怖いおじさんとの出会いとマレーシアの水
プロレスラーみたいなゴツい髭の生えたおじさんが僕の目の前で何かを英語で聞いてきた
『jknfdas?』
相手の英語の訛りと自分のレベルの低い英語では何を言っているか全くわからなかった。
とりあえず目の前に熊がいるような迫力で僕は少し圧倒されていた。
彼は一歩前に出て僕にこう言った。
『cigarets ?(タバコはないか?)』
やばい人だと思ったが、ただタバコが欲しいだけと気づき僕は安心してこう言った。
『sorry I don't have it 』 (すいません、タバコを持っていません)
熊は何も言わずに僕から去っていき、その後も他の人に聞き歩いていた。
オーストラリアにいた時も道を歩いていると『タバコ持ってる?』と聞いてくる人がよくいたのでそれは当たり前のことだったがその時の自分からしたら不自然な事だった。
知らない人がタバコをくれって言ってくるのは日本の常識でいるとすごく驚くようなことだった。
しかもあんな30センチも僕よりでかい男にあの目つきで言われると海外初心者の僕は正直びびった。
その後は意外とのんびりくつろげた。
ケータイを充電しながら寝っ転がったりした。
そして出発の3時間前には出発する場所へ向かった。
クアラルンプール空港に行った事がある人はわかると思うが意外と広く目的地に行くのに30分以上かかる場合がある。
なんとか道に迷いながらも出発地点に無事についた。
出発までまだ1時間半もある。
なので僕は空のペットボトルに水を満タンにしに行った。
マレーシアではトイレや水道の水は飲む事はできない。マレーシア人が住む家庭でもお水を一回沸騰させて大きいペットボトルに水を貯めたりしている。
僕は水汲み場(水くみ場)に行った。
そこはすごい行列だった。
やはりマレーシアは水が不足している国なのかな?と思い行列を30分以上並んだ。
前から2、3番目ぐらいの位置にきてどうしてこんなに並ばなければならないのか理解できた。
どうやら水の勢いが全くなく水がちょびちょびしか出なかったからであった。
自分の番がきても500mlのペットボトルを満タンにするのに5分ぐらいかかったと思う。
列の後ろの人はなんでこいつはこんなに遅いんだと言わんばかりに僕の方をずっと見ていた。
周りからの視線を気にしながら水を汲み終わった後、僕は飛行機を待機する場所に座り、オーストラリアがすぐそばだというワクワク感を感じながら空港のWi-Fiを使ってyoutubeを見ていた。
そしてついにゲートが開き何も理解できない空港のアナウンスを聞きながら周りと同じ行動をとり、飛行機に乗った。
順番を無視して飛行機に乗ろうとしている人もいたがそんな事はどうでもいい。
そんな事より、僕のオーストラリアでの新たな挑戦で頭がいっぱいだった。