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第2話 俺たちの価値って何?

「ドアが閉まります、ご注意ください。」


ドアが閉まると同時に、学校までに道のりは断たれた。


天田駅のホームを出発し、2人を乗せた電車はゆっくりと走り出した。


この17年の人生で初めて俺は学校をサボった。

俺に学校をサボる勇気などないからだ。


現にいまも俺は心配にとらわれている。


担任にどー思われるか、お母さんになんておこられるか、そんな考えが頭の中をぐるぐると回る。


そんな俺を横目に翔平は期待に胸を膨らませていた。


「晴人、まさかびびってんのか?」

翔平は俺を見下しているかのようにそう言った。


「びびってねぇよ」

と、強がったものの、さっきの選択に俺はもう後悔し始めている。



「なぁ翔平、俺らが来てないこと話題になってるかな?」

ズル休みがバレるのではないかと俺は心配だった。


「お前はバカか、俺ら2人が休んだところで誰も気にしてねーよ。お前は自意識過剰か?」


「うるせえ、ちょっと気になっただけだし。」

翔平に、あっさり論破された俺は恥ずかしさを隠すので精一杯である。


「晴人、俺ら二人がいなくても学校なんて何一つ変わらず進むんだよ。」


考えればその通りだ。

「そうだよな。はぁ、高校生ってもっと華やかなもんじゃねぇのかよ。」


高校生活は楽しいものだと、華やかなものだと、今まで勝手に思っていた。

ドラマやアニメやらを見て想像していた青春と現実はあまりにも違うものだった。


少なくとも俺の高校生活に青春の2文字はなかった。

女子と話すことさえままならなかったのだから。


その点、翔平はモテていると思うんだが…

好きな人やら彼女やらの話は聞いたことがない。


「なあ、翔平は、彼女とか欲しいとか思わないの?」


「まあ、いても悪いものじゃないんだろうけどさ、好きになるってことがわからないっていうか、キャピキャピした女子と話すの苦手なんだよ。」


翔平はニヤッと笑ってこう続けた

「まあ、お前よりはモテてるけどな」


「お前に聞いたのが間違いだったよ!」

俺と翔平は笑いあった。




気づけば数駅が過ぎ、山しかない風景の中を進んでいた。


翔平は、呑気に居眠りをしている。

こいつとあってから、どれくらいの時がたっただろうか。


俺は自然と翔平との出会いを思い返していた。


時は小学生の時まで遡る…






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