内定取り消しの電話
僕の人生を変えてくれたA君はオーストラリアに帰るとのことでまた会おうと言ってお別れをした。
その後は仕事場に内定を取り消しにしてもらうように連絡することに決めた。
僕はノート2ページに辞める理由などを文にして何度も何度も読み返した。
失礼にならずに上手く辞められるようになど色々考えたが、内定を取り消しにしたいという事すら、もうすでに失礼なことであった。
1時間以上話す内容を考えた後、会社に電話をした
『プルプル、、、プルプル・・』
電話の着信音を聞いただけで全身に緊張が走った。
『もしもし、○○会社です。』
僕はものすごく緊張して声があまりにも小さかったらしく
『どうしましたか?』
『も、もしもし、内定を頂いていた、、、』
声をかぶせて会社の方が
『あーどうも、お世話になっています。どうしましたか?』
僕は手汗がベチョベチョになりながらノートに書いた事などを伝えた。
僕が海外に興味があった事、御社には色々とお世話になっていることなど。
その後、会社の人が混乱しながら聞いてきた
『結局何が言いたいの?』
僕はその言葉を待っていたかのように申し訳なさそうに言った
『内定を取り消しにしてもらいたいのですが、、』
『なるほど。。。。わかりました。もう一度会議をしてから折り返し電話をかけ直させていただきます』
僕『わかりました。申し訳ございません』
『ガシャ』
僕は言いたい事を全部伝えられた達成感と申し訳なさが同時に起きた。
そしていつ電話が来るのかというのを緊張して待っていたところその日の夜に電話がかかってきた。
その時は昼寝をしていたのだが電話先が会社だと気付き慌てて電話に出た。
『もしもし、コウヘイさんですか?』
『もしもし、はい、そうです。。』
どんな結果になったのかわからなかったのでどうなるのか?気になっていた。
『内定の件なんですが取り消しという形になりました』
僕『そうですか。ありがとうございます』
確かに嬉しかったがその言葉は不謹慎ではないか?と電話の後思った。
その後、彼(会社の方)が何を言ったかはもう今では覚えていないが多分、僕の将来を応援してくれていたのだと思う。
その後、会社に行くことはもうなかったので会社の方々がどう思っているかは全くわからない。
この話を読んでくれている読者さんの中で僕は迷惑をかけている失礼なやつだと批判するようなネガティヴな意見を持っている人がいるかもしれない。
確かに迷惑かもしれない。
だが、僕たち人間は生きているだけで人に迷惑をかけ失礼な事をしている。
僕はずば抜けて迷惑かもしれないが、まあ、そこは置いといて。
内定が取り消しになった後、僕は喜びながらすぐにオーストラリア行きのチケットの検索とビザの申請を始めることにした。
海外への道はもうすぐである。