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第1射 入学

高原俊太。

これが僕の名前だ。

僕は県立海春高校、入学仕立ての高校1年生。

そんな僕が置かれている状況は……

「野球部に入りませんか! ? 」

「サッカー部はどうですか! ?」

「陸上部、部員募集中です!!」

と、どこの高校にもある部活の勧誘のみなさんの中にいた。


ここ海春高校は、運動部のレベルが高く、部活によっては関東大会の上の方まで行けると入学のパンフレットには書いてあった。

僕自身、中学まで野球部に入ってたから運動には自信がある。

まぁ、高校では野球部ではなく、他の部活に入ろうと思ってるのだが。


それにしても、入学式直後の新入生に、もう声をかけるなんてさすが、海春だな。

勧誘の波から出て、ベンチに座った。

もらったチラシを見ていたら声をかけられた。

「君、高原君だよね?」

そう言ってやってきたのは、入学式で席が隣だった……

「そうだけど。えっと…。入学式で隣だったよね?」

「うん、高柳渉。よろしく!」

「こちらこそよろしく!」

高柳渉君。どこにでもいる青少年っていう感じの男子だ。

「君も勧誘されたのか」

「うん。高柳君は決めた?」

「いや、見学してから決めようって思ってる」

「そっか……」

「高原君は?」

「僕も見学してからかな」

実際、チラシだけじゃあ決められないし、やっぱり見学してから決めるよね


その時、僕の前を一人の女の子が通って行った。

黒のセミロングの髪が印象的な子で、なにやらとても長い棒と茶色の円柱を持って歩いていた。

その子に目を奪われていた僕は、高柳君の声に気がつかなかった。

「中学では、……。あれ?高原君?聞いてる?」

「え?あっ、ごめん。何?」

呆れた表情で、高柳君は言った。

「何、見てたの?すんごく凝視してたけど」

まさか、女の子を見ていたとは言えず、応えた。

「いや、猫が歩いてたから」

「ふぅん。まぁ、いいや。それじゃあ、また明日、学校で」

そう言って高柳君は去ろうとした。

「えっ?」

高柳君は振り返って

「俺は、少し買い物をしなきゃいけないから。またな」

「うん、また明日」

高柳君と別れ、一人になった。


そういえば、高柳君はさっき、何を僕に聞きたかったんだろう?

それを考えた途端、さっきの女の子のことを思い出した。

あの子、誰だろう?なんか、持っていたけど……

1年しかいないはずだから、1年だと思うんだけど……

まぁ、また会うよね?

と、自己内完結してベンチから立ち上がり、自転車の止めてある駐輪場へ、僕は歩いた。



家に帰り、寝る前になって部活のチラシを思い出して、鞄から取り出した。


陸上やサッカーってやってたら、モテるかな?

テニスも面白いかもな

そういえば、あの子が持っていた長い棒ってなんだろう?

釣り竿かな?

まさかな。


なんて思いながら、寝た。

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