はじまり
剣は人を護るために存在するものだ。
そんな考えを持つ国は青の国。
緑の草木と清々しい青空に毎日恵まれ、そして人々は平和に愛を求めてくらす国。
剣は人を殺めるために存在するものだ。
そんな考えを持つ国は赤の国。
枯れた草木やぼろぼろの建物だらけ、人々は愛など信じずに暗い空を眺めて暮らす国。
青の国と赤の国はいつだって敵国で、和解をしようとはせずつねに独自のやり方で戦争を続けては何百年も時は経っていきました。それはもう宿命としかいえないもので、誰も何も止めることは出来なかったのでしょう。
2つの国は騎士の国。
騎士達は国王に忠誠を誓い、そして国をまとめるというやり方は2つの国の唯一の共通点でした。
それから何百年後。
赤の国と青の国で、騎士をまとめ、国をまとめる、騎士長なるものがあたらしく誕生した。
そこから、常に戦争ばかりだった2つの国に初めての変化が現れたのである。
青の国の騎士長、騎士でもあり王子でもあるその人の名はアスール・カエルレウム。
ふわふわとした金髪に綺麗な碧眼。誰からも愛されている見た目麗しい王子であり騎士である。
赤の国の騎士長、裏では国王のスパイとして働き表では騎士長として動くその人の名はレイドール・ハイドメア。
真っ赤な血に染められたような髪は片目を覆い、真っ赤な瞳で相手を睨むだけで怯えさせる誰からも恐れられている騎士である。
そんな2人、新しくついた騎士長。
また、新たな戦争が生まれるのかと思いきや。
なんと初めてそんなことは無かったのだ。
これは、2人の騎士のものがたり。