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勉強しない
喜多「愛様、いい加減にしてください」
ライバル企業の令嬢の身体をもらってから、スケートはもとより、大学にも行っていない。
行くわけにはいかないのだ。
当分の間の勉強と、女子大への編入の為、祖父であるCEOが付けた家庭教師兼世話がかり兼お目付け役なのが、「喜多」なのだ。
喜多に隙あらば逃げ出すのだ。
そんな愛ではあったが、体が鈍るのは嫌だったので、白地にピンクのラインの入った特注競泳水着を用意させ、偽名で水泳倶楽部へ入会した。
身体を差し出した「令嬢」が、顔を真っ赤にして泣き出しそうな、超ハイレグ、丸透けな水着で、指導者、他の会員をドン引きさせた。
そんな、グダ々な生活は、「桜」との出逢いまで続いた。