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うさぎ肉
日の出と共に起き、昨日の残りのスープを平らげてから村の入口にて待つ。
昨日見た顔以外にも5人、細身の男と若い娘が現れた。軽く自己紹介を済ませると、早速罠の確認に向かった。
村の外にはかなりの数の罠を仕掛けてあるようだ。
「ヴァルさん、うさぎを捕まえたことは?」
「旅の途中、よく捕まえていますよ。」
細身の青年、ラトゥになにやら睨まれているが、ガジャのこの熱い眼差しのせいだろうか。何度経験してもいたたまれない。若者の色恋の間になど挟まりたくない…!
「かかってますね。私がやります。」
「しっかり締めてくれよ。」
10羽程度のうさぎを回収し、都度罠を交換していく。
昨日見なかった者達と共に一度村に帰り、昨日仕分け作業をしていた者はこのまま薬草、野草の採取に移るそうだ。
ヴァルは今回、うさぎの解体側に回るため村に帰ることとなった。ガジャの名残惜しそうな目線、ラトゥの妬ましげな目線がいたたまれない。