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魔王とサキュバス?

何気に気に入ったキャラが出来ました

 正義感溢れる女騎士とサキュバス…そして春香(かのじょ)

 最悪の組み合わせだ。

 サキュバス又の名を魔族界のキャバ嬢。

 露出度の高い服を着て、男なら誰彼構わず誘惑する…無論、女連れでもお構い無しだ。

 しかも、厄介な事に他人の視線に敏感でチラ見どころか一瞬の視線も見逃がさず”もっと見ても良いんだよ”とか言ってくる。

 そんな事を言われたら、春香に冷たい視線で睨まれてしまう。


「サキュバスか。カルモ…は仕事があるよな」

 カルモに命令しようとした瞬間、カルモの奥さんに殺気全開で睨まれたから即座に訂正した。

 …天使があんなに殺気を放って良いんだろうか。

 

「こっちに来ている派遣員で何とか出来るのはゴーさんしかいませんよ」


「サイスや新人には荷が重いし、骨丈さんや金体さんだと女騎士に襲われかねないしな」

 純情なサイスや抵抗力の低い新人はサキュバスの魅了に捕らわれる可能性が高い。

 ちなみに骨丈さんは色んな意味で枯れてるし、金体さんは生殖機能がないからサキュバスの対象外になるだろう。


「ジャックさんが出たら、サキュバス族と全面戦争に成りかねませんしね」

 前にサキュバスが六人掛かりでジャックを魅了しようとして、ぶちギレた雪さんに全員瞬殺された事があったんだよな。

 死ぬまで精気を吸い尽くす質の悪いサキュバスだったが、惨すぎて同情してしまった。

 

「分かったよ。カルモ、一応派遣員の中で彼女がいない奴をピックアップしといてくれ」


「分かりました。サングラスをご用意しましょうか?」

 いや、わざわざサングラスを掛けて行ったら見る気満々だと疑われてしまう。


「いや、良いよ。春香、行くぞ」

 陰でこそこそ動くよりも、やましい事がないんなら、一緒に連れて行った方が安全だと思う。

 そして俺が摂待用のキャバクラの電話番号を消したのは、やましい事があったとか春香に怒られるのが怖いからじゃない。

 魔王と言えども、家庭内は平和に保ちたいんだ。


―――――――――――――――


 昨日、城の周りを整地したからか、女騎士の居場所は直ぐに分かった。

 

「豪、サキュバスって男の人を誘惑して取り殺すんでしょ?あんたが行って大丈夫なの」


「サキュバスの魅了魔法なんざ効かねえよ。それにここのサキュバスは栄養補助として精気を吸うだけの害が少ない奴だしな」

 俺的には、春香のコスプレの方が魅了効果が強い。

 制服、学校ジャージ、部活ユニフォーム…正直負けっ放しである。


「栄養補助食品ってカロリーメ○トじゃないんだから」


「俺はチーズ派だな。知ってっか?ポテト味も出てんだぜ…あれ、サキュバスだよな?」

 女騎士がいる方向から黒い羽を持った少女が飛んで来た。


「た、助けてけろー。イヤらしい女の人がオラを襲ってくるだー」


「イヤらしいだと!?男を誘惑して精気を吸うサキュバスの癖に」

 女騎士の怒号から逃れる様に現れたのは頭に手拭いを巻いて、野良着とモンペを身に纏ったサキュバスだった。


「し、信じられないだ。こったらだ真っ昼間から男の精気だなんて!?そこの人助けてけれ…お、男だー!!オラ、捕まってイヤらしい事されちまう」


「おい、コラ。顔を見ただけで犯罪者扱いすんじゃねえよ!!」

 お約束のパターンとはいえ俺の方が泣くぞ。


「か、堪忍してけろー。オラ、初めては好きな男と夜景が見えるロマンチックなホテルでって決めてるんだー」


「どこの少女漫画だよ…春香、頼むわ」

 サキュバスはパニックになってるらしく、俺の話を聞こうとしない。


「はいはい、豪だって夕陽が見えるホテルを取った事があるじゃない。ほら、もう大丈夫だから落ち着いて」


「助けてくれるだか?あ、ありがとうござえますー」

 何?その反応の違いは?

 サキュバスは春香に任せるとして、俺は女騎士(げんいん)に説教をしなきゃいけない…説教魔王なんてアダ名がつかなきゃいいけど。


「ホソカワ主任、何でサキュバスを庇うのですか?まさか、サキュバスを庇ってイヤらしい事を…これだから男は」

 まるで、漫画に出てくる委員長キャラだな。


「おい、何でサキュバスを襲った?何か危険行為をしたのか?」


「派遣員は正義を守らなくてはいけません。魔族を倒すのは当たり前です!!」


「こんの馬鹿野郎が!!罪もない魔族を殺していい正義なんざねえんだよ。派遣員が守るのは自己満足の正義なんかじゃねえ。万物の当たり前の暮らしだ、それを私利私欲で犯す奴を倒すんだよ」

 人の暮らしも、魔族の暮らしもどっちも同く大切な物なんだから。


「しかし…」


「良いか?派遣員の仕事をしてりゃ魔物や魔族より人間や天使の方が悪どいって事が良くあるんだぜ。罪を犯すのが不安なら安心しろ。お前は俺の部下だ、罪ぐらい一緒に背負ってやんよ」

 派遣員は同族殺しをしなきゃいけない事がある、そんな時に罪を一緒に背負ってくれる奴がいるといないとじゃ大違いだ。


「ふぇー、顔はおっかねえのに凄い人だなー」


「でしょ。でもお梅ちゃん、豪は私のだから取らないでね」

 お、お梅?サキュバスの名前がお梅?


「いいなー、オラも彼氏が欲しいだー」


「それなら俺の部下を紹介してやんよ。天使に魔族、カマキリ人なんてのもいるぜ」


「か、カマキリの人がいるだか?お願いしたいだ」

 えらく食いつくお梅さん。


「豪、カマキリの雄って交尾の後に雌に食べられちゃうんだよね」

 つまり、精気を食べるサキュバスにすれば好物件…関根すまん。

状態はあれですが日常生活を送るには問題がないので更新は続けます

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