7.大公国からの使者 「決してロリコンでは、ござらん。ロリコンでは」
帰宅途中の電車での退屈しのぎに!
第7話
大公国からの使者
「決してロリコンでは、ござらん。ロリコンでは」
なんと大公国の方から使者がやって来たのだ。
偶然だろうか?
迷うことなく、会うことにした。
まず、大公国も私と同じく改宗を考えていたようだ。
改宗も北の公国の時のように、領主が亡くなり、教会から領主を送り込んでの改宗は出来ない。
今回は領主は健在なのだから、不適当となる。
そうなると、改宗には、二人の推薦者が必要になる。
そのうち一人を私にして欲しいということだ。
願ってもないことだが、軽々しく返事は出来ない。
なんと言っても、今、息子は騎士団のイベントに参加中なのだ。
出来れば終わってからにして欲しかった。
しかし、大公国は、今がチャンスだったようだ。
戦闘になった際、殿下は捕虜として、命の保証をするというのだ。
大公国は、今が好機だったのだ。
まったく、見過ごされていて、頭に来たわ!!
「それで、もう一人は、どなたにお願いするのですか?」と聞いてみた。
「はい、実はそのことで、陛下にお願いがございまして」
お願いとは、何だ?
「公国の王女のアデリナ様と大公国領主のコンラート様の結婚式を、王都の教会でさせて頂きたいのです」
そうか! 勝手にやってくれ!?と言うわけにはイカンよな。
私は執事のカールハインツを見た。
「陛下、アデリナ様は、今年から当王都のスクールに通学されてまして13歳でございます。えぇ、ちなみに……」
何故か、カールハインツが詰まってしまった。
すると、使者が、
「はい、コンラート様は38歳でございます。決してロリコンではございません。ロリコンでは、はい」
いやいやいやいや、親子じゃん!
それ親子じゃん! その歳の差は親子だ!
しかも学生を捕まえて、結婚? 婚約の間違いか?
「相手は学生ですよね? ご婚約のお間違いでは?」というも否定された。
「婚約では間に合わないのです。今、騎士団と戦わなければならないのです。結婚でないと改宗出来ませんから」
まあ、二人がそれで良ければ、うちらは部外者だからねぇ? ねぇ、カールハインツ!?
それと、結婚するんだったら、私のサインはいらなくなるね。いらんよね?
「公国の公爵様とアキュリア様のお二人のサインを頂きたいのでございます」
そうなんだ! 決定事項なんだ。
「それと、王都の教会で結婚式を上げたいのと、先程のご推薦、アデリナ様の警備をお願いしたいのです」
「それで、うちのエルマーは人質かい?」
「人聞きの悪いことを」
「それと、話は元に戻りますが、北の騎士団と戦って、勝てるのですか?」
「はい、そのための結婚です。それと騎士団の東の長官は既に協力者です」
「えっ!」
なんですって!?
もう、そこまで進んでいたのか?
「騎士団の内部は、総長派閥と長官派閥にわかれております。
総長は長官の上司ですが、東の長官は東の騎士団の総長でもあります。何も気に食わない相手のことを聞く必要はないお立場です。
東の騎士団の目的は、あくまて東遷です。東遷を支持する代わり、今回の戦闘に参加しないよう手配しております」
あぁ、こいつらは、伊達に騎士団相手に百年も戦争してないわ。
この件は、大公国と敵対しない様にするのが得策だ。
「となりますと、公国と大公国の戦力は、騎士団より3割増しになります。
ですので、王子殿下のことはお任せください。アデリナ様のこと、よろしくお願いします」
ようは人質なんだね。この二人は。
だから、このタイミングで現れたのか!
この私を、ここまで……
何か腹が立つよな。
後で、マリーネのケツでも蹴っておくか!
その頃、エルマーは北へ向かっていた。
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