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休眠機能

作者: 尚文産商堂
掲載日:2017/06/30

それは、今まで眠りについていた。

だが、危急の時と判断する事態になり、フと起き上がった。

結果的に言えば、それは遅すぎたの一言に尽きる。

確か、俺が眠っていたのは研究所の一角で、そこは白い壁で覆われてた部屋だった。

今、俺がいる所といえば、殺風景な機械の中だ。

「起きたぞっ」

誰かが叫ぶ声が聞こえる。

「機械を開けろ、旧人類の生き残りだぞっ」

旧人類?

いったい何のことか分からないが、機械の蓋が開けられる。

気圧差は無いようで、風が入ることも、出ることもなかった。

「おはようございます、今が何日が分かりますか?」

「今……2019年2月9日、じゃなさそうだな」

西暦というのが分からない人らのようだ。

「今は、620年18月01日ですよ」

「困ったな、旧人類より以前かもしれない」

そんな声が聞こえてくる。

「旧人類って、何なんですか。そもそも、ここは……」

「あなたが見つかったのは、今から50年ほど前。旧人類はこの地球と呼ばれていたこの惑星にいたとされる、今は絶滅した猿科の動物の名称です。彼らが人類、と呼んでいたことから、我々と対比して旧人類と称することにしています」

「貴様は、誰だ」

どんどんとセルフチェックが完了する。

「私は、ここの研究所の主任研究科を務めている者です」

足は動く、手も大丈夫そうだ。

だが、感覚が切れているところがある。

速やかな復旧を試みる。

「旧人類は、今から約1万2千年前に絶滅したとされています。ペテルギウスのガンマ線バーストに巻き込まれ、99.99パーセントの生物が死に絶えました」

「そうなのか」

言いつつも、継続してチェックする。

「ええ、最大の問題としましては、貴方が何者なのか。旧人類は、遺跡の発掘によって、大まかに暮らしが判明しています。しかし、貴方のような旧人類は見たことがない」

「私は、人ではない。私は第三特設研究所主任警護員、TCU-1289号。ロボットだ」

神経の接続が完了すると、全ての力を出す準備が整う。

それでも大人しくしているのは、彼らが、こちらに対する暴力行為に及んでいないからだ。

「ロボット?」

「ロボットってなんだ」

声が聞こえる。

ふと、疑問が湧き出た。

「1万2千年も昔の言葉を、どうして使えるんだ」

「私たちは言語学者です。発掘した中で、音声データが含まれており、そこから復元をすることができました。ところで、一つ提案なのですが」

主任研究科と名乗った人が、手を差し出す。

「研究に協力していただけませんか、ロボットさん」

どうやら彼らは、ロボットという名前の人物であると推定したようだ。

「……わかった」

今は破壊されないためにも、彼らに協力することが適切だと判断したため、彼らと協力することにした。

これから長い日々が始まる。

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