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再会は尋問と涙を添えて

感想が書けないようになっていたのを直しました

 良く考えなくても11才のガキがプロの暗殺者集団30人を1人で全滅させたなんて不自然な話である。

そうなれば当然

「それでゴー君は、どこでそんな力を身につけたのかな」

尋問を受ける訳だ。

尋問や交渉は慣れっこだし、拷問も何度も経験しているから平気だ。


しかし

「ゴーちゃん、騎士団長のおじさんにきちんと本当の事を喋りなさい。騎士団長様ゴーちゃんは体は大きいですけれど、まだ11才の子供です。きっと暗殺者集団に誘拐されて屋敷にいただけです」

涙ながらに騎士団長に訴えているのはアコニ母さん。

そりゃ5年振りに会う息子との再開場所が騎士団の尋問室で、その上息子が暗殺者集団を1人で全滅させたと聞いてはパニックで済まないだろう。


「アコニ様落ち着いて下さい。騎士団所属のリーディング魔術師の報告によると屋敷で倒されていた全員が賞金首でしたのでゴー君が罪に問われる事はありません。問題は何故ゴー君がこんなに強いかなんですよ。暗殺者は全員瞬殺されています、しかも隙をつかれたのではなく正面か逃げ隠れている所をです。逆に君はなんでそんなに落ち着いてるかな?」


騎士団長はイケメンで20代後半と言った感じ。

俺からみれば青二才なんだけど

(僕、子供だからわかんなーいとか通じる訳がねえよな。母さんがいなけりゃ脅せるんだけど)

母さんは椅子に座っている俺の肩に手を置き心配そうな顔をしている。

しかも若干、かなり涙目で罪悪感が凄い。


「俺が強いんじゃなく彼奴らが弱かっただけですよ。暗殺者は人の隙をつくのが常套、逆にパニックになれば動きは素人以下です。言ってみれば石の下に隠れていた虫です」

騎士団長を威嚇しながらしゃべる、でも我ながら太々しい物言いだと思う。


「ゴーちゃん!!どこでそんな汚い言葉を覚えたの!!このお口が悪い事を言ったのね」


「ちょっ、かあふぁん。ほっへがのびるって」

母さんが俺の頬を思いっ切り引っ張る。

騎士団長は俺の威嚇に怯えているが、流石は産みの母だよな。


「そんな悪い事を言うお口なら伸びてしまいなさい」

ちなみに母さんは18で俺を産んだらしく、今は29才。

俺より年下なんだよね。


「あんなの悪い口にはいらないだろ?騎士団長様、天使に鍛えてもらったじゃ納得出来ませんか?」

俺は天使シャインのお告げで外国に行ったんだから不自然ではない筈。


「勇者のお告げをした天使シャイン様ですか」


「ええ、それなら納得してくれますよね」

シャインにしてみれば俺に修行と称されて何度もボコボコにされてるから納得いかないだろうけど。

結局、親父グレイス子爵が、この件を利用しようとしているらしく何とか解放された。その足で冒険者ギルドに登録に行こうとするも母さんに却下される。


「ゴーちゃんにはお母さんからお話が沢山あるし、アルマちゃんがゴーちゃんの帰りを待ってるのよ」

これが10代の不良少年なら、"親の説教なんていらねーんだよ"とか言うんだろうけど。

俺は実母に親孝行を出来なかった事を悔やんでる中年サラリーマン、しかもアルマまで持ち出されたら逆らえる訳がない。


――――――――――


 母さんの話によると親父の仕事とアルマの学校の関係でグレイス家は首都グラスシティで生活をしているらしい。

その家が無駄に立派。

どこの世界でも貴族は見栄を張るのが好きらしい。

そう毒づいていたら


「お兄ちゃまー、お兄ちゃま!!僕たよアルマだよー!!」

屋敷の中から金髪ポニーテルの少女が飛び出して来た。


「アルマか、大きくなったな」

アルマの身長は130㎝ぐらいになっている。


「お兄ちゃまが、いなくなってアルマすっごい寂しかったんだよ!!」

アルマは俺に抱きつきくなり体に顔を埋めて泣き出した。

しかも顔をスリスリと擦り付けてくるし、なんでしょう…この可愛すぎる生き物は!!

将来、アルマを嫁に欲しいないんて不届き者が現れたらお兄ちゃまとのケンカを必須条件にしておこう。

アルマの為なら一国の軍隊ぐらいは返り討ちにする自信がある。

「お兄ちゃま、アルマすっごく強くなったんだよ。今は男の人より強いし」


「本当か?お兄ちゃんにも勝てるのか?」


「ちゃんと手加減してあげる。じゃなきゃお兄ちゃま泣いちゃうよ」


どうやらアルマは少し天狗になりかけている様だ。

お兄ちゃんが鼻を折ってあげるとするか。



―――――――――


 僕は中等部の人に余裕で勝てるし、高等部の人とも互角。

でも…今、初めてお兄ちゃまを剣を持つ事が怖いと思っている。


「アルマ、正面から馬鹿正直に斬るだけしか出来ないのか?実戦じゃ脇からもくるし足や背後も狙われるんだぞ。一カ所に居着くな!!常に有利な場をとる事を心掛けろっ」

お兄ちゃまには打ち込む隙が見つからない。

やっと打てると思えば

「こんな見え見えの誘いにのってどうする?交わされたら直ぐに間合いから後退しろ!!」


「お、お兄ちゃまも攻撃してこないじゃない!!」


「アルマちょっだけ怖い思いをするからな」


それは何の変化も何のフェイントもない、ただの上段斬り。

でも

「お、お兄ちゃまの馬鹿、意地悪ー。あんなは早い剣かわせる訳ないじゃないー」

お兄ちゃまが本気なら僕は真っ二つになっていたと思う。

だってわざと外された剣の衝撃で岩が真っ二つになってるんだもん。


「もうお兄ちゃま、なんて知らない!!アルマを何年も放っておいた癖に。もう一緒に寝てあげないんだから」

でもお兄ちゃまはやっぱり自慢のお兄ちゃま。

強くて優しい僕の自慢のお兄ちゃまを僕は大好きなんだ。


キャラが確立しているから書きやすいです

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