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最終回 終わりの始まり

この最終回とあとがきで終わりです。

これまで、ありがとうございました。


では、どうぞ!

第15話 最終回

終わりの始まり


 すでに、このボルク要塞は新生王国軍に包囲されていた。

 指揮系統が乱れ、誰が、どこの指揮をするか決まっていないところに、敵はやって来てしまった。


 さすがに、この時、エルマーは自分の死を覚悟した。

「格好良いことを言って王都を出てきたが、オレもバカだったな。こんなことになるとはなッ」


 新生王国軍の包囲は強力だったが、騎士団の強さも本物だった。

 双方、伊達に百年も戦争をしていない。


 オレは、一兵卒として戦っていた。

 貴族や騎士だの言っていられないぐらい、激しい戦闘だった。

 特に弓は得意だったので、城壁からの狙撃で貢献出来た。

 まわりを見渡すと、騎士の称号を受けたはずの貴族が活躍しているとは言えなかったが。


「確か、御祖母様が言っていたな。『戦いは気力、勇気のあるものが勝つ』と」

 御祖母様の言葉を借りると、「戦いはノウ・ハウ、タレント、パッションの三位一体」だそうだが、相手の方がパッションで上回っている。

 不味いのでは?


 そう!


 その後、母上が、この地に現れなかったら、オレは、どうなっていただろうか?



***



 その頃、私はタイミングを測りかねていた。 

「ボルク要塞が包囲されて3日が経過した。うちの貴族達を救いに行かないと、王国への忠誠心の問題に発展しかねないです。そろそろ、動かないと……」

「陛下、東の騎士団が動くようです。流石に首都を包囲され放置するわけにも行かないようで、東の港に軍艦が集結しております」

 なら、新生王国と東の騎士団の協定破棄と捉え、我らもこれに便乗する好機!

 混乱に乗じる。


「東の騎士団の到着時期は?」

「はい、およそ3日です」

「私も出る。出撃せよ!」



 そして、我が王国軍が到着した頃、東の騎士団も到着し、新生王国は撤退することになった。

 国境付近の街で和平条約を締結するので、立会を求められた。


 なんと、新生王国は勝利と行って良いのに、ほんのわずかな領土の要求しかしなかった。


 おかげで、北の騎士団国は消滅はしなかったのだ。


 しかし、これが終わりの始まりだった。


 新生王国には、騎士団の上級指揮官の捕虜が大勢いるのだ。

 これを身代金と交換するとなると、とてつもない金額となった。


 その後も、北の騎士団は、何度も何度も新生王国に挑んでいったが、一度も勝てなかった。

 大陸の貴族から見放され、資金も戦力も集められなくなったからだ。


 そして、北の騎士団国は、霧散するかのように無くなった。


 しかし、国家は無くなったが、北の騎士団は、その後も、数百年存続することになる。

 大陸各地に領地があり、病院があり、領地と病院の警備隊として、この後も残っていく。

 しかも意外なことに、救急活動では、どの騎士団よりも、どの医療団体よりも迅速だと評判なのだ。

 南の帝国では、救急活動と言えば、北の騎士団が一番らしい。


 そう、“慈善活動団体 我が民族と聖母のための騎士修道会”の名は、後の世でも世界的に有名なのだ。



読んで頂き、ありがとうございました。

本編も、よろしくおねがいします。


本編では、活躍の予定がないエルマーを番外編で登場という形にいたしました。

今後とも、よろしくおねがいしますね!

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