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ぶらり幻想郷  作者: 偃月桜
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悪魔の館 紅魔館

あなたは人里から出たことがあるだろうか。聞いてみると意外と多くの人が出たことがないと言う。とても惜しいことだ。皆里で生まれそして一度も外に出ずに死んでいく。じつに惜しい。里の外にはたしかに妖怪がいて危険で道も歩きにくい。しかしそれを補っても余りある美しい、そしてどこか懐かさを感じさせるような風景がそこにはある。あなたも休みの日、天気のいい日、少し疲れた日にぶらりと歩いてみるのは如何だろうか。


少し曇り空 七月

今日はあの悪魔の城、紅魔館に行こう。いきなり、と驚く人もいるかもしれないが別にそんな怖がらなくていい。妖怪は取り決めによって里の人間は基本襲わない。こちらから何か仕掛けなければ特に問題はない。持ち物は軽食、水筒、地図があれば事足りる。

準備ができたら里から出て霧の湖に向かって歩いていこう。七月だというのに意外と涼しいことにあなたは途中で気づくだろう。この霧の湖の周りはいつも涼しい。これは妖精の所為と稗田氏(妖怪にとてもお詳しい方だ)に聞いた。氷を操れる妖精がいるらしい。

この辺りの道はまだ歩きやすい。運が良ければ我らの目的地、紅魔館のメイド長 十六夜氏に会えるかもしれない。彼女はいつもメイド服なのでいればすぐわかる。彼女もこの道を使い里に食料やらなんやらを買いに来ている。しかし大抵彼女は急いでいるので話しかけるのはやめておこう。メイドというのも中々大変らしい。

しばらく水際に沿って歩くと湖の中央に伸びていく道にあなたは気付くはずだ。これが紅魔館への道だ。ここまでくればあと一息である。まっすぐ行こう。不思議なことにこの湖には魚がいないようだ。釣りをするならここはやめておいたほうがいい。私はかつてここで九時間釣り糸を垂らしていたことがある。しかしなにも釣れなかった。

道を五分ほど行けば大きな鉄の門に当たるはずだ。そして横に清?の緑色の服を着た女性を見つけるだろう。彼女はこの紅魔館の門番、紅美鈴だ。彼女は妖怪である。格闘技が得意だそうで、時々里から彼女に挑みにくるものもいるらしい。ちなみにこれまで負けたことはないそうだ。まぁまぁそんな恐れることはない。彼女はとても気さくで友好的だ。少し話してみるのもいいかもしれない。もちろん仕事の邪魔は厳禁だ。これを読んでそんなことをされた日には私が行方不明になってしまう。

この門の後ろに紅魔館はある。彼女に頼めば館の中に入れてくれるだろう。しかし幻想歩き初心者が無理をしてはいけない。ここらで引き揚げよう。暗くならないうちに里に戻るのだ。夜道を何も武器も持たずのこのこ歩いていればいくら取り決めがあろうとも危ない。外では人間より妖怪が上だ。幻想歩きをするときにはこの事をしっかりと胸に刻んでおこう。

家の戸を開けたならば今日の幻想歩きは終了だ。次の幻想歩きまで無くさないように地図をしまって水筒を洗おう。来月は竹やぶの中に隠れ立つ病院 永遠亭に行く予定だ。それではまた会おう。




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