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WYVER(N) 3-6

WAのスキンが出ません。

なので短いです。

「……えと、ゴリ……え?」

 あまりの光景に頭が追いつかないアベルはただただ立ちすくみ、手を掛けていたナイフを抜くことすら忘れ、ゴリラらしき生物が持っている物がライフルであることしか認識できていなかった。

 険しい顔の巨大な狼は幾度となく鼻を動かし、やがてゴリラに向かって首を振っている。と思えば、今度は鼻先でワイバーンを指していた。

「まあ、うん、魔獣だし……ゴリラも獣だし、うん。それより、どうしてそのライフルを持ってるのかな」

 言葉が通じないとわかっていても語りかけるのは人間の常なのだろうか、それとも口にする事で何かしらの正当化をして安心感でも求めているのだろうか、だとすればこの行為は実ったと言っていいだろう。

 僅かな時間でアベルは冷静さを取り戻し、その両手にナイフを抜いていた。

 それらはどちらもカランビットと呼ばれたナイフだが、左右で刃の向きを変えているようだ。右は引き切るように順手で、左は押し切るように逆手で持ち、軽く腕を寄せるだけでロクな構えはとっていないように思う。

「近づかれたら終わり……あっちの狼も咬まれたらバラバラかな」

 アベルが戦闘準備を整えたことが伝わったのか、巨大な狼もその背に鼻先を向け──自身の身の丈程はありそうな長剣を咥えた。

 この世界に来てから1年余り。これまでにアベルが出会った魔獣にはこの狼のように巨大化した個体はさほど珍しくなかった。更に言うのなら道具を扱う知能を得た個体もさほど珍しくない。

 それでも、人の作った道具の用途と使い方を正しく認知している個体は珍しい。どこかで剣士でも見て学んだのだろうか。

「アベル、動くな。奴らの足元を見続けろ」

「──わかった」

 急に聞こえた声に振り返りそうになった身体を抑え、アベルは飛んできた指示通り2匹の足元へ視線を向けた。

 隠れていたはずのカインはいつのまにかアベルより前に出て、その手に持った枝を1つ。

 パキリ。

 なんのためか、持っていた枝を折って捨てて見せた。

「…………」

「…………」

 するりと辺りから風が吹き抜けると、狼が鼻先でカインを指し示し、ゴリラだけが歩み出た。

 かと思えば、明らかにカインに向けてKTR-08を地に置いたのだ。

「届けに来たとでも? ゴリラが?」

「ヴ メンシゥズ トゥア」

「…………しゃべ?」

「ったね、このゴリラ」

 唐突に動いたゴリラの口からは、おおよそ咆哮とはほど遠い発音が聞こえた。同じフレーズを繰り返しながらKTR-08とカインを交互に指差し、何度目かで怪訝そうに眉をひそめ、諦めたかのように後ろへ下がっていった。

 狼は依然、巨大な剣を咥えたままだが動く気配は感じ取れない。明らかな警戒心を向けてきているのに不思議なものだ。

「わかる?」

「メンシー……? Même chose? 発音や文がめちゃくちゃだが、単語は共和国語に聞こえないこともない」

「えー……ゴリラが共和国語って……」

「毛色や姿からするにゴリラゴリラゴリラだろう。そう仮定するなら生息域は共和国語圏内だ」

「いやいや。この世界にあの共和国なんて無いからね? 話すヒトも居なかったよ?」

「この世界の獣全般が狂ってるだろう。そも、元の世界でも手話を話すゴリラが実在したくらいだ、この程度のファンタジーなら諦められる」

「わー。慣れてきてるー」

 やりきれない思いを抱えた2人があれやこれやと話している間、ゴリラと狼はただ黙って見届けていた。

 その後もしばし言い争っていたものの、数分もすれば珍事を受け止める準備ができたのか口数は減っていき、最後には互いの溜息で収束する。

 危機感というか、色々な物が足りていないように思えてならないが。

「それで? どういう意味なの?」

「同じ、あるいは類似。あの狼が鼻を動かしていた辺り、服に付いた臭いと比べたんだろう」

オ前() 言葉(デ モ) ワカル(ダ コール)?」

ああ(ウィ)一応な(ダ コール)

「同時通訳お願い」

「……そこまで精通してない。後から話す」

 カインもできる限り頭を動かしてはいるが、それでも限度があるようだ。

 ゴリラと会話しているだけでもお互いすさまじい事だと思うが、よくよく考えれば言語が違うはずであるこの世界の住人とは会話が成り立っているのだから、そのくらいは許容すべきなのだろうか。

 そんな疑問に駆られながらもカインはあれやこれやと言葉を繋ぎ、ゴリラとの意志疎通を図っていた。

「どうやら、このゴリラは魔獣になったはぐれ者を保護しているらしい。私の事をその類だと思い、臭いを追ってきたと」

 ワイバーンを呼び寄せるために空に向けて撃った時、KTR-08はその動作方式の関係で射手に対して火薬のガスが多く降りかかる。カインはその量を調整するパーツを2つ組み合わせることでサプレッサーの有無や環境に応じて最適なガス量へ設定できるようにしているが、それでも獣の嗅覚には十分だったのだろう。

 触れただけでも犬は判別ができるとも言うのだから、むしろ激臭か。

「信じたくないけど異世界だし……。それで? 他にはなんて?」

「魔獣にとって安息の地があるから、一緒にどうだと言われたな。なんでも、かの勇者様がその地を荒らしに来るから、少しでも戦力が欲しいそうだ」

「いっそ可能な限り引きこもっててほしいし駆逐されてほしい」

「同感だ。そもそも、判断材料も無く信じろと言われてもな……」


 《何1つ信じるには値しない》◀◀

 《真偽を確かめる価値はある》


「なにより、私は魔獣ではない。忌々しい(ヴ ム カス)奴らめ( レ ピエ)消え失せろ(カス トゥワ)

「…………ズュット……!」

 ぼそりと最後に呟き、ゴリラたちは森の中へと消えてしまった。

 魔獣として扱われた事に苛立ちでもあるのか、カインにしては低俗な罵声を口にしていた事も意外だ。

 現れたときとは違い、やがて隠す気のない足音が聞こえなくなってから、2人は再び大きく溜息をついて肩を下げた。

「……今度こそ死ぬかと思ったな」

「なにあの狼……っていうかゴリラって。喋るゴリラ(イボンコ)ってどうなの。それに会話の内容わからないんだけど」

「気にするな。しかしあれは生きた心地がしない……」

「ああも(おお)きな狼に睨まれてたらねえ。お姉ちゃんが慰めてあげよっか」

麗しく危険な(スィニゴヴロ)小鳥(イフリータ)でも抱いてろ」

「それは死ぬよ!?」

 直面していた危機が去ったからか、先ほどまでの緊張感はどこへやら、やいのやいのと賑やかさを取り戻し始めていた。

 カインは横たわっていたKTR-08を拾い上げるとマガジンをアベルに預け、右側面を空へ向けて感触を確かめながらボルトをゆっくり引き、装填されていた弾を抜き取ってから目視でチャンバーを確認してマガジンを挿し直し、セレクターとサムセーフティの両方を安全位置に掛けてしまう。

 続けてSIX12のグリップ上部にある小さなスライドレバーを左右両面から押し上げると、するりとバレルが滑り出てきた。

SIX12(シックス)は無事か……なら、戻ったらストックに付け替えるとして」

「なにそれ。そんな簡単に抜けちゃうの?」

「お前が死んでからの30年で、新型と言えば樹脂外装でモジューラパッケージなのが一般的になりつつあってな……」

 引き抜いたバレルを根本(チャンバー)側から覗き込んでみるが、先日の試射や環境で付着した細かな汚れはさておき、問題のある異物は見あたらない。

 反対の手順でバレルを戻してからシリンダーを外して撃発芯(ファイアリングピン)の周りを確認しても、これといった異常は感じられなかったようだ。

「野ざらしになってたのが心配?」

「ざっと見たが、どちらも隙間から砂が入った程度だった。問題は動力部(ガスブロック)と機関部に泥が入ってないかどうか……。なんにせよ、ゴリラの握力に曝された可能性がある。戻って整備しない限りは怖くて使えん」

「確か、100キロ超えの握力だっけ……。フレーム曲がってそう」

「かもな。ともかく村へ向かうか。報告と今後の相談もしたい」

「なら、おねーちゃんが前を歩きます」

「そうしてくれ。……ああ、そうだ。ついでに奴の甲殻をいくらか持って帰るぞ」

「はいはーい」

 ワイバーンの鱗を数枚ずつ剥ぎ取り、来た道を戻るように踵を返して2人は縦に並んで村へと歩み始めた。

 カインはKTR-08をスリングに接続し、SIX12のシリンダーを回して次弾が散弾になるよう変えつつも、頭の中ではやるべき事を考えているせいか周りが見えていなかった。

 口元を歪める程に奥歯を噛み締めているアベルに気がつくことはなく、ただ騒然と歩を進めてるだけだ。

「…………ごめんね……」

「──なにか言ったか」

「なーんにも。歳で幻聴でも始まったの?」

「そうでないことを願う」

「ボクもそれがいいかな」

 アベルは笑って誤魔化したが、今度こそ刃としての務めを果たそうと決めた心は早々に揺らいでいた。

 言動も姿も別れた頃となんら変わらない。けれど、確かに違う埋めがたい軋轢が感じられてしまう。それは時間が生みだしたもので、彼女が置き去りにした30年という月日によって変化した人間性そのもので、彼にとっては生きるために身につけた術なんだろう。

 それ故か、アベルは泡沫のような寂しさを抱いていた。

「それにしても、よくゴリラ相手に出てきたね……。勝算でもあったの?」

「雌ゴリラとは長年の付き合いだったからな」

「あー、ひっどい。おねーちゃんの事をそんなふうに言うんだ」

「自覚があるようでなによりだ」

 嘲笑するように2人がひとしきり笑うと、観念したように再びカインが口を開いた。

「……守ろうと思っただけだ」

「そっか。……ありがと。続けて甘い言葉の1つでも欲しいけど」

「そういうのは世の男に期待しろ」

「聞き飽きてまーす」

「わがままなゴリラだ」

「おねーちゃんですから」

 そう言って2人は肩をすくめ、互いの口元を笑みに染めるのだった。


 時も過ぎて村の宿。

 各々の用事を終えて帰ってきた一行は、カイン、ヴァース、アベルの3人にヤコを交えた4人で再び会議を開いていた。

 残りの2人は商人の所へ買い物へ行っているようだ。

「集まったか」

「テメェら魔獣に襲われてるって聞いたンだが」

「耳が早いな。……会話の通じる魔獣だったようで、平和的に帰って貰った」

「おいおい。ここまで来たらなンでもアリかよ」

「気にしていると身が保たんぞ。なにか報告は」

「っと。忘れるとこだったぜ」

 ヴァースがジャケットの内側から何かを取り出すと、床に座ってKTR-08のボルトを前後させているカインに投げつけた。

 難なく受け取って灯りに曝してみれば、普段目にするジッパー付きの袋……に入ったいくつかの結晶に見えるが、それが何かは検討もつかない様子だ。

「これは」

「さァな? 森ン中にあった獣道に落ちてた、なにかもわからねェなンかの結晶だ」

「なーに? それ。石英(クヴァルツヴィ)?」

「……それぞれ形が違う……結晶のままではなさそうだな、破片か? 特徴も石英(クォーツ)とは合わない。ヤコ、わかるか」

「うやっ!?」

 唐突に投げ渡された袋を慌てて受け取ったヤコが覗き見ると、何度か手元で前後させた後、訝しむように眉をひそめていた。

「…………此の欠片は召喚獣に用いる触媒、其の成れの果てじゃな」

「成れの果て?」

「召喚獣はの? 多くは其所に在る生を従え、契約の下に聖結晶へ封じる形を云うのじゃが、これは聖結晶の中でも位の高い類じゃ」

「ンで? そりゃどう違うンだ」

「特別な差違は無い。封じる量、質、力。それらが無色の物より烈しいのぅ。しかして、容易く手に入るものではない」

「……それで、成れの果てとは」

「うむ。聖結晶は契約が破棄、ないし対象が死すると其の姿を崩す、之はそういう物じゃ」

 曰く。

 召喚獣、もとい召喚対象との触媒を果たし、それを封じる聖結晶にはいくつかのグレードが存在するらしい。それらは下の等級から、白く濁ったもの、透明、白色、青緑とあり、順に能力と希少価値が上がるそうだ。

 無色までは商人が行き交う街なら容易に手に入るらしく、主に家畜の保護や愛玩動物との契約、戦闘用契約の入門に使われているとか。白色の物からは魔術系の専門店で手に入るが、小さな所では入手が難しいらしい。

 そして、件の欠片は白色の物の残骸という事だそうな。一部にはこれらと違う特殊な聖結晶も存在するようだが、今回は縁のない話だろう。

「つまり、何者かが何らかを召喚したと」

「うむ、うむ。その契約が破棄されたか命を終えたか、其所までは判らぬがのぅ」

「その召喚獣ってので、誰かが魔獣と戦ったンじゃねえか?」

「昨今の異変を鑑みるに、其れが妥当じゃろうな。この聖結晶に毒蝙竜(どくへんりゅう)を封じるのは過当が過ぎる」

「そンなもンなのか」

 この世界は魔法だ魔術だと無茶苦茶な事ばかりでなんでもありなのではと思っていたヴァースだが、前提になるモノが違うだけできちんと理が存在し、それを超えることなく廻っているのかと今更ながらに実感していた。どうにも、魔法と聞くと摩訶不思議(オカルト)なトンデモ現象と思ってしまう辺りは世界の違いだろう。

 ヤコから袋を受け取ってジャケットにしまうと、ヴァースの視線はカインの手元に戻った。

「ンで、テメェはなァにやってンだ?」

「1夜放置した銃の点検だが」

「……AKだってのにか?」

「AKであっても詰まりや湾曲は大敵だ。特にボルトとガスルートはな。そも、異物に強いと言われているのは比較しての話、更に言えばトリガー周辺だけで、バレルやボルト周りが詰まれば危険なことに変わりない」

 つらづらと文句をたれながらもマガジンとダストカバーを外したKTR-08からキャリアスプリングとボルトキャリアを引き抜き、薬室(チャンバー)からペンライトで照らしてバレルへと光を注す。減音機(サプレッサー)越しの銃口(マズル)から漏れ出た光は綺麗な円を描き、その道中に異物がないことを示していた。

 今度はサプレッサーの根本を操作してバレルと分離させ、銃口側を下にしてプライヤーでサプレッサーを軽く叩いて異音を確かめている。

銃口保護(コンドーム)はつけないの?」

「さして環境も悪くないからな。……砂か」

 サプレッサーの中からカラカラと軽い音がしていたが、数度繰り返す内に数粒の砂が床に散らばった。

 それで満足したのか用意してあった細長いワイヤーに持ち替え、先端に小さな布切れを取り付けてKTR-08の薬室からバレルへ差し込んで通してゆく。

「異形の鉄杖かと思うておったが、随分とモノが詰まっておるのぅ」

「杖ではないからな。弓の発展した物……と言うべきか」

「こゃ……。神官が武器を持つなど、神の怒りに触れぬか心配じゃわ」

「私の居た所では認可されていたから、どうとも言えんな。それと、私は説教を述べる者ではなく神罰の代行者だ。その為にこれらを使う」

「今もそうとは見えぬがのぅ」

「人は過ちを犯すものさ」

 悪びれる様子のないカインにヤコが呆れ顔を向けるも、やはりというか気にした素振りすら無かった。

 ワイヤーを銃口から引き抜いて布に付着した汚れを確認したと思えばフレームの内側へ光を当て、一通りの確認を終えたカインがKTR-08を組み直して何度かボルトを前後させる度に金属音が響き渡り、セレクターとサムセーフティの両方を安全位置へ掛けてからマガジンを装着した。

「そンで? アンタもこの先付いてくンのか」

「当然。その為にこの1年以上を生き抜いてきたんだもの」

「お美しい兄妹愛だこって」

「アベル、これを使え」

「わー。また変形してるー」

 会話に割り込んでカインが差し出したのは、独立して使えるようにされた姿のSIX12だった。

 KTR-08のハンドガードにアンダーマウントされていたSIX12を取り外し、改造された専用のストックに装着したものだ。本来ならトップレールがハンドガードも取り付ける事を前提にされた長さなのだが、不必要として切り落としているのだろう、そのせいでトリガーの真上に銃口が覗く極めてコンパクトな……というより、異様な姿になっていた。

「ダブルアクションオンリーの12ゲージブルパップリボルバーハンドキャノンと思え。シリンダーはグリップ後ろのレバーを起こせば外れる。セーフティはトリガーの上だ」

「12ゲージブルパップリボルバーハンドキャノン?」

「ああ」

「莫迦なの?」

「本来はハンドガードとロングバレルで使うものだが、最小限の装備しか持ってきてないからな。これでも使えはする」

 奇異の視線を向けるヴァースを横目に、アベルは受け取ったSIX12のストックを肩に当てて構えてみせた。

 ──が、あまりの短さにもう一方の手(サポートハンド)をどこに添えるべきかがわからず、ストック付き拳銃(ピストルカービン)のように両手でグリップを握ってみたり、どうにも馴染まないのか腕を伸ばしてみたりと様々な姿勢を試していた。

「このままだと重量分配(バランス)酷すぎない? 大丈夫? 反動でとばない?」

「ストックを使え。片手撃ち(ワンハンド)は……勧めはしない。身体に反動を逃がすか、受け流さないと怪我をするぞ」

「これが本来ハンドキャノンじゃないことだけは察したから、今後はやめてね?」

「そうだな。今後は蘇ったりしないでくれ」

 アベルがグリップを握っていた手を開いてみれば、ぐるりと銃口が真上を向いた。それだけ強烈に重心が後ろへ偏っているのだろう。

 とはいえストックを併用する事が前提である以上、さしたる問題にはならない。

 難点と言えば、ただ1つ。

「つか、そのリボルバーってシリンダーアームついてねェよな?」

「言われてみれば。リロードはシリンダーごと?」

「レールについているスイベルで本体をスリングに吊るして、シェルを入れ替えろ」

「えー……。どうしてそこだけ微妙に使い勝手悪いの」

「さあな。訊かれても知らん」

 その形状の関係で再装填に手間が掛かる事だろう。

 単体で使うにしろ、何かへアンダーマウントするにしろ、シリンダーを1つしか用意していない場合は両手を銃から離す必要が出てくる。

 元より戦闘用途としての側面が薄い設計だからと思えるが、こればかりは妥協する他無いだろう。破壊や狩猟が主なウリであることを考えれば仕方の無いもので、単独での使用は”可能な用途の1つ”でしかない。

「非常用と思えば妥協できるけど……照準器(サイト)は?」

「タンデムしている小型光線照射器(マイクロレーザー)だけだ。延長(テープ)スイッチが横に纏めてあるだろう」

「…………。ボクがKTR-08(そっち)使ってもいい?」

「使うのはいいが、トリガーストロークに気をつけろ、容易に暴発するぞ」

「ん、知ってるよ。他に諸注意ある? 」

「他は……マガジンがボルトストッパー付きだ、糾弾不良(マルファンクション)と誤認しないよう気をつけろ。あとはサムセーフティを解除しておけば普通のAKMと変わらん」

「はーい。……あれ、このテレスコピックサイト(スコープ)は? 中途半端な感じだけど」

「特定弾道用固定倍率照準だ。照準線(レティクル)の説明は後でするが、お前は上のオープンドット(RMR)を使った方が性に合うだろう」

「オープンドット? って、なに?」

「お前はドットサイトも知ら……ああ、そういえばお前の死後だったな、普及したのは」

 1度こうして熱が入ってしまえば、2人が銃関係の取り扱いについて話し合っているのを傍目に、残されたヤコとヴァースが肩を竦めていることに気がつく事はなかった。


アベルの死亡年代は一応ざっくりと設定があるんですが、この当時ってドットサイトがあまり普及してなかったんですよね。

今となっては標準装備な所もありますけど、そういえば無かったなぁ……なんて思いながら、歳を感じて今日もm&m'sがおいしい。




カオナシ

自称:カイン

本名:???

種族:人

職業:無職

特技:キャベツの千切り(料理が上手いわけではない)・スキニング

特殊技能:無顔の呪い(被害者)



サニア・ルルイラフ

種族:ハーフエルフ

職業:冒険者

特技:火起こし

特殊技能:神託



エレイン・カーボネック

種族:エルフ

職業:弓の教官→神官

特技:裁縫・交渉(笑顔ごり押し)

技能:神聖魔術・弓



ヴァーテル・スレイム

種族:人

職業:刑事

特技:錆落とし

特殊技能:刑事の勘



ヤコ

種族:獣人(妖狐?)

職業:獣人集落の長

特技:???

特殊技能:千里眼(?)



ツラハガシ

通称:アベル

本名:???

種族:人

職業:無職

特技:お姉ちゃん特権(ワガママ)

特殊技能:???




KTR-08

AKを素体にサイガのレシーバーを使って合衆国のメーカーが組み上げたフルカスタムコンプリートモデル。

信頼性をそのままに拡張性や使い勝手を引き上げた物。

外装を素のまま使うカインにしては珍しく、非常事態ということでゴテゴテと多量のMODを装着してサプレッサーまで付けている上に中も外もカスタムパーツがモリモリでSIX12を無理矢理アンダーマウントされているためハイパーフロントヘビー。弾無しで計5kgオーバーがグリップより前にある。スリング必至。非常事態だから……(震え声)

弾は7.62x39mm


SIX12

リボルバー構造のユニット式ブルパップショットガン。

10.5inchバレルにバーティカルグリップを使用することでフォアグリップ変わりにしている。

本来AKにつけるものではないし想定もされてない。非常事態だから(ry

今回からソードオフストックに付け替えてスタンドアロンモードになった。

弾は3inchまでの12ga(12x70を使用)


MP-443

強装弾に対応したピストル。

衣服の下に収める事を想定された作りになっているが、秘匿目的の構造ではない。

強度面からフルスチールの国内向けモデルが選ばれた。

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