どちらからともなく
どちらからともなく、言葉を交わした
今年の秋で
キミは地元に戻ると聞いた
「だから、この夏は
いろんなところへ行きたいよね」
少し、ためらいながら
キミが言った
僕は自分だけに言われてることに
気づいてからは
なかなかキミを正面に
見れないでいた
いつかの晴れた日
少しだけ時間ができたから、とキミは
僕に言った
この前話してくれた
この夏でこの街とも最後だから・・
その言葉が
ずっとココロに残ってた
『少しだけってどれくらいの時間?』
キミに尋ねると
1時間半くらいと話した
晴れた日とは関係なく
とりあえず
ドライブに出かけた
・・ホントはもっと前から
誘いたかったんだ
僕の気持ち
助手席のキミは、さっきから
まぶしそうに日差しを気にするから
言い出すタイミングを失った
あえてキミに行きたいところを
聞かなかったのは
僕の中で行きたいところがあったから
海に近くではないけど
この街を見渡せる場所へ
少し、駆け足であの丘まで
手をつなぐタイミングは作れなかったけど
息を整えたあと
キミと出会えて良かったと伝えた
君の返事は
「この夏、いろんなところへ行こうね」
まだ、これからが夏の始まり
僕のココロの中では
この夏だけは、ぜひ
ふたりの周りだけ
長くいてと願いながら
キミの笑顔を
何度もたしかめた
キミとの約束の時間
緊張の連続で
思い出せない会話のほうが
とても多かったけど
この夏が過ぎても
このあとの季節も・・
僕の願いが
届くように




