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10.ヴァルトの戦い 1

おはようございます。


このお話もあと少しです。

最後までお付き合いくださいね!

第10話

ヴァルトの戦い 1


 エルマーはボルク要塞に残されていた。

 電撃隊の仲間は、実家からの援軍と共に戦闘に参加していた。


 王国は参戦しない。ただし、貴族個人の参加は認めるという立場だ。


 何故、戦闘好きの母上が参戦しないのだろうか?

 自分が、どうなっても良いと思っているのだろうか?


 何故、騎士団は自分の参戦を認めないのか?

 戦闘に参戦出来ない苛立ちと不安が、さらにエルマーを孤独にさせた。



***



 我が王国の南には巨大な帝国がある。


 さらに南には、天を貫くかと思うほど高い山岳地帯があり、そこに住む人々は、酪農をして生計を経てていると、思っている人が多いが、実際の主要産業は軍事だ!


 また、この山岳地帯の南には半島があり、教皇領となる。

 教皇のいる本山に行くには、山岳超えか、山岳地帯を迂回して海に出る。

 そこから、船で進むか、海岸沿いを進むかとなる。

 無論、盗賊や海賊がおり、巡礼者達の悩みのタネなのだ。


 そこで、山岳地帯の人々は、山脈超えの案内人を努めたり、迂回路では護衛をする仕事から、軍事産業が発達した。

 それは、この大陸の2大傭兵と呼ばれている。

 この山岳地帯の傭兵はパイク兵。

 山岳傭兵は足腰が強い。

 もう一つの傭兵は東方から来た騎馬兵の子孫だ。

 独特な複合弓を使い、前進でも後退中でも撃てるという特殊な弓だ。

 この軽装騎馬弓兵は、嘗て大陸を震撼させた出来事があったが、それはまた別の話。


 さて、南の帝国が新生王国との国境で戦闘を開始したことは、先日、報告したが、なんと、南の帝国内でパイク兵が反乱を起こしている。

 山岳傭兵だ!


 新生王国は、南の帝国が参戦した時の為、山岳傭兵を、既に雇っていたのだ。

 正規軍でも、まともに戦えば、危うい連中だ。新生王国との戦力を回さないと国内が崩壊する。


 もし、我が王国が新生王国に参戦するとどうなるのか?


 息子のことだけですまないだろう。何か仕掛けてくるはずだ。

 もし、何もなければ、新生王国は優しすぎる。


 そして、この戦争に教皇のコメントが無い。

 新生王国が、もう教皇を引き入れているのか?

 教皇は、北の騎士団と新生王国を天秤にかけたのか?

 となると、新生王国の方が、多くの信者を獲得し、今では有り難い存在なのか?


 迂闊に動けば、こちらも南の帝国みたいに、既に、何か仕掛けられているやもしれん。

「国防大臣に警戒レベルを挙げさせておかねば」


 嘗ての北の大公国、現在の新生王国に異教徒ハンティングをしていた貴族達は、新生王国が改宗したことを知り、国境まで撤退していた。


 しかし、新生王国は長年の恨みを晴らすべく、国境を超えて追撃をしてきた。


 その迎撃にユン総長自ら出撃し、貴族の子女達にこう言った。

「彼らは改宗した。事実だろうか? そして、今まで異教徒だったからと言って逆恨みする者など、神がお許しになるだろうか?

 何れにせよ、我々は戦う。

 諸君、騎士団の行う本物の戦闘が見たくないか? 見たい者は共に闘おうぞ」


 そして、オルガンの演奏が流れ、賛美歌のイントロが流れた。


  あぁ、神は復活せり。我も、また復活せり。


 ユン総長は、騎士団と各地の貴族を連れ、進軍を開始した。

 そんな中、エルマーはボルク要塞に取り残されていた。



読んで頂き、ありがとうございます!



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