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魔王と竜

今年最後の更新です

 創竜は提出された報告書を見て軽く溜め息を洩らした。

出来が悪かった訳ではなく、むしろその逆で突発の仕事だったにも関わらず事後対策まで書かれている。


「豪よ、イヴにここまで仕事をやらんでも良いのに」

そう、イヴの夜中に穢れ者を倒した豪は25日の朝には報告書を提出していたのだ。

見た目とは裏腹に細やかな配慮がなされている報告書を見て創竜は思う。

どうして、その気遣いを女性に出来ないんだと。

豪は派遣員として優秀で特に悪役としての評価は抜群である。

その世界の人間から確実に忌み嫌われる悪役をきちんとこなせれる人材は以外と少ない。

何しろ豪が倒された日が祝日になっている世界は3桁を軽く越えている。

その分、各世界の神から信頼は厚いらしく豪を名指しで指名してくる神も少なくない。

創竜としては見た目とは違いお人好しで繊細な部下に早く幸せになって欲しいのだが、肝心の豪は自分の幸せより他人の幸せを優先しがちである。

1度、美女と恋におちる運命を授けると言ったら

「神様の手を借りて恋を実らしたその女に惚れてる男に申し訳がたちませんよ。俺が逆の立場ならやりきれませんし」

そう言って断ってきた。

そうは言っても見た目が怖く魔王なんてしてる男に積極に言い寄ってくる女にまともなのがいる訳もない。

さらには言えば豪は恋愛に関しては極度の奥手でもある。

極めつけに哀しいまでの一途さで死んだ恋人の事を想い続けているらしい。

何度も違う魂に転生すれば記憶も人格も綺麗に洗い流されるんだと説明しても踏ん切りをつけれないでいる。


「出会いを希望してる癖にフラグをへし折りまくるしの」

今行ってる世界の幼馴染みに嫌われているのも、あの世界の神が介入したのが原因である。

しかし、豪にはそれを防ぐ力も権限もあるのにも関わらず嫌われても仕方ないと諦めている。

仕事ならとびきり頼りになるのに、恋愛に関しては何度も溜め息を漏らした情けない男。

それが創竜からみた派遣員戦闘主任細川豪であった。


―――――――――――――――――


 今、俺はサイスが転生した世界に来ている。

最初の転生先だから人族しかいない世界だ。

…だからって町に入っただけの俺を見て泣いたり怯えるのをは酷くね?

挙げ句のはてに騎士まで出てくるし。

幸い、騎士がサイスの知り合いだったらしく警戒を解かれた。


「ゴウさんお久しぶりです!!今になるとゴウさんの規格外さがよく分かりますね」

サイスは転生前と同じ年になっていたが以前よりも精悍な顔つきになっていた。


「サイス、そのでかい人は知り合いか?」

俺をでかい人呼ばわりしたのがサイスの幼馴染みなんだろう。


「ゴウ・ホソカワさん。前にすごいお世話になった人だよ」


「そっか、サイスを世話してくれてありがとうな。俺の名前はリミ・ゴーベン、よろしく。それでサイスとゴウさんはどっちが強いんだ?」

リミは青い髪をショートカットにした気の強そうな少女。

端整な顔立ちをしており育ちまくった胸がなければ美少年に見えるだろう。


「ゴウさんの強さは規格外なんだよ。かないっこないって」


「えー、サイスすげー強いじゃん」

サイス君、元気なの嬉しいあまり見せつけるとおじさん1人居酒屋しちゃうからな。


「ゴウさんは素手でミスリルゴーレムも粉々に出来るんだよ…」


「あんなのはコツさえ掴めば誰にでも出来るっての…サイス話があるんだ。ちょっと良いか?」


――――――――――――――――


 リミにここで待ってる様に頼んで、僕とゴウさんは一時的にこの世界から離れた。


「サイス、そろそろあの世界の人間と別れを済ませておけ」

ゴウさんが今までにない厳しい顔を見せる。


「あの世界にもう少し残る事は出来ないんですか?」


「駄目だ、期間を守らなきゃ世界に悪影響がでちまう」


「…リミと離れたくないんです!!彼女に会って本当に大切な事が分かったんです、お願いします!!」

気がつけば僕は泣きながらゴウさんに土下座していた。


「本当の親兄弟より大切か?」


「当たり前です!!リミの代わりは誰も出来ません」


「そうか、それならこれをやるよ。きちんと彼女を守ってやれよ」

そう言ってゴウさんは1枚の紙をくれた、その貴重さを僕はまだ知らなかった。

書けたら明日の更新も書くかと

例によってヒロインが決まりません。

妹か幼馴染みか転生した元カノか

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