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3人目の勇者

 今すぐアルマに会いに行きたいお兄ちゃんなんだけれども、先に冒険者として有名なる必要がある。

とりあえず勇者の師匠に要請されるぐらいに有名にならなきゃいけない。


「しっかし、こんな辺鄙な村に本当に賊が来るのかよ」

この世界の神が言うには、俺が今来ている村を賊が襲うらしい。

でも転移して来た村はのどかとしか言い様がなく、下手すりゃ宿屋もないレベル。


(村の中には小さい雑貨屋が一軒だけか。しかも作物が収穫前だから襲っても藁しかゲット出来ねえぞ)


ブラブラと村の中を見て回ったが、小さな村を見知らぬ人間が歩くと思いっ切り怪しまれる。

俺は何もしていないのに職質される悪人顔だから尚更。


(賊がでる前に俺が捕まるんじゃねーか。騎士団とか自警団を呼ばれたら洒落にならねえぞ)

可愛い妹との久しぶりの再会が檻の中なんて笑えない。

宿屋の有無を聞きたいけど、ここは慎重に動かなきゃいけない。

避けるのは

俺の顔を見たら泣いてしまうお子様

俺の顔を見たら悲鳴をあげる若い娘

俺の顔を見たら子供を隠してしまう主婦の皆様

俺の顔を見たら気絶してしまうお年寄り…。


「すいません、ポーション10個下さい。それとこの村に宿屋はありますか?」

俺は雑貨屋で大して必要がないポーションを買って宿屋の情報を手に入れた。

後ろから武装した若者達がついて来るのは気のせいだと信じたい。

アルマ、お兄ちゃんは早くアルマに会いたいです…

でも、忘れられていたらどうしよう。


―――――――――


 「すいません、宿屋と言っても小屋なんですが」

宿屋の主人と書いて普段は農家のおじさんが申し訳なさそうに頭を下げてきた。


「寝る場所なんて雨風が凌げれば充分ですよ。野宿に比べれば天国です」

前に魔王をした時は墓場で野宿した時もあるんだし。

小屋に入った俺は村全体にサーチを展開する。

サーチは俺達が使う魔術の一種で、物に掛ければ毒の有無が分かるし、今みたいに周囲に展開しておけば暗殺者が侵入して来たなんか即座に分かる。

いくら強くても毒を盛られたら死ぬし、365日24時間気を張るなんて無理。

魔王なんてしていると腹心の部下に良く毒を盛られるし、悪役をしているとギルドや教会が暗殺者を仕向けてくる。

サーチを展開し終えた俺は安心して眠りについた。


……

(本当に来たのか?来たのは6人か、しかもアサシン?この田舎に?…それに誰か戦っているな)


サーチに反応があった場所に行くと1人に対して6人が次々に襲い掛かっていた。


「おい、こら!俺の安眠を邪魔したからには覚悟は出来てるんだろうな?」



―――――――――――


 昔の組織が追っ手を差し向けきたらしい。

しかも来たのは手練れの6人、なんとが防いでいるがそれも時間の問題だろう。


(なんとか、あの娘だけは逃がさないと)


「おい、こら!俺の安眠を邪魔したからには覚悟は出来てるんだろうな?」

それは地の底から響いてくる様な低く太い声。

そして現れたのはオーガの様な大男。

次の瞬間、俺は自分の目を疑った。


(なっ?組織の手練れ6人を瞬殺だと?しかも素手で?)

殴って瞬殺、蹴っても瞬殺、頭を鷲掴みにして砕いて瞬殺、見る見るうちに組織の連中が殺されていく。

あれはオーガなんかじゃない、きっと魔術師が召還したデビルだ。


「おい大丈夫か?俺の名前はゴー・セクシリア。旅の冒険者だ」


…運命の悪戯だろうか。

その男は昔、俺が殺そうとして失敗した子供だった。


(あの子は確か11才の筈。でもどう見ても20才は越してる様に見えるんだけど)



――――――――――


 俺が助けた人は女性だった。

身のこなしを見る限り素人とは思えない。

女にサーチを掛けてみると


「いつぞやの暗殺者か、世間は狭いねー。どうだ?元気にやってたか」


「お袋から離れろ!!じゃないとファイヤーボールを放つぞ!!」

元気な声と共に現れたのはボーイシュな少女。

これが魔術の勇者リチェルとの出会いであった。

剣の勇者アルマ、治癒の勇者アンジェ、魔術の勇者リチェル。

この3人が、将来派遣魔王の俺を倒すんだよな。


次から勇者の修行旅になります。

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