表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私はスギを一生許さないけれど

作者: 渚ナギサ

2作目です。父から「春」というテーマをもらい、色々連想していった結果この作品ができました。ぜひ読んでください!

 生まれて初めてスギを呪った。私はスギ花粉のせいでティッシュとマスクが手放せなくなったのだ。一生許さない。

 しかし、これは逆にいいことなのかもしれない……。世間がコロナが収まりつつあり、マスクを外していく中、私の醜い顔を見せたくないから身につけたままという状態は、正直辛かった。友達に「マスク外さないの?」と聞かれても、堂々と理由を答えられるのだ。今まで、素直に「自分の顔が好きじゃないから」と答えて、それでどう返されても傷つく気がして何も言えなかった。そんな日々も今日で終わる。それは本当に素晴らしい。それはそれとしてスギは許さないけれど。目は痛いし、呼吸がうまくできないし。

 ……でも、このままでいいのだろうか? 今はまだ大丈夫かもしれないけれど、春が過ぎれば花粉症は治まって、また理由を探さないといけなくなる。それだけじゃない。その理由探しを乗り越えたとして、私はこのまま一生マスクをつけていいのだろうか? 外せないままでは、自分の顔へのコンプレックスを深めるだけではないのか? それで本当にいいのか? 私の顔は嫌いだけど、マスク越しに吸う空気はなんだか窮屈に感じてもっと嫌いだ。

 ……このまま春が過ぎたら、誰もいない場所でマスクを取ろう。外の空気を思い切り吸おう。それでもし、みんなに顔を見られてもいいと思ったら、街に出かけてみよう。その覚悟ができるまで、一生許さないスギにお世話になろうと思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最後、前向きな感じで終わるのが、いいですね。 [一言] 明るめに終わる方が個人的にはスキかな? だから私にはスキな話しです。
2024/06/26 22:25 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ