第2話 紅事件
コトコ姉さんに連れられ行った先は地獄だった…明らかに人間の容量を超えた赤い液体が部屋一面に広がっていたのだから…
アイラはひとつ下の妹 兄妹の中では一番年が近くなんだかんだよく一緒にいた…
今まで一番身近にいた人物がこうあっさりと消えると呆然とする…
今日はいい天気で予兆なんて全然なかったのに…
ぃちゃん
にいちやん
お兄ちゃん!
メイにそう呼ばれて僕はやっと戻ることができた…
メイ「お兄ちゃん!良かった…私お兄ちゃんがどうかしちゃったのかって…うわあぁぁん」
ユウキ「うん…ごめんねメイ」
僕が気を散らしている間に、自警団がやってきていたらしい。自警団とはこの街の平和を守る者たちのことだ。彼らはアイラの部屋を調べていた。
「またか…これで何件目だ?」「わからん こうも多いと面倒くさいな…」
面倒くさい?訳がわからない、僕は知らず知らずのうちにこう言ってしまった
ユウキ「面倒くさいってなんだよ!僕の…僕の妹が死んだんだぞ!ふざけんなよ!」
僕は担架を切って掴みかかった。いや、正しくは掴みかかろうとしただ…その前にコトコ姉さんの特性魔法で動きをロックされてしまった。
「くっ…」コトコ「やめなさい、悪気があって言ったんじゃないわ。あの事ですよね?最近起きている紅事件」
そうコトコ姉さんが聞くと、部屋の隅で何かを調べていた大きなウルフマンが前に出て大きな口を開いた
「心身が傷ついているところ申し訳ございません…私 サンジュウ自警団副団長のタンタンと申します…そうですね…貴方の言うとおりこれは今起きている未解決事件と同じ犯行だと思われます。詳しくは場所を移して話しますが…その前に」
彼は近くの団員に向かってこう言った。
タンタン「君…少し気の緩みが出ているぞ 現場ではいついかなる時でも被害者の気持ちを第一に労る 常識だ 直してけ」
そして僕達の方を向き、
タンタン「まずは貴方たちの保護ですね…お手数をかけますが自警団本部へと来てもらいますか?そこでお話を聞きたいのですが。ちゃんと小さなお子さんたちも落ち着ける場所もありますので」
コトコ「わかりました。」
そして僕達は彼らとともに自警団本部へと向かった。
自警団本部についたあと、カイとメイはカウンセラーの所へ預けられた。僕達は参考人としてタンタンさんから話を聞かれることになった。
タンタン「今回貴方たちの兄妹…アイラさんが巻き込まれたのは紅事件…部屋に大量の血を残して死体だけが消える事件です。犯人は不明 この一ヶ月でかれこれ三件起きています…これで4件目です」
タンタン「この事件の最大の特徴は密室殺人であることです…部屋の中で被害者が一人の時に起こっています これは他の三件と変わりません。よければ皆さんが彼女がいなくなったとき何をしていたのか聞かせてもらいませんか?」
僕とコトコお姉さんはそれぞれの事情を話した。
僕はメイと一緒にカイを起こしに行ったこと コトコお姉さんはアイラを起こしに行き、最初に惨状を目の当たりにしたことだ。
タンタン「ふむ…お話はお伺いしました…やはり今までと同じ紅事件の可能性が高いですね…貴重なお話 ありがとうございます。」
タンタン「今日はまだ捜査が終わっていないので自警団の客室にお泊りください。何から何まで申し訳ございません…ですが自警団の誇りにかけて必ずこの事件は解決します!」
そして僕達は開放され、客室へと向かった。
メイ「おねぇちゃんがぁ…おねぇちゃんが死んじゃったよおお」
メイはもうずっと泣いている…当たり前だ…姉が突然死んだのだから…僕は悔しさと悲しみが心から離れなかった…その時だった。
「姉ちゃんは生きてるよ わかるんだ」
そう言ったのは紛れもない カイだった。
カイ「僕の特性魔法がそう言ってる この事件…僕達で解決して…姉ちゃんを救おう」
続く。
魔法紹介
特性魔法
フラッシュ・ロック
対象にむけて光を放つことで
動けなくさせるぞ!
捕縛にはもってこいだ!
コトコ「次回も見てくださいね!」