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黒
黒はすべてを引き受ける色だ
どんな色の隣に置いても、その色を際立たせる
自分を消して、相手を輝かせる
そういう潔さが、黒にはある
喪服が黒なのは、悲しみの色だからという
説明もあるけれど
黒は
静かに、そこにいる色だからではないかと思う
何も主張しない
ただいる
夜が黒いのは
すべての色が、休んでいるからだ
昼間に輝いていたものが
夜になると、黒の中で眠る
黒は、休む場所でもある
黒い服を着ると、なぜかシャキッとする
締まって見える
強く見える
全身黒にすると
自分が少し、別の人みたいになる気がして
それが嫌いじゃない
宇宙は黒い
星や銀河が、あれほど輝くのは
背景が黒いからだ
黒がなければ、光は輝けない
黒は、光の母だと思う
ピアノの鍵盤も、白と黒だ
白だけでは、出せない音がある
黒があるから、音楽になる
黒はなくてはならない色だ
目立たないまま、世界を支えている




