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WARSEX (ウォーゼクス)   作者: とってもみかん
1/4

Prologue ‐プロローグ


オリジナル物の初投稿となります

稚拙な文章ですが、宜しくお願いしますm(__)m




高校二年生の夏


俺の名は北条(ほうじょう) (ゆう)

ごく一般的な男子高校生である。


本日は快晴の下、親友兼クラスメイトである 井島(いじま) (たける)藤本(ふじもと) 藍斗(らんと) の三人で海で泳いでいた。


8月も末となり元々人気のなかった近場のビーチは俺達で貸し切りの状態だった。

澄み渡る群青の海も、客が俺たちだけでは心なしか寂しそうに見えた。


そのまま昼近くになり、俺達は昼飯を食いに海から上がった。

先程までやっていた水泳対決について三人で話を盛り上がらせながら服を着替え終え、いざ解散しようと別れのバイバイを交わそうとした時。



視界が白く塗りつぶされた。




――――――――――――――――――――――



俺の視界が再び彩りを取り戻した時、そこは先程までいた砂浜の上ではなかった。


「は...?」


驚きで間抜けな声が出てしまう俺


「え、どういうこと!? 何!? 何!!」


動揺と興奮が入り交じり訳がわからなくなっているタケル


「あ、ありのままいま起こったことを話すぜ...」


特に動揺もせず、某人気漫画のネタを言おうとするフジモト(...コイツほんとブレねぇな)


一般的に俺やタケルのような反応が普通というのだろう


なんせ俺らがさっきまで泳いでいた大海原は、あろうことか学校の体育館の木製のフローリングと化していたからだ。


..というかウチの体育館だココ



だが驚くべきはまだあった。


体育館の中には俺らを含めて相当大勢の人がいたのだ。

半パンTシャツといった涼しげな格好(俺達もそう)や、

パジャマや俺の学校指定の体操服を着た集団もいた



きゃあ!!


甲高い女性の悲鳴が聞こえ、慌ててそちらを向くと、5メートルほど向こうの方に白いバスタオルを体に巻き、長く濡れた髪を肌にくっつけてへたりこんでいる女性が見えた。...お風呂なうだったのだろうか?


慌てて6人ほど他の女性がその周りを取り囲んだのでそれ以上は見れなかった(チッ)


他にも「みんなー!落ち着いてー!」と手をパタパタ振る委員会系?の男性や、何故か横になり寝始めるパジャマ姿の女子なんかで、もうカオスだった。


ここで気づいたが、よく見ると全員服装は違えど俺と同じ学校の生徒達のようだ。

それに人数的に恐らく全校生徒全員だろう。


ガチャガチャと音が聞こえてきた


どうやら数人の男子が体育館の出入りの扉を開こうとしているようだ。

しかしどういうわけか、内鍵を開けた状態でも開く気配はないようだ。



「な、なあ。どうなってんだコレ!? バッグと携帯ビーチに置きっぱなしなんだよ俺!」


横合いからタケルが興奮気味に喋りかけてきた。


...言われてみれば俺は携帯は服のポケットに入れたままだったはずだ。


これだけの人数が体育館に瞬間移動?したんだ。

その際、もし目の前から急に消えてここに来たとすれば、少なくとも誰かの家族が何かがその瞬間を目撃し、警察かどこかに伝えたかもしれない。そうするとこの場所を伝えるためにも携帯等の通信機器は必須だ


なのに、いくら探しても何処にも俺の携帯がない!

確実に服にいれておいたはずなのに...


と、後ろから肩にポンッと手を置かれた。

フジモトだ


「携帯だろ? 安心しろ、僕もない」


いや、安心出来ないんだが?



..悲鳴やざわめき声や物音で混沌とした中、不意に音もなくステージのスクリーンがしゅるりと垂れた


その瞬間、全員がそこに注目し、静寂が訪れる


(おいおい、なんだよ..何が始まるっていうんだ..?)


不安を抱きながら周りを見渡す。

他の生徒もどこか不安そうな顔でステージの方を見つめている。




『ピンポンパンポーン』



突然体育館の天井の方に設置されているスピーカーから、聞きなれた放送のチャイムが鳴る。



そして少し機械的な女性の声で淡々と放送が流れた。



『皆さん、こんにちは。先ずはこちらの都合でいきなり転移をさせてしまったことを謝罪いたします。 突然で困惑していることと思いますが、ただ今より《ゲーム》を始めようかと思います。』



ゲーム?、 なにそれー、 いいからはよ出せやァ! と少々場が騒然となったが、アナウンスは気にせず続いた。



『子供の頃《陣取りゲーム》という遊びをやったことはありませんか?

今回はそれを踏襲した《ゲーム》を行いたいと思います。

この学校には男子が251人、女子が266人います。

なので男子・女子の2つのチームに別れて勝負をしてもらいます。女子の方が少々人数は多いですが、男性と女性の力量差を考えれば、この人数差も妥当でしょう。』



話が重要度を増してきたせいか急に少し静かになり、俺もアナウンスに集中する。



『次にルールを簡単に説明をさせていただきます。

簡潔にいうと現在、皆さんには現実世界の裏側..平行世界に集まってもらっています』


再び場がどよめく

平行世界に飛ばされた? 俺達が?

なにそれ? 帰れないの!? と声が響いた。

だが、また少し静まった。

ステージのスクリーンに3Dの地図が写ったからだ。


『平行世界とは、現実世界と全く環境は同じで、皆さんの自宅も探せばあることでしょう。しかし、皆さんの他の動物は一切存在していません。つまりこの世界に人間は、ここに集まっていただいた皆さん...517人しかいないのです。』



見知った町並みの写った地図に、この体育館のある学校を中心として大きく円が描かれた。


『今回のゲームではこの赤い円の範囲..半径約3キロメートルの地域でゲームをしてもらいます。


この範囲より外には、不可視の壁があり、出ることは不可能となっています。


また、この範囲の中にランダムで両チームの《拠点》を設けさせていただきます。


そして勝利条件は、この《拠点》の最深部にある手旗の形をした《フラッグ》を自分のチームに持ち帰ることが一つ。

二つ目の勝利条件は、相手チームのメンバーを全て捕まえること..以上2通りの勝ち方があります。


捕まえることについては拠点の方で説明が入ると思いますので、今は控えます。


そして勝ったチームも負けたチームも、《ゲーム》が終われば元の世界に帰されます。ここでいくら時間を過ごしても、向こうの世界に帰れば、ここに来る前の時間からまた過ごすことができるでしょう。』


平行世界に転移という話で、かなりざわついていた。

しかし、元の世界に帰れるということで、みんなほっとしたような顔をしている。


勝負が決まれば帰れるというなら簡単だ、どちらかが無抵抗に負ければ、即帰ることができるのだから。


余裕余裕だわww、今日の昼飯なにかなーwと思っていたが、次のアナウンスでその思いは無惨にも消えた。


『もちろん勝利したチームには相応の報奨が渡されてから帰ることができます。』


俺はごくりと唾を飲んだ。金か?金なのかー?と、最近金欠気味の俺は、期待に胸を踊らせる。

そしてその《報奨》とやらは、俺をその気にさせるのに十分なものだった


『勝った側のメンバーには 日本通貨で 3億円 を差し上げたいと思います。...もちろん一人三億円です。』


息を飲む音が聞こえた。


一人二人ではない、ほぼ全員から聞こえた。


その額はただの高校生にすぎない俺達の心を突き動かしてなお、お釣りがくるほどだ。


今までずっと騒いでいた者達もぴたっと口を閉じて呆けた顔をしている。


『あと、皆さんの電子機器類・通信機器類はこちらで預からさせてもらいました。

《ゲーム》を互いに公平で尋常に行うための措置です。ご容赦ください。』



やはり携帯は取られていたか...

横を見ると、フジモトが神妙な顔で納得が行ったように頷いている。



『では、両チームの拠点が設置されましたので転移を開始させてもらいます。

皆さんの御武運を祈ります』



御武運って(笑)


本気で殺し会うわけでもないのに、物騒だなぁと思っていたのだが..


..野球部?と思わしき男子坊主軍団は、円陣を組み真剣な眼で「絶対勝つぞォ!」とか叫んでるし...


ゴキゴキと変な音が聞こえたかと思うと、なんか向こうの方でスレンダーな女子が、右拳を左手で握りゴキボキと音を鳴らしていた。


皆さんやる気十分なようで..(ドン引き)

他の生徒の様子も見ようと周囲を見渡した。

すると一人、また一人と周囲の生徒の姿が消えていき始めた。


転移が始まったのだ。




――――――――――――――――――――――



「で。」


フジモトが口を開く。



「これは一体どういうことなのだろうね。」



最後に消えた者から既に2分ほどが経っている。


しかし俺達の体は体育館に残ったままだ。


俺達 6人 は。


俺とフジモトとタケル




ーそして女子生徒が三人






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