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魔王と魔王子

魔王子編の始まりです

 どうやら春香はグラスランドに行きたいらしい。

 しかも

「向こうにも、豪のお母さんや妹さんがいるんでしょ?気に入ってもらえるかな」

 アコニさんやアルマに挨拶する気満々。


「アコニさんの母親としての感情は消しちまったし、アルマは忙しいから会えないと思うぞ。それにお互いの両親への挨拶は前にしただろ?」

 春香の親御さんに挨拶をした時は、記憶が飛ぶぐらいに緊張したのを覚えている。


「それでもちゃんとしなきゃ駄目でしょ。豪は次の世界に行くから良いけど残された人達の事を考えなきゃ駄目だよ。アコニさんとって豪はたった一人の子供なんだし、アルマちゃんにとって豪は大好きなお兄ちゃまなんだから」

 オジキの野郎、お兄ちゃまなんて呼ばれ方は伝えなくて良いのに。 


「分かったよ、二人と会えたら頼むな。その前に、今回一緒に仕事をする連中と顔合わせをするぞ」

 それで春香と一緒に事務所に来たんだけれども。


「豪、この人集りは何?」

 春香の言う通り、事務所には異世界に派遣中の奴等や、うちの顧客でもある異世界の神様達も来ていた。


「初めまして、豪さんの部下のジャック・ウォーレンです。みんな、朴念仁上司の婚約者を見に来てるんですよ。最も、大抵の奴等は青山さんの写真は見た事はあるんですけどね…しかし、マジだったんですね、俺はてっきり豪さんの勘違いだと思ったんですけど」

 そういや高校の連中からも、春香と付き合っているって言ったら、自意識過剰な勘違いだって言われたよな。


「僕は豪さんの婚約者は都市伝説だって聞きましたけど」

 どうやら、創竜カンパニーでは俺の婚約者(はるか)は都市伝説扱いらしい。

 とりあえずサイスに都市伝説を教えた奴には鍛練をつけてやろう。

 

「サイス、俺はあの写真は芸能人と写した写真を豪さんが婚約者だって勝手に言ってるって聞いたけど」

 そしてリミはそれを信じたと。

 周りの連中も、それを聞いて騒ぎ始めた。


「お前ら、好き勝手言いやがって…今は就業時間だぞ!!さっさっと、仕事に戻りやがれ!!そこ、春香に視力を聞いてどうすんだよ。俺は幻術なんて掛けてねぇ」

  

「みんな、豪さんが幸せになるのが嬉しいんですよ。創竜様なんて結婚式の挨拶を考えてましたし」

 いやいや、あくまで春香は婚約者であって…やっぱり、もう一回プロボーズした方が良いんだろうか?


「オジキ、気が早えんだよ。それじゃ第三会議室で進捗状況の確認をする。準備が整いしだいグラスランドに行くぞ」


―――――――――――――――――

 第三会議室に集まったのは、俺、春香、ジャック、雪さん、サイス、リミの6人。


「とりあえず、勇者の育成は一通り終わった。次は魔族の統一になる。先ず、グラスランドから離れてエクジルに行って魔王子に会いに行く。その際、有名な魔族何人かと戦闘をする予定だ。ジャック、捕捉を頼む」


「はい、魔王子の情報からです。名前は最闘凶魔(さいとうきょうま)、でもこれは自称で本名は斎藤優守(さいとうゆうま)。斎藤の祖先は何代か前には東の国からエクジルに流れて来た鬼族だそうです。優守の実力はエクジルでも5本の指に入りますし、配下に凶魔四天王がいるそうですよ」

 優守君、強がりたいお年頃なんだろうな。


「分かった、続きを頼む」


「魔王子も四天王も大した障害にはならないと思いますが、問題はエクジルの食料自給率になります。エクジルは不毛の地と呼ばれているだけに、作物の成りが悪いみたいですね。このままじゃ、勇者サイドと戦いになっても決戦まで持たない可能性があります」


「エクジルの主な作物と食料自給率を教えてくれ」


「作物は麦が主ですね、自給率は30%を切るかもしれません。殆どの民は狩猟や漁業で暮らしを建てているみたいですよ」

 麦か、品種改良も土壌改良もしてないからきついかもな。


「エクジルの主な輸出品はなんだ?」


「金ですよ、エクジルには大規模な金鉱脈があります。でも、かなり安く買い叩かれているみたいですね」


「うっし、品種改良した麦とジャガイモの持ち込み申請をしてくれ。後、復興班に連絡をして骨丈さんと金体(かなだ)さんにも参加してもらうぞ。それと当面の食糧は持参して行く」

 ちなみに金体さんは、ミスリルゴーレムで鉱脈の専門家だ。


「金体さんに来てもらって金の産出量を増やすんですね。それと邪神の居場所が分かりました、前神に仕えた光の神が今の体制に反対して邪神認定されたそうです」

 全てに平等に降り注ぐ光としては納得しかねる事が多いんだろう。


「豪、質問。金の産出量を増やしてどうするの?加工とかは良いの?」

 

「金の産出量が増えれば欲に釣られてグラスランドが攻めこんで来る可能性が高くなるんだよ、色々と理由を着けてな」

 魔族の被害をでっち上げる可能性もあるし、呪いを掛けられたなんて言いがりをつけてくる可能性もある。


「豪さん、光の神様ってルークス様ですよね?なんでルークス様が邪神になるんですか?」

 グラスランド生まれのサイスとしては納得出来ないんだろう。


「自分の体制に従わなかったり、自分より人気(しんじゃ)がある神を邪神にする事は結構あるんだよ。ジャックと雪さんは申請を頼む。サイスとリミは物品の発注をしてくれ。春香には派遣員としての講習を受けてもらう」

 うん、俺の威厳は保たれている。


「豪は溜めている書類を片付けてね。誤字の所には付箋を張っておいたから」

 保たれている事を祈る。


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