞いてやろうじゃないか!っていい感じに意気込んで次回に流れたわけだが・・・
「なっちゃったわね、次回に」
「ああ、そうだな・・・じゃなくて!!」
何故かマッタリしてしまっていた。いや、ホントに何故か待ったりしていた。
二回いったのはテストに出るからだ。嘘です、だからテストで間違っても書かないでね。俺が怒られちゃうから。
じゃなくて!
「話すんだろ?お前についての話を!!」
「あら覚えていたのね。あれから2日位たっていたからてっきり忘れているかと・・・
全く、作者も何をしているのかしら」
「作者とか言わんといてください、物語が色々とだめになるから!」
2日かかったことはあえて触れない。番外編とか書いてたことにも触れない。
作者だってそうしたいときは有るんだよ!多分!!
「おまけにまた新作書こうとしてるんでしょ?やめといた方がいいと思うわ。『guilty cross 』とか『tonight!! 』とか明らかに滑ったじゃない。もう目も当てられないくらい散々な結果よ。調子にのって書くからこうなるのよね。
今回もまた同様黒歴史創るだけよ」
「やめて!作者のライフはもうゼロよ!!」
このまま妹が作者をディスッてたらリアルに作者が死んでしまう。
妹の言うことが事実過ぎるから。
いつだって一番突き刺さる言葉は真実なんだよ。
「まぁこのくらいにしときましょうか。次は黒歴史をつくらないように期待してるわ」
「どこに向かって話しかけてるんですかね、貴方は」
きっと画面の向こうだろう。
『ファインダーの向こうの君に恋をした』何て言葉があるのをついでに思い出したがどうでもいいね。
「で、なんだったかしら?」
「お前自身についての話だろ、言い出しっぺが忘れんな」
「ああ、そうだったわね。じゃあ早速話すとしましょう」
肩まで湯に浸かり、暫くすると妹は口を開いた。
「貴方も薄々気がついていると思うけど、私の家は他の家とは明らかに違うわ。異常、と言っても良いくらいにね」
「・・・・・・」
「沈黙はそのまま話せと言う意味で受けとるわよ。話を続けるわ。
異常、と言うのはね、私にたいしての家族の態度が異常なの」
「どういう、事だ?」
「詳しくはまだ話せないわ。けどこれだけは言える」
一息ついて、意を決したように喋る。
「私は、家族の温もりを一度も受けたことがなかったわ」
「奏・・・・・・」
「あの家に生まれ、あの家で育てられたこの15年間、私は一度も家族の温もりを感じなかった。いえ、感じることが出来なかった」
もう、いい
「不幸と感じることも出来なかったわ。だって私にとっての普通がそれだったのだから。
その代わり、何が幸せだかもわからなくなってしまったわ。光があるから影もあるのと同じ。
不幸と感じるから幸せと感じることができるのよね。
不幸と感じない代わりに、何一つとして幸せだと感じない。それが、私の日常だったわ」
「・・・・・・」
もういい、話すな。
これ以上は聞きたくないから。
だからお前ももう話すな。
そう言いたい気持ちで一杯だった。
俺は何を思い上がってこの話を聞こうなんて思ったのだろうか。
どんな決意があってこの話を聞く意思を示したのだろうか。
甘かった。何もかもが。
こんな、こんな軽い決意で聞いていい話じゃない。
止めさせよう。今すぐにでも。
その思いが、よくも悪くも通じたのか。
話はここで終わった。
ちゃぽん、と言う水飛沫の音で。
不覚にも、俺は事態を察するのに10秒かけてしまった。
こんなことにも気がつけないなんて、と後に大いに反省した。
結論から言おう。
奏が湯の中で、気を失ったのだ。
そして、そのまま湯の中に沈んでしまった。
ーーー不幸と感じるから幸せと感じるーーー
何故だか妹を必死で介抱しているとき、その言葉が頭の中をよぎった。
きっとその言葉が、彼女の生い立ちを語るのに一番適切な例えなのだろう。
不幸と思うことがない世界。
どれだけ素晴らしい世界なのだろうかと、はじめて聞いたときは思うだろう。
しかし、不幸を知らないと言うことは、何を基準として幸せだと図ればよいか解らないのだ。
影は、光から生まれる。光は、影のあるところにある。
光と影のない彼女の世界は、どんな世界だったのだろうか。
光と影を持つ俺には、一生見ることのできない世界だろう。
ちょいと短めでしたね、すいません。
さて、奏ちゃんもちょこっと言っていましたが新作を書く予定でいます。
「やめとけ」と言う声が聞こえる私はついにえすぱーに目覚めたのかもしれません。
確かに今回奏ちゃんにボロクソ言われた通り、私はそれで大失敗をしてしまいました。
あれですね、夜中に書き上げた自信作を朝見ると「ナンジャゴリャァ!」と思わず絶望したくなるくらいですね。
と言うわけでもうやめようかなと思ったんですが、先週の番外編で思い付きました。
じゃあ俺と私の家族物語の番外編を新作にしちゃえばいいんじゃね?
GUESS野郎ですね。英語も間違ってますね。
予測変換で先頭にこれを出した携帯を恨みます。
それはおいといて、まぁそんなこんなで新作?をやります!実はもう書いています!
内容は見てからのお楽しみで!
では!




