12.ヴァルトの戦い 3 ウル村の攻防
仕事前の景気付けに!
第12話
ヴァルトの戦い 3
ウル村の攻防
メアリーとマーガレットは、闇夜にもかかわらず馬を走らせた。
女の胸を切り裂いて殺して燃やす!
その様な悪行を許すわけには行かない。
二人は先遣隊に志願した。
村は燃えていた。
間に合わなかった……
「貴方達の仇は打つわ! 必ず」
そして、先遣隊は新生王国軍を追った。
***
「先遣隊は行ったか?」
「はい、ユン総長」
「上手く行きそうだな」
***
「なぁ、俺達も出ないか? じっとしていられないぜ!」
「俺も、やつら我慢ならねぇ」
「実は、オ、オレ……ウル村出身なんだ」
「「「なんだって!」」」
このことは、瞬く間に広がった。騎士団にウル村出身者がいるという事が、各部隊に広がった。
義憤に駆られる騎士団員に貴族子女達!
「朝まで待てない! 進軍しようぜ」
その言葉に、右手を上げて応える団員達。皆、進撃の準備を始めた。
驚いたのは、ユン総長と側近だ。
「奴らめ、盛りよって、煽りすぎたか」
ユン総長は、先遣隊が新生王国軍の位置さえ掴んでくれたら良いと思っていた。
しかし、義憤に駆られた騎士団員は、『ウル村出身者のため敵討ちだ』と燃えていた。
「止めろ! 止めさせるのだ」
「何いってんですか! 行くに決まってるでしょうが」
愚連隊騎士団が出撃を開始した。
「奴らめ! ウル村の工作はバレんだろうな」
「抜かりはありません。王国軍の旗を上げ、襲撃しましたから」
「儂らも行くしかあるまい」
そして、先遣隊は明朝、朝靄の中、森に待機している王国軍を発見した。
「お姉さま、見つけたわ」
「ええ、マーガレット、確かに新生王国軍の奴らね」
ここに、世紀の一戦、ヴァルトの戦いが始まろうとしていた。
読んで頂き、ありがとうございます。
残り3話となりました。
あと本編もよろしくね。