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アスガルドの魔道士たち  作者: マリウス
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1話 謎の少女

皆さんはじめまして、マリウスです。

(User Name 疑心暗鬼な空気清浄機)


初めての小説投稿ですので、矛盾点があったりと色々ご指摘受けるところがあると思いますが、尽力しますので宜しくお願いします。


本作は、あらすじで学園ドリームファンタジーと書きましたがその意味が2話、3話で分かってくると思います。

アスガルドの魔道士たち


1話 謎の少女




一昨日も。

昨日も。

今日までも、変わらず同じ一日を生きるものだと、宮崎享は確信していた。いや、最早それを考える必要もなく毎日が過ぎてゆく。そういう生活をしていた。


少なくとも、今日が明日になるまでは。




その日享は、いつもと同じく六時にセットしてある目覚まし時計に起こされて一日が始まる。


享の部屋は二階にあり、一階に降りると目の前には玄関、後ろを振り向くと廊下があり、その奥にはLDK、左側にはトイレと風呂、右側にはクローゼットがある。


いつもは、直ぐにダイニングに行き、朝食を取るのだが、今日は高校の入学式ということもあり、クローゼットにしまい込んでおいた新しい制服を取り出し、身に包む。


制服に着替えた享は、朝食を取るためにダイニングにある椅子に腰掛ける。


テレビを点け、毎日の日課である朝のニュースを見ながらご飯と味噌汁、納豆という如何にもオーソドックスな食事をしている。


歯磨きも終え、時間もいよいよ七時を回り、靴も履き終えた享は玄関の扉を開け、行ってきます、の一言だけを告げて学校に向かった。


高校は学力は中の上といったところで学力で決めず、中学の友達の進学率が高いのと、家から近いのでこの学校に通うことを決めたのだ。


中学の時、享は成績は良いが、少し抜けている所もあるとよく言われ、また、人付き合いもそれなりに出来るため、友人も出来た。


そのノリで、高校も友人作りに困ることはないだろう。


ちなみに、家から近いと言っても徒歩で二十分程はかかる。


しかし、中学の時とほぼ登下校のルートは変わらないので苦労はしない。


歩いて十五分のところで、コンビニがあるので、ここで適当に昼食を買う。


学校に着くと、規定登校時間より三十分も早いというのに、生徒は半数以上来ていた。


やはり、初日だからか緊張しているのか、他の生徒に話しかけられない者や、もう他の生徒たちと打ち解けている者もいる。


享が自分のクラスと席を確認し、そこへ向かおうとすると後ろから押してくる誰かがいた。


「危なっ」


咄嗟に右足を前に出し、体勢を維持する。


「何だよ〜。普通ここは、もっとダイナミックに前進して前の女子たちにダイブするのが常識だろ?」


どこか、常人と常識が噛み合わない後ろから押してきた奴は中学の時からの友人、櫻井雄二はやはり常識人ではないらしい。


「お前は人を陥れることしか考えていないのか」


享は呆れながら、しかし、いつものことなのでいちいち相手にするのも面倒くさいといった感じで返事をする。


まぁしかし、これでも中学の三年間を通しいい奴だと分かっているからこそ関わっているのだが。


そんなことをいいことに、雄二はにやけながら享に心配するような面持ちで返事をする。


「お前は女子たちとの関わりをもう少し持った方がいいぞ?」


実際、享は女子たちと関わることが苦手なため、中学の時から女子たちと関わることも少なかった。ちなみに、女子に興味がないというわけではない。


しかし、そんなことを言われたっていきなり男子が突っ込んできて、もしかしたらその時にアクシデントが起きるかもしれない。尚且つその男子に好意をもつ女子などいるわけが無い。


「いきなり男子が突っ込んできてもプラスの印象は受けないだろうけどな」


そう言うと、雄二はにしし、と笑いながら本音をばらす。


「まぁ、本当のことをいうと、ふらついたついでに女子の胸とか揉んだりしたら面白いと思ったんだけどなぁ」


案の定、そんなことだろうと内心、享は思っていた。なので、雄二に一発頭に拳骨をお見舞いしてやる。


ごいん、と頭にアニメ程ではないが、少し大きめのたんこぶを作り、それを必死に押さえる雄二。


「全く、酷いぜ。相棒」


少し、涙目になり同情を誘おうとする雄二。


「お前の方が酷いぞ」


それだけいうと享は、先ほど確認したクラスの席についた。


クラスには、席が四十ほど配置されており、出席番号順に並んでいる。


ちなみに、享は三十四番で前は前田、後ろは望月だ。


と、確認している横から前の前田が話しかけてきた。


「俺は前田賢一、宜しくな」


どうやら、気さくそうな人物らしい。


「あぁ、俺は宮崎享。宜しく」


早くも知らぬ生徒から話しかけられ、順調かと思えた矢先、一人の女子が話しかけてきた。


「我には何も言わないわけ?」


いきなり好戦的な物言いで話しかけてきたため、少しむっ、と来たがその感情を抑え、何か訊くことにした。

右眼に眼帯をしていることから嫌な予感がした。


「俺は、多分聞こえてたと思うけど宮崎享。えーっと、君は?」


取り敢えず名前を聞く。しかし、いきなり右眼を抑えながら悶え始めた。嫌な予感は的中した。


「うぐぐっ。我が魔眼よ。我の真の名を明かす時がきようとは・・・」


いきなりの演技?を見せられ少し驚いたがすぐに中二病だと理解した享はため息をつく。


「で、名前は何て言うんだ?」


ため息をつきながらも一応、名前を聞く。後ろの席なので苗字は望月のはずだが。


「我の名は、イヴィル・アイズ・ドラグナー。暗黒の魔神龍、ダークネス・ドラグニルドラゴンを我が右眼に宿す者なり」


とてつもなく馬鹿っぽい命名だが、響きだけでつけたのだろう。望月ではないらしい。


また、ため息をつきながら享はその女子に話しかける。


「えぇっと?イヴィル・アイズ・ドラグナーさん?は何処の中学に通ってたの?」


仕方が無いので話しかけた。


時間も有り余っていたのでこの手の者に話しかければ時間も無駄遣いしてくれるはずだと思った。


「我は中学などという所には行かない。我は異世界からこの世界を監視していたためだ。しかし最近、アーク・グラヴィティ・ブラストによる波動を感じたため、我がここに顕現し直接干渉することで、アーク・グラヴィティ・ブラストによる余波を受けずに貴様たちは平穏な生活を続けられているのだ。我に感謝するが良い。」


案の定、いい時間潰しをしてくれる。 内容的にはあまりにも設定がダイナミックかつ非日常的なため、理解には苦しんだが。


さらにいえば、ちゃんと質問に答えてくれさえもしてない。


そんなこんなで中二ショーを楽しんでいると直ぐに時間は過ぎていった。


時間になると皆体育館に向かい、用意された椅子に腰掛ける。


俗に言う入学式というものだ。


四月のこの入学式のために練習してきたであろう、現二、三年生達による合唱により入学式は開始され、副校長のことば、校長のことば、担任について。など今日は入学式だけするらしい。


校長のことばではお約束的に校長の話が長いので周りを見ても生徒の大半は寝ていた。


享はなんとか意識を保ったが、それでもかなり辛かった。


先ほどの中二病はなんと、眼帯をアイマスクに変え、寝ている。


「あいつ・・・。そこまでする必要ないだろ・・・」


校長も生徒たちが寝ているのに気づいたか、声の音量を倍近くにまで大きくする。


これにより、起きた生徒はいきなりの怒声に驚き、焦っていた。


相変わらず寝ている生徒も数人いたが。


そこからも延々と校長の話は続き、計一時間半にも及んだ。


これには流石に、教師たちの中にも寝ている者もいた。


しかし、校長の話以外は比較的に短かったので助かった。


まぁ、時間合わせのために教師たちが焦らされただけだが。


そんな甲斐あって、時間通りに入学式を終えた。


帰りの支度をしようとすると雄二が途中まで一緒に帰ろうと提案した。


断る理由もないので、一緒に帰ることにした。


ちなみに、今日は入学式だけということを忘れ、朝、コンビニで買った昼食は雄二と別れた先にある公園で食べることにした。


道中では、雄二とくだらない話で花を咲かせながら楽しく歩いていたが、別れると一人なので静かなものだった。


公園につき、ベンチに腰をおろしながら、袋からおにぎりとお茶を取り出した。


「たまには外で昼食というのも、悪くないかな」


公園で食事など何年ぶりだろうか。などと物思いにふけっていた。


公園を見渡してみると、犬の散歩に連れてきた飼い主と、小さな子供達が鬼ごっこしている姿が見えた。


昼食を食べ終わったが、少しゆっくりすることにした。


すると、先ほどまで清々しい天気だったのに曇り始め、直ぐに雨が降り始めた。


「雨かよ・・・」


走りながら帰るのも一苦労もするような大雨だったので公園の遊具を雨宿りにして、雨が止むまで待つことにした。


この時期に大雨は珍しいな、と内心思った。


まだ四月も始まったばかり。


梅雨の季節ではないし、夕立の時間でもない。


それに何処を見ても雲一つなかった空にいきなり雨雲が頭上にくるなどありえない。


雷も鳴ってきたので、いよいよ止まないだろうと悟った享は、遊具から出て帰ろうとする。


遊具から顔を出した瞬間、視界が光で支配される。


その直後、ドカンという爆音とともに稲妻がさきほど座っていたベンチに落ちた。


その一つの雷が落ちた直後、分厚い雨雲は何処かへ去っていった。


「一体、どうなってんだ・・・」


先ほどのベンチを見ると、煙一つあげていなかった。木製のベンチなので焦げているかと思ったのだ。


近づいてみると、ベンチは傷一つついていなかった。


しかし一つ、おかしい点があった。


「おいおい、マジでどうなってんだよ・・・」


衝撃的なことに、ベンチの上で裸の少女が気絶していた。

小説全文を読んでいただきありがとうございます。


どうだったでしょうか?


謎の少女は2話から明かされていきます。


文章の読みやすさなどを重視して執筆しているつもりですが、読みにくいと思われた方にも読みやすい小説にするために、精進して参りたいと思っております。


1話で楽しんでもらえた読者の皆様が2話でも楽しめるような作品になるよう努力します。


では、読者の皆様、2話をお楽しみに!

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