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第28話 俺と私の温泉旅行part3

ーーと言うわけで現在に至るのだ。


・・・・・・どうしましょうね。


まぁこんな時こそ文明の力の出番か。

携帯携帯ッと。


あ、


そう言えば俺、あいつの電話番号知ってたっけ・・・

番号だけじゃない、アドレスも知ってたか?


・・・・・・知らないわ。


イェーイ!八方塞がりィー!


・・・・・・orz・・・・・・


やべーよマジでどーしましょ。


くそッ、こうなったら自力で探す他ないか。

幸いにもこの屋台はそこまで広いところにまで並べられていない。

この広さであれば探すことは可能だ。


・・・何か変なことに巻き込まれてなければいいけど。


次第に歩く速度を早める。


いつしか走っていた。


無事でいてくれよ・・・!


ーーーーーーーーーーーー

全く、あの愚兄は何をしているのかしら。

ちょっと目を離したらすぐいなくなるのだから・・・


相変わらずの自己満足男ね。


見つけたら取り敢えずドライバーで脳を改造するとしましょう。


さて、冗談はここらにしておいていい加減愚兄を探すとしましょう。


そんなことを考えていると、此方に近づいてくる気配を感じた。


後ろか・・・


振り向くと見るからにチャラチャラしてそうな男×3

右から男A,B,Cとしときましょうか。


・・・自分で決めておいて言うのもなんだけどド〇クエみたいね。


「ねぇねぇ、そこの可愛いお嬢ちゃん。今暇してる?」


男Aが吐き気を催すような声で話しかけてくる。

成る程、これが俗に言うゲスな輩の声・・・

俗に言わないわね。


「悪いけど貴方たちの相手をするほど暇ではないわ。他を当たって頂戴」


こういった連中には多少きつく当たらないといけない。

弱く出ると途端に調子に乗るからだ。

若干挑発ぎみに。


愚兄からのアドバイスだ。


まさかこんなところで役に立つとはね。


「おおっ、意外にきっついね~(笑)」


男B,Cが笑う。


・・・・・・気持ち悪い、心底気持ち悪い。


もうやっちゃっていいかしら?


ドライバーだと最悪致命傷になるからスタンガン位でいいでしょ・・・


そこで気づく。

スタンガンを置いてきたことを。


あの置いてきたキャリーの中だ。


さて困った。

どうしましょう。


痛め付けようと思えば出来る。

しかし本気を出すと最悪人死にが出る。

愚兄なら冗談ですむけどいくらなんでも一般人はマズイか・・・


取り敢えずまだ強引に来る気配はない。

適当にあしらうか。


「そう、じゃあ綺麗で大人しい女性でも探すことね。わたしは諦めなさい」


相手の発言をうまく使ってやり過ごす。

これでいけるか。


しかし、

私の考えは甘かった。


「イヤイヤ、むしろ俺キツイ娘の方が好きだしwww大歓迎さ!」


「どうせ暇なんでしょ?ちょっとそこらでお茶しようよ~」


どんどんと言い寄ってくる男×3


そしてついに、


「めんどくせぇなぁ、ちょっと強引にいくか」


男Bが、私の手を、掴んだ。


「~~~ッ!」


感じたことのない嫌悪感。


力では此方が圧倒的に不利。


マズイ、

そう思ったとき。


「ゴルアラァ!」


突然目の前に現れた愚兄。

男Bの顔面に飛び蹴りを入れながら・・・


「デルボファッ」


変な叫び声を上げ吹き飛ぶ男B


常吉(つねよし)ぃ!」


通称常吉はピクピクと体を痙攣させたまま地面に倒れている。


「てめぇ!よくも常吉ヲブラッ!」


油本(あぶらもと)ォー!」


通称油本はぶっ飛んだ。

顔面を抑えている。


発言途中にも関わらず全力で顔面を殴る愚兄。


容赦なし。


「おいテメェら・・・」


もはや殺意すら感じられるような声でしゃべる愚兄。


そんな声にただ恐怖する男×3


もうどちらが悪か解らないわね。


手をパキパキと鳴らし、ユラリと男×3に近づく。


「うちの妹に手ェだして、生きて変えれると思うなぁぁぁぁぁ!」


ーここから先は、読者様の御想像にお任せいたしますー


ーーーーーーーーーーーー

もう二度と妹に近づかないことを誓わせた上で顔面を二倍に膨れさせ、暫くは普通の生活を送れないような体にしてようやく奴等を解放した。


これで奴等も懲りただろう。


そう思って妹の方を見ると、とてつもなく冷たい目をしていた。


「・・・何故に?」


「普通あそこまでする?さすがの私も途中で彼らに同情したわ」


「可愛い妹を毒牙にかけるやつは普通は皆殺しだろ」


「貴方と言う人間の常識はどうやら他と少しずれてるようね・・・」


心外だ・・・


ってそれよりも!


「ったく、どこ行ってたんだよ!すごく心配したんだぞ!」


「何よ、少しぶらぶらと歩き回っただけでしょ?その結果、少々はぐれてしまっただけよ。別に問題ないでしょ」


問題ない・・・だと?


妹は相変わらず覚めた態度。

あんなことが有ったからだろうか、

だから俺は、


「んなわけあるか!!」


思わず怒鳴ってしまった。


妹が驚いて目を見開いている。

それにお構いなしで俺は続ける。


「実際に危ない目にあってんだろ!問題ありまくりじゃねぇか!」


「え、あ・・・」


うろたえる妹。


「たまたま今回は助かったけどなぁ、次同じことが合ったときに同じように助かるとは限らねぇんだよ!解るだろ!!」


「な、なによ!そんなに心配して・・・」


「心配するに決まってる!!

お前は俺の妹なんだぞ?

家族なんだよ!!」


そこで、ようやく俺の怒りが収まる。

いや、怒りじゃないか。


何て言えばいいのやら。


「家族・・・ 」


先程の俺の台詞を呟くように復唱する妹。


「そうだよ、家族だよ。例え血が繋がってなくても、一時的な関係でもそれでも今は、お前は俺の妹で俺の家族だ」


「あ・・・・・・」


「ほら、もういくぞ。大部時間食っちまったしな」


無理やり妹の手を取り、先を急ぐ俺。


ふと振り向くと妹の顔が少し赤らんでる様に見えたが、きっと日の当り方によってそう見えるんだろ。


行くか。


今回のような場合、兄の戦闘力は無限大です。


シスコンパワーですね。

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