ニケツ
夜通し騒いだ後で、
立つも歩くも下手くそで、
目は醒めてるが、
頭はクラゲて半透明で、
何もないのにわははわははで、
それでも後ろに友など乗っけて走るから、
あっちへ寄ったり、
こっちへ寄ったり、
ふらふら、ふらふら、
ハンドルばかりが小まめに回り、
まるで回らぬ車輪が二つ、
友は傾ぐたんびに足を着いて補助するが、
それでも私はあっちへ寄ったり、
こっちへ寄ったり、
傾げば友は私の服をわし掴み、
あっちへ引っ張り、
こっちへ引っ張り、
右に左にぐいぐいやるから、
右と左と代わりばんこに、
どったらばったら足着いて、
わはわは登る長い坂道、
寝ぼけ眼の街路の上を、
青い空気にニケツして、
ふらふら、ふらふら、
走ってく。