20190110-12
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腕が冷えて心まで凍えそう
こんな寒い夜は君の体温が欲しくなる
朝方newsの天気予報
週末は雪が降るかも
瞼擦って切りよいところまで
氷点下慌ててショール掛けた
インフルエンザが猛威をふるうね
変わりなくお過ごし下さい会える日まで
どうか週末明けたら雪は残らず
僕らの邪魔せず溶けて下さい
今年も大切な試験が来るね
後輩のあのこは大丈夫かな
気を利かせて誘う日は来月まで待とう
どうぞ私のことはそれまで忘れて下さい
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普通の家族が
僕には居なかったから
愛情をどれだけ求めても
何か違ったものだったね
足りない隙間
当たり前に生きていた頃
誰を信じていいかも
頼っていいのかも
助けを求めることさえ
わからなかった
諦めていたのだろうか
何も問題なく生きている事
そう振る舞いたくて
あの頃負った傷はどれも
もう白くなって薄くなって
探さなければもうわからない
けれど幾つも負った心の傷は
どうってことないさ
あの頃から何度言い聞かせても
まだ消えないね大人になった日も
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君があの頃何度もおねだりした半熟卵
シンクの蛍光灯ひとつ照らし
静寂の冷えたフローリングで座り込み
息を吹きかけ湯気を消そうとしている
いつものように作ったのにね
冷えた身体を深く温める蒸気
あの夏の日は見えなかった
音もなく静かに舞うこの空気
同じように作ったのにね
僕はあの時気づかなかった
幸せはあの日確かにあったのでしょう
見えた頃にはもう君は居ない