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村長さん
白い風が舞うと、そこにあったものは全て氷になっていた。
これほどまでとは、特級冒険者たちが為すすべもなく凍らせられていく。
特級といえばどれもこれもこの領地のトップクラスの者たちだ。
恐ろしい。
確かにそう思った。
これを事前に知っていなければ化け物と言ってしまう気持ちもわかる。
人間の至れる境地を超えている。
氷像がすべて崩れ去り蹂躙が終わった。
彼はこの町を去るといっている。
妥当な判断だろう。領主の殺人罪で大変なことになる。
息子が彼についていくと言っているが彼に断られた。
はっきり言って、私は息子について行ってほしく無いと思う。
彼は2年後に会おうといって出て行ってしまった。
息子は泣いている。
それもそうだろう。
こんな小さな村だ、子供はそう多くない。
いても年の離れた子しかいない。
初めてできた同世代の友達だったのだろう。(外見は)
ああ、この後どう使者に領主のことを説明すればいいのだろうか・・・
私は深いため息をついた。