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派遣員の裏家業

かなり久しぶりの更新です

怖いです、怖さで背中に冷や汗が垂れまくっています。


「小僧、お前の相手はアイアンベア、ライトニングタイガー、ブリザードレオだ」

自信満々に魔物を紹介するターカー・ビーシャー伯爵。


(厨二なモンスター!!ここの神様は痛いんじゃねえか…下手すりゃ裏扱いかもな)


鉄の熊や雷獅子、吹雪虎なんてのは生物的に無理がある、進化論的にはありえない生物だ。

それがなんで存在するのか、ぶっちゃければ造られたのだ…この世界の神に。

そしてなんでこんな物騒な魔物が必要なのかと言うと。

普通は生物バランスをとる為、一定の生物が増えすぎない様にするのが目的だ。

もう1つは神が自分を敬わせる為、強い魔物を僕ちんを信仰してればOK!! でも僕ちんを信仰しない奴には魔物で天罰をくだしちゃうからなって言うはた迷惑なタイプ。

俺達派遣員は向かった世界の神様がはた迷惑なタイプだった場合は警告したり懲らしめたり場合によっては抹殺している。

もっともこれは派遣員しかしらない裏家業なんだけど。

どっちにしろ俺は違う意味で怖い奴ら、魔物を見せびらかして自分も強くなった気分でいる伯爵と厨二な魔物を相手にしなきゃいけない…。

決めた、今日は向こうに戻って行きつけの赤ちょうちんで一杯やろう。



―――――――――


闘技場は異様な熱気に包まれていた。

観客席にいるのは王侯貴族や大商人達、怠惰と欲に浸りきっている顔が並んでいる。


(普段は上品やエレガントとか抜かしてる癖に、一皮むけばろくでなしばかりだな)


「第1試合、ゴー・セクシリア選手VSアイアンベアー!!鉄の毛皮を持つアイアンベアに対してゴー選手はどう戦うのか?それではファイト!!」

司会者が熱気全開で試合開始を宣言する。


(鉄の怪我を持つ熊…!!なら剣にするか)


「アルマ!!剣が効かない魔物をどうやって倒すのか良く見ておけ」


ちなみに俺に渡されているのは何の変哲もない鉄の剣。



―――――――――


お兄ちゃまが僕の名前を大声で呼んでくれた。

当然、3人の勇者の中では可愛い妹の僕が一番最初。


「毛のある生き物は毛にそって切れ!!毛並みには逆らうな。…斬るタイミングは相手が攻撃した直後だ」


アイアンベアがお兄ちゃまに右腕を振り下ろしたと思ったら、スッパリと両断されていた。


「筋肉には緊張と弛緩がある。どんなに硬い筋肉でも攻撃した直後は弛緩する。その瞬間を見逃すな…熊!!ワグワってうるせえんだよ。アルマに声が届かねえだろうが」

僕への説明を一切無視してお兄ちゃまは襲いかかって来たアイアンベアの顔を殴った。

会場はお兄ちゃまにどん引きして静かになっている。

それは当たり前、お兄ちゃまに殴れたアイアンベアの顔は真後ろを向いてるんだもん。

お兄ちゃまに言いたい、お兄ちゃまの真似を出来る人間はいないって。


――――――――――


 アイアンベアを倒したゴーさんは息を全く乱していませんでした。

私の攻撃手段は格闘術、ゴーさんは私にも素手で魔物を殴れとおっしゃるのでしょうか。


「だ、第2試合はライトニングレオです。雷をまとい雷の速さで動く獅子にゴー選手はどう戦うのでしょうか」


「次はアンジェ!!素早く動く敵は動きを全体で見ろ!!力を溜め方で攻撃してくる向きは予測がつく」


ゴーさんはライトニングレオが動くほんの少し前に移動しています。


「背後から襲う事を卑怯と思うな!!自然の中では人間は獣より弱い存在なんだぞ…こらっ!!大人しくしやがれ!!タテガミをむしって猫にしちまうぞ」

そう言うとゴーさんはライトニングレオの顔を押さえつけてタテガミを引きちぎり始めました。


「攻撃で狙うのは相手の急所だ。医術を覚えれば正確な急所も分かる、生物に共通する急所は脳天、眉間、目、心臓がある胸、雄なら股間だ。」

ゴーさんはライトニングレオを持ち上げると急所に拳を叩き込み始めました、ゴーさんの拳はライトニングレオの体にめり込んでいきます。

あの威力なら急所を狙う必要はないと思うんですが。


――――――――――


俺の中でゴーの兄貴は人外の化け物説が濃厚になった。

Aクラスの魔物相手に汗一つかかずに倒すなんて人間とは思えない。

ちなみにライトニングレオはタテガミをむしられた上に体中に穴があいている。


「あのー第3試合はブリザードタイガーです。えっ?ブリザードタイガーが怯えて出て来ない?少しお待ち下さい」

結局、ブリザードタイガーは無理矢理、ゴーの兄貴の前に引き摺れてきた。


「次はリチェル!!魔物にも得意魔術がある、だからその見極めが大切だ。例えばこのブリザードタイガーは冷気に強い」

怯えるブリザードタイガーを片手で持ち上げるゴーの兄貴、そしてイヤイヤと体をくねらせるブリザードタイガー。


「だからといって火の魔法を選ぶなよ。まとっている冷気で無効化される時があるからな。一番安全なのは関係ない魔術だ…猫!!大人しくしてねえと三味線にしちまうぞ!!」

ゴーの兄貴の一喝でブリザードタイガーはゴロリと横になりお腹を見せて恭順の態度を取り始めた。


「早く次の獲物だせ!!魔法を使う必要があるんだよ…そこのタカビシャ貴族!!お前が魔法の的になれ」

ターカー・ビーシャー伯爵に、にじりよるゴーの兄貴。

腰が抜けて動けないターカー・ビーシャー伯爵は既に涙目になっている。


「なーに熱いのは一瞬だ。直ぐに絶対零度まで冷やしてやるからよ」

ニヤニヤと笑いながらターカー・ビーシャー伯爵に手を伸ばすゴーの兄貴。


「しゅ、終了です。本日の試合はこれにて試合です。ゴー選手は控え室に戻って下さい」

次の瞬間、会場は安堵の溜め息と司会者の機転に対する割れんばかりの拍手に包まれていた。



―――――――――


今日俺が戦った魔物はどれも歪に歪められていた。裏申請をして部下を1人呼ぶ必要があるな。

豪の部下と言えばあの人です。

豪のストッバー兼突っ込み役のあの人がでます

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