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アスカニア大陸戦記 旅立ちの大空【R-15】  作者: StarFox
第三章 獣人都市

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第二十九話 獣人美女二人の誘惑

 ゲオルグたちが乗った揚陸艇は、着陸すると跳ね橋(コーヴァス)を降ろし、ゲオルグたちはゲオルグを先頭に気勢を上げながら跳ね橋(コーヴァス)を駆け下りていく。 


「行くぞ、みんな! おらぁあああ! ……って……ありゃ?」


 しかし、跳ね橋(コーヴァス)を駆け降りたゲオルグたちの目に映ったのは、はるか遠く、ふた山ほど離れた先の丘の稜線を駆け登りながら必死に逃げていく四人の人狩りたちの後ろ姿であった。


 クラウディアは、戦闘を想定していて拍子抜けしたこともあり、ため息交じりに呟く。


「……逃げていったわね」


 悪友二人もエミリアたちも安堵の一息を着くと、上空から飛竜(ワイバーン)に乗ったゾフィーが降りてくる。


 飛竜(ワイバーン)プロメテウスは羽ばたきながら地上に降り立つと、背から主人であるゾフィーを降ろし、地面に降り立ったゾフィーは、ゲオルグの名前を呼びながら駆け寄る。


「ゲオルグ様!」


「ゾフィー、来たな! ……よし! あいつらを追い掛けよう!」


 ゲオルグは、逃げていった人狩りたちを追撃しようとするが、クラウディアはゲオルグを制止する。


「待って、ゲオルグ! 彼女たち、ケガしているじゃない! 助けないと!」


 クラウディアはゲオルグを制止すると、負傷している獣人(ビーストマン)たちの傍へ行く。

 

「うううっ……」


 獣人(ビーストマン)の女の子は、脹脛(ふくらはぎ)を矢で射抜かれ、ケガをした足を抱えてうずくまっており、ゲオルグたちは人狩りの追撃を諦め、負傷している獣人(ビーストマン)の女の子の手当てを始めた。


「酷いことするなぁ……」


 ゲオルグは、獣人(ビーストマン)の女の子の脹脛(ふくらはぎ)を貫通している矢の矢じりを根元から剣で斬り落とすと、獣人(ビーストマン)の女の子に声を掛ける。


「矢を抜くよ。痛いけど堪えてくれ」


 獣人(ビーストマン)の女の子が無言でうなずくと、ゲオルグは脹脛(ふくらはぎ)から矢を引き抜く。


「あうっ!」


 ゲオルグは、傍らのエミリアに指示を出す。


「エミリア、回復魔法を!」


 エミリアは巻物(スクロール)を広げて回復魔法を唱える。


「判りました! ……治癒(ヒール)!」


 エミリアが魔法を唱えた途端、巻物(スクロール)は青白い炎を上げて燃え尽き、淡い緑色の光が獣人(ビーストマン)の女の子を包み、足の矢傷を癒していく。


 獣人(ビーストマン)の女の子は、足の傷が治癒したことに驚く。


「治った!? ……あなたたち、魔法が使えるのですか?」


 獣人(ビーストマン)の女の子からの問い掛けにエミリアは笑顔で答える。


「ええ」


 もう一人の獣人(ビーストマン)の女の子は、ゲオルグにお礼を言い、名乗る。


「ありがとうございます。私はレジーナ。彼女はレベッカ。……貴方たちは?」


 ゲオルグは、獣人(ビーストマン)の女の子たちに名乗る。


「オレはゲオルグ。帝国の皇子さ!」


「帝国の皇子様!?」


 獣人(ビーストマン)の女の子たちはゲオルグが皇子だと知り驚くが、二人ともゲオルグの首元に顔を近づけて匂いを嗅ぎ始める。


「スンスン……」


「お、おい……なんだよ?」


 ゲオルグは、自分の匂いを嗅ぐ二人の様子に戸惑う。


「酒もタバコもやってない。ほどよく鍛えていて、筋肉も付いている」


「皇子様、イイ男ね!」


 二人はそう口にすると、恍惚とした顔を近づけてゲオルグを見上げる。


 レジーナは黒髪の犬系獣人(ビーストマン)三世の美人、レベッカも茶髪の犬系獣人(ビーストマン)三世の美人であり、ゲオルグは少し照れる。 


「そ、そう?」


 レジーナは恍惚とした顔でゲオルグの耳元でささやく。


「皇子様。私、助けてくれたお礼がしたいの」


 レベッカもレジーナに続いてゲオルグの耳元でささやく。


「皇子様。私たちとイイことしましょ?」


 欲情した犬系美人の二人に迫られ、ゲオルグはたじろぐ。


「え? それって……」


 クラウディアとゾフィーは、欲情した獣人(ビーストマン)二人が露骨にゲオルグを誘惑する様を見て、慌てて止めに入る。


「ちょっと! 貴女たち!」


「やめなさい!」


 レジーナがクラウディアに尋ねる。

 

「貴女は?」


 クラウディアは怒りをあらわに答える。


「私はゲオルグの(きさき)クラウディア!」


 ゾフィーもクラウディアに続く。


「同じくゾフィー!」


 名乗りを上げた二人にエミリアたちも続く。


「同じくエミリア!」


「同じくカタリナ!」


「同じくエリーゼ!」


 次々と『ゲオルグの妃』と名乗る女の子が現れたことで、レジーナとレベッカは諦めたようにため息をついてゲオルグから離れる。


「はぁ……『(つがい)(※この周辺の獣人たちの間では『既婚者』という意味)』がいるのかぁ……」


「五人も『(つがい)』が……皇子様、イイ男だもんね。いいなぁ~」


 ゲオルグは、クラウディアの傍に行って小声で告げる。


「『オレの(きさき)』って!?」


 クラウディアも小声でゲオルグに答える。


「面倒だから、そういうことにしておいて!」


「しょうがないな。ったく……」


 ゲオルグは、再びレジーナとレベッカの元へ戻ると、二人に尋ねる。


「『お礼』はいらないから、人狩りについて教えてくれ」


 ゲオルグは二人に『イルマの両親救出作戦』と経緯について話す。


 レジーナとレベッカは、近くの雑木林に薪を拾いに街を出たところを人狩りに襲われたとのことであった。


 レジーナは感心したように口を開く。


「ふぅ~ん。難民の女の子の両親を救うために、帝国の皇子様がワザワザねぇ~」


 レベッカもレジーナに続く。


「人狩りとか、難しい話は、街にいる族長に聞くと良いよ! 案内してあげるから!」


 ゲオルグたちは、二人の案内で獣人(ビーストマン)の街へと向かう。



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