16.旧友は変わらず残念な奴だった
久しぶりの投稿ですが誰か読んでくれたら嬉しいなと思います。
割と少なめになってますので物足りないと思われた方は平に御容赦を(泣)
感動的な再会とはならずに逃げられてしまいそうになったが、俺が厄介ごとを持ちかけると喜んで話に乗ってくるヒプノスに若干呆れながらも、旧友の変わらないところを確認できて何故か安心した。
何も変わっていないというかそのままというか…。
しかし、そんな感動は最初だけであって隣を歩くのが血まみれの男でなければおおいに昔の話に華が咲いたことだろう。
血まみれの男が街中を歩き回っているなど誰が想像できるだろう。
こんな台無しな男と一緒にいるのは嫌だなと思いながらも宿に向かっているシルヴィアは若干足早になり、それに合わせてヒプノスもおかしいなと思いながらも歩調を合わせて付いて来る。
『もう少し離れて歩いてくんない?血まみれ男と仲良く歩く趣味は持ち合わせてないんで。』
『オイーーー!そんな理由で俺を避けるのやめてくんない!?むしろ久しぶりの再会にもうちょっと感傷に浸るとか他に何かないの?』
『そんなものは歩いてくる途中で捨ててきたわ!つーか鉄臭くて、臭いんだよ、暗くてわかんないかもしれないけど隣を歩いている俺にとっては迷惑なんだよ。血の匂いなんかプンプンさせて亜人族でも寄せ付けようとしてんのか?』
『いろいろ物騒なことを言うなよ。ゴブリンやらオーク達侍らせたくなるような狂った趣味なんか持ってねーよ。ただ向かってきた火の粉を追っ払ったらこうなったんだから仕方ないっつーの。そもそもお前がこの国に来たからこうなったようなものだろ?しっかし昔のお前とは全く雰囲気が変わってて吃驚したよ。別人かと思った。』
『なんだよ急に。なんか余計気持ち悪いし臭いからもっと離れて歩けよ?』
『あれ、なんか更に酷くなってない?』
そんなこんなで誰にも見つかることなく宿に辿り着いた二人は宿の周囲に注意を払う。
眠れる森の宿に帰ってから二人を出迎えたのはルーのみで他二名は就寝してしまっていた。
いきなり連れてきた男のために女の子達を起こすほどでもないので、そのまま寝かせたままでいいと判断したルーはそのまま二人を部屋に招きいれた。
『ちょっと待てシルヴィアよー。このちびっ子は?一瞬獣人族の何かと思ったが…。また厄介事を持ち込んだんじゃないだろうな?』
『あー、わかっちゃう?厄介事というか、完全に俺でも手に負えないような感じのと遭遇しちまってな。そんでお前を探してたんだよ。以前からお前の知識は書物からのでっち上げた話だと思ってたんだが…。』
『はぁ…。いつも言っていたが古い書物は真実のみしか語っていない。それを確かめるためにこのガルガントに来てたんだが、疑問から確信に変わった。つまり今まで空想の産物としか言われていなかった昔の逸話は現実にあったものと理解してもらえれば助かる。』
『オイオイちょっと待て。話が急すぎて理解が追いつかない。つまりなんだ、小さい頃呼んでいた絵本なんかの話は現実にあったと、それに言い伝えや迷信のものなんかも本当にあった事だということをお前は言っているのか?』
『概は合ってはいる。が、ほとんどの話は都合のいいように伝わっているようでな、書物と矛盾した話を聞いては頭を抱え込んでしまったよ。古い文献なんかを解読していくうちになんで真実が捻じ曲がったのか俺の推測だと、っとと、問題はこんな話じゃなかったな。話が逸れる前に話を戻すが、このちびっ子はなんだ。人という枠を超えた何かなのかは分かったわけだが…。』
ヒプノスの視線がルーを捉えており、ルーは居心地が悪くなる。
そんなルーを見れば必然的にシルヴィアの機嫌が悪くなる。
ヒプノスが知っているシルヴィアと今のシルヴィアに驚きつつも自分に向けられている視線がいかに理不尽であることか。
そもそもこの男のやる事なす事全てが理不尽なため抵抗したところで意味がないのはわかっている。
なのでこういった時のとるべき行動は――――――
シルヴィアの言い様のない殺気が向けられとともに体を反転させ手を前に突き出し何かを掴もうとするが同時に右肩にシルヴィアの手がポンと乗せられる。
『逃がすと思ってる、ヒプノスくーん?』
だがここで諦めるヒプノスではなく、右肩に乗せられた手を掴みそこを支点として右半身に重心を乗せて左後ろ回し蹴りをシルヴィアの左側頭部に叩きこむ。
ガッ、という鈍い音はしたが蹴った手ごたえからは狙い通りにはいかなかった。
シルヴィアは倒れることもそこから飛びのくでもなくヒプノスの足首を掴みただその場に立っている。
掴まれれば身を強張らせて何もできないか、投げ技や当身などを迎撃手段として用いられることは多い。
久しぶりに怒っているシルヴィアから早く逃げたいヒプノスは軽業師のように右足で地面
を蹴る。
足技を使われるとは予想の斜め上を通り過ぎそうになったが反応できないスピードでもない。
そのままぶん回して後悔させようと思いついたシルヴィアだったが、持っていた足が軽くなったと思ったらまたも左即頭部に二撃目が向かってきた。
右手はヒプノスに掴まれており振りほどけそうにもなかったためそのまま体重を前に傾ける。そして頭上をヒプノスの右足が通り過ぎていきそのまま床にヒプノスを叩きつける。
ブフォと間抜けな声が聞こえたがピクピクと体を痙攣させており打ち所が悪かったみたいだ。
あっけないこの男をどうするか悩むが久しぶりにあった友人は哀れすぎたのでとりあえず合掌しておくことにした。




