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第26話 俺と私の温泉旅行part1

はぐれた、といきなり言っても解らないことだらけだろう。

順を追って説明しよう。


え?誰に説明するかって?

そんなこと考えちゃいけないぜ。


さて、遡ること3時間前。


ホワワワーン


・・・あ、これ回想の効果音ね。


ーーーーーーーーーーーー

近衛神島は電車で1時間いったところにある新幹線に乗り、さらに2時間の所に位置する。


要するに最寄りの駅から計3時間の所に位置する。


さて、この近衛神島についての話だ。


「島」と言うと響きはいいが(いや、よくないか?)実際島なのかどうかよく解らない所なのだ。


どういうことなのか。


実はこの島は、元は島ではなく繋がっていたとかなんとか。

それがある日地震によって移動、分離して島になったらしい。


と、そこで終わればあるある話で終わったのだが(いや、無いか)それだけでは終わらなかった。


なんと、又ある日起きた地震によりもとに戻ったのだ。

と言ってもくっついたわけではない。

パズルのピースのように、ぴったりとはまっただけだ。


だから、島であって島ではない。


難しいところだな。


そんな歴史があるため、この島はどんなに離れても再びまたもとに戻る、「縁結び」としても有名なのだ。

要するにリア充達のデートスポット。


いやマジで爆発しろよ。


と言う話を、新幹線の中で妹にしていた。


感想は、


「・・・・・・そんなところに私と行ってどうする気?」


と言う言葉と、「犯罪者はみなくたばれ」と言う視線だった。


好感度が低すぎる・・・!

いや、日頃の行いが悪いからだってのは解りますよ?


それにしたって態度が冷たすぎるでしょ!


・・・・・・ま、まぁそんな気がなかったとも言いきれないけどね。


「この人間、最低の発言をしていると言うことに気がついてないのかしら」


「心の中ぐらい自由な発言したっていいだろ!」


「貴方に発言の権利があるとでも?」


「人間だもの!」


「・・・え?」


この妹、兄を人外扱いしてやがる。


「さて、冗談と言う名の本音は置いといて」


「要するに本音じゃねぇか」


もうちょっと嘘をついてほしい。


「黙って頂戴、真剣な話をするの だから」


真剣な話・・・?


何なんだ、一体。


そう言えば、真剣と書いて「まじ」と読んだり読まなかったり。


とあるアニメのタイトルにも使われてたなぁ。


って、そんなこと考えてる場合じゃないだろ!

真剣な話なんだ。


しかもこのタイミング。

どのタイミングだよ。


うん、ホントどのタイミング?


ってイヤイヤイヤ!だからそんなこと考えている場合じゃないだろ!


真面目な話なんだ!


ゴクリ、と唾を飲む。


あ、そー言えばゴクリって言う飲み物が・・・


「沈まれ俺のライオンハァァァァァァァト!」


「・・・・・・・・・」


あ、ヤバイ。

凄く宜しくないお顔をしてらっしゃる。


「あ、あのこれはデスネ、俺の心の中の鬼が・・・」


「新幹線から飛び降りるか、飛び降りるか、選びなさい」


「それ一択クイズじゃ・・・」


「シャラップ」


「・・・・・・」


土下座で許してもらいました。





「で、真剣な話って何だよ?」


長い間額を地面に着けていたため、俺の額は赤くなっていた。


「ええ、その前にその赤くなった額をどうにかしてくれない?ふざけているようで不快だわ」


「誰のせいだと?」


「貴方のせいでしょ」


そうでした。


取り敢えずてで隠すと言う応急処置を。


「で、何だ?」


「ちょうどいい機会だから、今回の旅行中に聞いておきたいことが有ったの」


「何だ?」


「・・・・・・家に来て、最初に感じたことよ」


「いや、前置きは良いからさ」


「・・・・・・・・・」


どうしたってんだ?


何時もなら言いたいことをズバズバ言うはずなのに。


「やっぱりいいわ」


「良いのかよ」


「ええ、直に解ることだろうし」


「はぁ・・・」


なんかスッキリしねぇな。

ま、本人が良いって言ってるからいっか。


「じゃあさ、トランプやらないか?」


「トランプ?トランポリンの複数型かしら?」


「・・・・・・」


トランプを知らなかった。


ー説明中ー


「成る程、要するにカードを使っての遊戯ね」


「まぁそんなところだ。よし!じゃあ早速ポーカーでもするか」


「あ、ポーカーだったら知っているわ」


「順序おかしくないか?」


何故にトランプを知らないでポーカーを知っている。


「そんなのどうだっていいでしょ?さぁ、始めましょう」


「おう!挑むところだ!」


見たところ妹は初心者、まず負けることは無いだろう。


言うならば勝ち戦。


フフフ、これを利用せんでどうしようか。


「なぁ妹よ」


「何か?」


「どうせなら罰ゲームを決めないか?」


「罰ゲーム?」


「ああ、敗者は勝者の言うことを何でも聞くって言う罰ゲームはどうだ?」


「欲望丸出しの罰ゲームね。ま、勝てばいいだけの話」


「そう来なくちゃ!」


勝ったぁ!


この勝負完璧にもらった!


妹の性格上、この勝負に必ず乗ってくると思っていたが、予想通りだった!


フフフ、これで妹のあんな姿やこんなすがたが・・・!


「もらったぁぁぁぁぁぁ!」






「ねぇ、」


「・・・はい、何でしょうか」


「額が地面に接触してないじゃない。さっさと地べたに擦り付けなさい」


「・・・はい」


この日、

俺は心に深い傷をおった。



兄は弱くないんです!


妹が鬼みたいに強いだけです!!



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