表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生(チート)少女の事件簿  作者: 麗羅
第一の事件:路傍惨殺事件
7/7

5.ふと、思い出したこと

…………ヤバイことを忘れていたかもしれない。

笑い話では終わらない彼女の、いや、彼女の家系の呪われた体質を。(大袈裟?いや、マジで困るんだ、これ)

『……………ねぇ、凜』

僕は恐る恐る訪ねる。急にどうしたのよって感じで凜は眉を寄せた。

「何よ、悠莉。暇ならさっさと手伝って欲しいんだけど」

テキパキと動く双子を尻目に、凜はパソコンから目を反らさずに僕に話を促した。

『いや、さ?

"うっかり"、また発動してない、よね?いっつも二次被害に遇うの僕なんだけど』

「今回は(・)してないわよ!!当たり前でしょ!!」

隣で資料を纏めて、片付けていた琢磨くんは、苦笑してる。あ、これは何回も被害にあった系な感じだな。

だって本人、今回は(・)って言ってるし。自己申告制?

『………ホントに?

被害者の居たところの浄化、ちゃんとやった?

隠蔽の魔術、しっかりかけた?

簡易版で終わらせてない、よね?』

「……………………あ、」

よくよく、今までの経緯を思い出そうとする凜。と、凜の表情が急変する。………やっばりか。

「え、ちょ、凛?まさか、”また”?」

「そんなに酷いのか?局内の評判、"Ms. Perfect"だろう?」

「いや…、零夜さんが思ってる以上だぜ……?」

琢磨くんにも呆れられる凛。ちょっと笑えてきた。

うん、二人の苦労は推して量るべしだ。零夜の問いで、二人の背に暗雲が立ち込めて見えるもん。

…………お疲れさまです。僕も苦労させられたから、良くわかる。

ここでアワアワされても、今すぐには対策の立てようがない。いい加減、この死に至るうっかりはどうにかならないものか。

……………いや、どうにかなったら、なったで奇跡だわ。

『で?』

「浄化、簡易のヤツしかやってないわ。どうしよ」

ほらぁ。僕は大きく溜め息を吐く。いつものように尻拭いしなくちゃか。

『見た感じ、血を使って龍脈やら土地やらを汚して、悪魔か何か召喚するっぽいのに、簡易的な浄化しかしてないって、どういうつもり?』

ジト目で凛を見る。確かに、こうして事件の捜査を命じられてるだけあって、色々一杯一杯なのは理解できる。でもさ?それで仕事増やされても困るくない?

…………仕方ない。僕が出て祓った方が早いし。


召喚(サモニング):マギフクロウ ナイロック、フェンリルウルフ リル』

取り合えず、僕の大切な仔達を喚ぶ。

二人とも、空気を読んでスモールサイズだ。(そうだな、目安としてラ◯ード色の子犬と、真っ白なサボテンフクロウを思い浮かべればいいと思う)

「雪白ちゃん、その子達は?」

猫又のはずのユズが、ウルフの上位種である、リルを撫でながら尋ねる。フェンリルウルフってとこはスルーですか?

『私の契約してる召喚獣だよ?使える技も多いから、特に多用してる子だけど。

んーと、……そうだな。リルは凛について。ナイロックは僕と浄化』

《了解しました。

それにしても、主は色々と、厄介事に巻き込まれますね》

《いつもの事じゃない。

それにしても久しぶりね、凛ちゃん♪元気?》

うん、二人の性格が良く出る会話である。凛は普通にええと返して(とは言え、未だにショックを受けているようだが)溜め息を吐いた。


『よっと』

「ちょっ!!雪白さん!?」

開け放っていた窓に足をかけると、流石にアッくんが慌て出す。この位(校舎の三階)、飛び降りたって平気だって。風姫が着地、手伝ってくれるもん。

『とりあえず、町の浄化してくる。何かあったら牽制しつつ、他の式が飛んで来ると思うから。行くよ、ナイロック』

《はい、マスター》

「悠莉、待てっ!!」

零夜の制止を尻目に僕は窓枠を蹴る。

【風よ!!我を受け止めよ!!】

精霊言語で命じれば、地面まであと十㎝。ふわりと着地して、そのまま風で後押しして、身体強化。零夜の静止なんて気にしていては悪魔が召喚されてしまう。それだけは絶対に避けなくては。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ