神様は冒険者に転職したようです
登場人物
ロキ:異世界の神様
ヨルム:ウロボロスの末裔の若き老人
ミーシャ:ヨルムの孫
その他冒険者の皆様
おずおずとミーシャが手を挙げ質問する。
「ロキさんは何が目的でこの世界に来たのですか?」
「え、神と私が悪人と決めた奴を滅ぼす為にこの世界にいる」
「なぜ唯一神ゼウスを滅ぼす気なんですか?」
ミーシャは少し怯えたように聞き返す。
「私から名を語る偽物野郎を滅ぼすのに理由がいるのか?」
「その話わしも噛ませてくれ、わしは生に執念を持つ蛇と言われて迫害されておったからな」
「そのくらいなら私に付いて来ない方が良いのでは無いか?」
「いや、わしを迫害しろという命令をしたのは貴族や領主等では無く神からのお告げだったのじゃ」
「全知全能と言われるウロボロスを殺せるときに殺したいというのが目に見えて分かる」
「で、良いのか悪いのか答えてくれんか」
ロキは少し考え、自分が楽する駒に使えると思い「良いだろう付いてくるが良い」と答えた。
「そうと決まればすぐ行動じゃ」
「まあ、待て神を滅ぼすにも何処にいるかも分からぬ奴を探すにも情報がいるだろ」
「じゃあ、王国のある方に行くのですか?」
「あぁ、まずは教会に行って偽物野郎の情報を聞き出しそのまま制圧する」
そう言うとロキ一行は王国に向けて歩き始める。
森を抜けひたすらに歩き続ける。
ミーシャやヨルムの体力の問題で3日かかってしまった。
「あれが王国か実に大きいな」
それもそのはず王国は帝国と共和国に並び高い経済力と兵力を持った国である。そのため、王国を覆う塀もとてつもなくでかい。
「あそこが門か、それにしても凄い列だな」
「検問があるから身分を証明するアイテムがいるんじゃが何か持っておるか?」
「いや、何もないが」
「何も無かったらこの門を通る事が出来んぞ」
「じゃあ鷲になって王国に入るからヨルム達は入り口で合流しよう」
「その前にお前たちに力を与えておこう」
そう言うとヨルムたちに手をかざすと光に包まれていく。
「何をしておるのじゃ?」
「今、お前とミーシャに私の力を一部行使できる加護を与えているところだ」
ロキの力は多数あり雷等の天候を操るものから自身を護るものや不死の能力があるが一部なのでせいぜい人間が操れる程度のものである。
「魔力とやらは使わないがその分体に負荷をかけるから使いすぎには要注意だぞ」
言い終わるのと同時に鷲の姿に変身し、王国の中に入っていく。
「わしらも列に並んで王国に入るとしよう」
ミーシャは頷くと最後尾に並んだ。
ヨルム達が列の中間辺りにくるといかにも悪そうな二人組がこちらにやって来た。
「ちょっとその場所譲れよ」
「そうだ、兄貴が譲れと言ってるんださっさと譲って消え失せろ」
男達はか弱い女とまだ小さい子供だと思い恐喝の様な言葉を浴びせかける。
「なんで私達が場所を譲らなくてはいけないのですか?」
「はぁ、そんなの決まっているだろ俺らが強者でお前らが弱者だからだ!」
男は女の顔面を殴ろうと拳を振り上げるが殴れない。いや、殴れるには殴れるが首に目に見えない程薄くそれでいて鋭くされた氷の刃が喉に当たっているのだ。
「どうしたのですか殴らないのですか?では私からお仕置きです」
ミーシャは男の額に軽くデコピンをお見舞いするが、威力が強すぎて男は気絶してしまう。
「あ、兄貴大丈夫か?」
当然、兄貴から返事は返って来ることはなく大人しく列の最後尾に戻っていった。
周りの空気が静まり返りミーシャは赤面しながら門をくぐって行く。
「やっと来たか夜になるまでまたされるのかと思って心配したよ」
「いや、少し早いくらいだ、いつもだったら夜までかかるものだがな」
チラリとヨルムはミーシャの方を見る。
ミーシャは思い出したくない過去を忘れていたのに思い出してしまいまた赤面している。
「さて、まずは宿を探そう」
「私はこれでも神様だ安い宿は許さんよ」
「金が無いのだから安い宿に決まっているじゃろ」
それを聞いたロキが駄々をこねるがヨルムは聞かなかったかのようにスルーしてベットだけの質素な部屋の宿に泊まる事にした。
10ゴールドと安い宿代らしいがロキはお金というものを知らないので安いのか分からなかった。
(10Gは日本円で1000円位の事である。)
「ベッド以外何も無いよぉ、私は高級ベッドじゃないと寝れないのに」
「じゃあ寝なければ良いじゃろ」
「神様だって何となく寝たくなるのだよ」
ミーシャはそんなやり取りを聞きながら夢の中に入って行く。
朝の日差しが窓の無い部屋を明るく照らすとミーシャが目を覚ますと大きく伸びをし、ふぁーと眠そうな声をあげる。しかし、部屋の隅っこでしくしくと泣きながら体操座りをしている所を見てしまい一瞬で目が覚める。
その30分後位にヨルムが起きてくる。
「今日は、ギルドに行ってとりあえず身分証を発行してもらおう」
一行は朝一番でギルドに向かって行った。
まだ、ちらほらと冒険者がいるだけでがらんとしている。
「受付は奥だな」
奥の受付嬢の受付嬢のところまで行くとロキは今日初めて口を開いたかと思えば「お嬢さん独身ですか?独身だったら結婚してくれませんか?」と受付嬢を口説きだす始末。
「父上が恥ずかしい事を口走ってしまい大変申し訳ございません」
しかし、受付嬢からの視線はいぜんとして変態を見るような目をしている。
「えぇ、ギルドカード発行のこちらの書類をお書き下さい」
受付嬢から一枚の紙とペンを受けとるとヨルムとミーシャはさらさらと書類に記入するがロキは違った。
「私この世界の文字書けないんだけど」
「わしが書いてやるからまっとれ」
「代筆ならこちらがお受けいたしますよ」
文字を書けない登録者が多く無料の代筆サービスがあるらしい。
全員、登録が終わると早速依頼を受けてみることにする。
「さて、まずは何を選ぼうか迷ってしまうのぉ」
「魔獣退治とか派手なのがいいな」
だが、そんな物は新人冒険者が受けれるわけがなく薬草採取のクエストを受ける。
「薬草採取なんて私がやるようなクエストじゃないよ」
ロキは泣きそうな顔で薬草を採取している。
ヨルムとミーシャは村での生活で薬草採取には慣れているのでそこまで苦じゃないようだ。
「これなら昼前には終わりそうじゃな」
「そうですねお祖父様」
そこに、複数の人の気配がするのを彼らはまだ知らない。
「ふぅ、こんなものか、じゃあそろそろ帰ろうか」
「私はさっさと帰って家に引きこもりたいよ」
帰る準備をしていると複数の人の気配にようやく気が付く。
「何人かが私達を囲んでいるな」
「何者何ですかね?」
ミーシャが怯えながら会話をしていると男や女が森の陰や草むらから出てきた。
「こんなところで薬草採取は危険だぜ」
声をかけてきた男は「森の剣」という冒険者チームだという。
「お前らに恨みは無いが俺達のプライドの為にボコられてくれないかな?」
「ロキ殿あれは新人狩りという自分より下の冒険者を叩きのめして自分より上に行けないように脅す行為じゃ」
「へぇ、そんな奴等がいるのか、じゃあ今やり返しても正当防衛だよね?」
「何喋ってやがる自分のおかれてる状況がわからねぇのか」
男は自分達を無視されてイライラしているようだ。
「まずは女から先にやってやる」
そう言うと男はミーシャめがけて拳を振り上げるが、拳をどれだけ前に出そうとしても動かない。それもそのはず、ミーシャの周りに張られた結界の様なものが男の拳を跳ね返そうと反発しているのだ。
「お前ら一斉にやれ」
「「了解」」
森の剣のメンバーが魔法や武器での攻撃を浴びせるがびくともしないのだ。
「なんで効かないの、人間じゃない、化け物」等の言葉をミーシャに向かって言うがただの負け惜しみでしかない。
「さて諸君、気はすんだかね?気がすんだら私達の前から消え失せろ!」
「こんなことしてただで済むと思うなよ!」
森の剣のメンバー達は街の方へ逃げて行く。
「さて、わしらも街に帰りましょうか」
ロキ一行も街に向かい歩いて行く。
乗りと勢いで2話も書けました。
しかし、テンプレ過ぎて自分でも笑える作品になっちゃいました。
読んでくれた皆さま方本当にありがとうございます。
これからも乗りと勢いがあるうちは頑張りますので宜しくお願いいたします。 作者LIAR




