ジャン村
重い荷物を担ぎ、道中気のいい商人の荷台に乗せてもらい、ようやっと辿り着いた。
以前来た時は木こりとしてしばらく置いてもらったが、今回はどの程度滞在できるだろうか。
「旅のお方、この村に宿はありやせん。近くの空き地は好きに使ってもらってかまいやせんが」
見覚えのない青年が走り寄って声をかけてきた。
「ありがとう。私はヴェル、そこにテントを張らせてもらうよ。普段は木こりをしているんだが、何か仕事はないかい?」
青錆色の瞳に、金髪の美青年だ。身体も薄く、木こりというような体格ではない。
「へぇ、力仕事は助かりやすが…ヴェルさん、アンタにゃ薬草採りや仕掛けの仕事の方がいいかもしれやせんね。」
「私は意外と力持ちなんだが…。でも薬草採取も経験がある。罠は昔やった時は下手くそと怒られたものだが努力しよう。是非やらせてくれ。」
見た目で判断されてあからさまにしょげているが、何やら分厚い薬草の書物を取り出して胸を叩いている。村人のトクは女や子供が作業をしている薬草小屋へ旅人ヴェルを案内した。
土壁の中は見た目よりも広く、5人の村人が乾燥させた薬草の仕分けを行っていた。
「私はヴェルという。今日からしばらくこの村で世話になるので、仕事を手伝わせてほしい。」
村の男しか見た事のない村娘たちは、美しい顔立ちの男に色めき立った。