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派遣魔王の日々

前に書いた小説の焼き直しになります。

ちなみに豪と創竜以外のキャラは当然出ません。

1人の男が会社に出社する。

それだけならありふれた光景である、その男が2mを軽く超える厳つい強面でなければ。

1人の男が会社に入る。

それだけならありふれた光景である、会社の名前が"多次元人材派遣会社・創竜カンパニー"と言う名前でなければ。

1人の男がタイムレコーダーの打刻をする。

それだけならありふれた光景である、タイムレコーダーに書かれた役職が戦闘班主任細川豪でなければ。


「主任おはようこざいます。今日は一段と顔が怖いですね」

すれ違った部下が挨拶をしてきた。


「こらっ、会社なんだから挨拶はきちんとしろ!!普段の言葉遣いがお客様との会話にも出るんだぞ」

見た目は悪人面でも、この男は他人への気遣いを忘れない日本生まれの日本育ちの生粋の日本人ある。

男はでかい体を専用デスクに押し込めてメールのチェックを開始した。


(来てるのは製薬会社から新しいポーションの宣伝と、この間の依頼のお礼だけか。新しい依頼はなし、今日は定時退社が出来るな)


「細川主任、創竜様がお呼びです」


「まじかよ!!親父の奴、絶対に俺を定時退社させないつもりだな」


――――――――――


 豪が愚痴をこぼしながらやって来たのは社長室と書かれた部屋。

部屋で待っていたのは三揃えのスーツを着た竜であった。


「社長、細川です。何のご用でしょうか?」

いくら愚痴っても所詮はサラリーマン、雇い主には逆らえる訳がない。


「豪よく来たな。今朝、急ぎの依頼があってな、急ですまんが今から行ってくれ」


「社長、俺は昨日帰って来たばっかりですよ。…それで俺はどこで何をすれば良いんですか?」


「豪は話が早くて助かる、流石は仕事好きなニホン人じゃの。行くのはHiKS504、役目は魔王じゃ。詳しい資料はそこにある」


「また魔王ですか?たまには勇者とか英雄とかはないんですか」

30半ばを過ぎて独身嫁彼女なしの豪としては出会いを切望しているのだ。


「鏡を見てから言え、お主は悪人顔の代表じゃろが。第一、魔王軍にも女子はいるじゃろに」


「それなら言わせてもらえればトカゲ人間とかゴキ人間とかカエル人間の世界は止めてもらえませんか!!」


「贅沢を言いおって、この間はお主が望んだ犬耳人間の世界じゃったろ」

確かに豪は、この間まで犬耳人間の世界で悪役をしていた。


「あれは顔を体も犬のコボルトじゃないですか!!俺は人間の美少女か美女が良いんです」


「そんな贅沢を言っておるから未だに独身なんじゃよ。とっとっと行かんか!!」


「分かりましたよ。この間の報告書は後回しで良いんですよね」



―――――――――


 社長こと創竜の親父は多次元に存在する数多の世界を作り出している。

その世界を管理しているのが、各世界で神と呼ばれている存在。

しかし神は正義サイドの味方だけをする訳にはいかない。

なぜなら悪もその世界の生まれ子であるし、平和で安全だけの世界だと早く衰退を迎えてしまう。

そこで俺達が魔王や英雄となり各世界に赴き世界の変換がスムーズに行く様に派遣されているのだが…。


「あのデカトカゲ!!カバ人間の世界だと?俺はムツ○郎さんじゃねえんだよ」


まずこの世界を担当していた神が巨大な河馬だった。

そいつに促されて転移した先には魔法陣とカバ邪神官。


「その邪悪な顔、正に魔王様ですね。どうか私に力を貸して下さい」

そして二本足で立つ黒いカバに悪事の加担を頼まれる。


「お前は何を望み、我に何を捧げるのだ」

俺は創竜カンパニー、魔王マニュアル通りの受け答えをしていく。


「どうかこの世界に破壊と混乱を。魔王様には光の巫女を捧げます」


そして連れて来られたらのはピンク色のカバ巫女。


「邪悪な魔王が汚らわしい目で見ないで下さい。嫌らしい」


(まさかのカバからセクハラ扱い?)

俺は魔力を回復させると嘘をつき防音の魔法を掛けて心の雄叫びをあげた。

決めた、この依頼が終わったら温泉に行こう…。

数ヶ月、光のカバ勇者に無事倒された俺は1人旅先の温泉で泣いていた。


前は二次で書いてましたが、運営から二次のキャラを出さなければオリジナルにしても良いとのお話だったので。

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