濡れ衣
「ぬれぎぬ」です。
頭から被せられたのが
乾いた白い布だったら どれほどよかっただろうか
天日干しの太陽が香る
その下にどんな貌があるかを知らないのに
その下でどんな表情をしているか知らないのに
取り囲む知人も 取り巻いた他人も
花を投げて寄越せば愛おしげ
頭から被せられたのが
ひからびた古い布だったら いくぶんましだったろうに
すすぎ残した石鹸が臭う
その下にどんな貌があるかを知らないから
その下でどんな表情をしているか知らないから
取り囲む知人も 取り巻いた他人も
何かを投げつけるのは躊躇いを
頭から被せられたのは
濡れた汚らしい布だったのを どれほど呪っただろうか
染みをつくった泥水が鼻につく
その下にどんな貌があるかを知らないのに
その下でどんな表情をしているか知らないのに
取り囲む知人も 取り巻いた他人も
石を投げてぶつければ誇らしげ
「濡れ雑巾」のほうが、それっぽいかも。
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