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アスカニア大陸戦記 旅立ちの大空【R-15】  作者: StarFox
第二章 獣人荒野

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第二十一話 女の扱い

 クレメンスがゾフィーを犯そうとした、その時であった。入口のドアが勢いよく開かれ、ゲオルグが現れる。


「ゾフィー!」


 突然、現れたゲオルグに、その場にいる者たちは驚愕する。


「で、殿下!?」


 ゾフィーは男たちに押さえつけられたまま、涙目でゲオルグの名を呼ぶ。


「ゲオルグ様!」


 ゲオルグの目の前には、男たちに木箱の上に押し倒され押さえつけられているゾフィーと、今にもゾフィーを犯そうとしているクレメンスの姿であった。


 ゲオルグは、ゾフィーを取り巻く状況を瞬時に理解する。


 クレメンスは、慌ててゲオルグに申し開きしようとする。


「殿下、これは……」


 ゲオルグはクレメンスに向かって突進して一気に間合いを詰め、言い訳しようとしたクレメンスを殴りつける。


「ぶぼっ!?」


 ゲオルグの正拳がクレメンスの顔面に炸裂、殴られたクレメンスはバランスを崩し、床の上に転倒する。


 ゲオルグは、クレメンスを殴り倒すと右手で抜剣して構え、ゾフィーを木箱の上で押さえつけている手下の男たちを怒鳴りつけた。


「彼女を離せ!」


 抜剣して鬼気迫るゲオルグの迫力に、手下の男たちはゾフィーから離れると、剣を構えるゲオルグから逃げるように床の上で転がるクレメンスの元へ行く。


 ゲオルグは右手で剣を構えたまま、左手でゾフィーを抱き起こして抱える。


「ゾフィー! 無事か!?」


 ゾフィーは抱き起されると、泣きながらゲオルグの首に両腕を回して抱き付いてキスする。


「ゲオルグさまぁ! ……んんっ」



 

 ゲオルグに続き、倉庫内にクラウディアたちが突入してきて、クラウディアと悪友二人は抜剣してクレメンスたちに向けて構え、エミリアたちも巻物(スクロール)を手に身構えて対峙する。


 ゲオルグは左腕でゾフィーを抱きしめながら、クレメンスを睨んで詰問する。


「クレメンス! どういうつもりだ!」


 殴り倒されたクレメンスは、手下たちに両脇を抱えられて起されると、悪びれた素振りも見せず、開き直ってゲオルグに答える。


「殿下。他人の『恋路』を邪魔して欲しくないですな」


 ゲオルグはクレメンスの答えを聞いて、いきり立つ。


「ふざけんな!」


 ゲオルグはクレメンスに斬り掛かろうとするが、クラウディアが左手でゲオルグを制止する。


「ダメよ、ゲオルグ! 落ち着いて!」




 クラウディアは抜き身のレイピアを構えたまま、周囲の状況を観察する。


(相手は八人。こちらと同数。でも、全員丸腰。戦闘になっても、勝てる)


 冷静に落ち着いていたのは、クラウディアだけであった。


 ゲオルグはすっかり頭に血が上ってクレメンスを睨みつけ、今にもクレメンスに斬り掛かりぞうであった。


 悪友二人、マティスとオズワルドは剣を構えてはいるものの、旧守派貴族の大物である第三席侯爵家のクレメンスにビビって構えている剣の切っ先がカタカタと震えていた。


 エミリアたち三人は落ち着いていたが、それぞれ緊張した面持ちであった。


 手下たちに両脇を抱えられて起されたクレメンスは、下半身丸出しでゲオルグの前で仁王立ちしていた。


 クラウディアの目に、否応なしにクレメンスの下半身が映り、クラウディアは嫌悪感で顔を引きつらせる。


(……なに? ……何なの、アレ?)

 



 すっかり開き直ったクレメンスは、上着のポケットから銅貨二枚を取り出すと、床に撒かれた小銭を拾い集める難民の女の子の方を向いて、手にした銅貨二枚を床に落とす。


「銅貨二枚やる。……咥えろ」


 難民の女の子は、クレメンスが床に落とした銅貨二枚を拾うとクレメンスの前に跪き、クレメンスの下半身に顔を埋める。


 クレメンスは歪んだ笑みを浮かべ、難民の女の子の頭を撫でる。


「ククク……そうだ……良い子だ」


 ゲオルグが口を開く。


「テメェ、なにしてやがる!?」


 クレメンスは、ゲオルグに言い訳する。


「『恋人』に慰めてもらおうとしたら、殿下に邪魔されてしまいましたからな。代わりに、この女で……」




 ほどなく、クレメンスは、難民の女の子の口の中に射精する。


 難民の女の子は両手で口を押えて倉庫の片隅へ駆け出し、クレメンスの子種だけでなく胃の内容物も吐き始める。


「げぇっ! ……おぇえええ……」


 クレメンスは、スッキリした顔で衣服を直すと、歪んだ笑みを浮かべてゲオルグに悪態を突く。


「殿下。綺麗ごとばかり言っているから童貞なのですよ。女とは、このように扱うものです。……ふはははは!」


 クレメンスは、ゲオルグたちと難民の女の子を残して手下を連れ、高笑いしながら倉庫の中から立ち去って行った。



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