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氷の騎士との契約結婚の顛末 ~愛することはないと言われたので契約通り離縁します!  作者: 柚屋志宇


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03話 木っ端微塵

「寂しくなって、私に泣きついて来たら鬱陶しいからな。お前が愛人を持つことは許す」


 ライナス様は、私を馬鹿にしているかのように蔑んだ目を向けながら、口の端で笑いました。


「私はお前の相手をする気はない。そういうことは愛人とやれ」


「……」


 そういうことって……。

 ライナス様は、私を何だと思っているのでしょう。

 そのように、はしたない娘だと思われているのでしょうか。


「ただしバレないように上手くやることだ。クレイトン侯爵家の名誉を汚すようなことはするな。愛人との密会は外で、バレないようにやれ。屋敷に面倒事を持ち込むな。もし面倒事を持ち込むようなら、お前の家に援助した金は全額返してもらうからな」


 ライナス様は皮肉っぽくニヤリと笑いました。


「もし愛人との子供が出来たら、当然、援助金は全額返してもらう。お前が生む子など、私の子ではないからな。せいぜい失敗しないよう気を付けることだ」


「……」


 このとき……。


 私の心は、木っ端微塵(こっぱみじん)に砕け散りました。


 夫となるライナス様に、心から尽くそうと決意していた健気なセルマは、粉々に砕け散りました。


「ふん、思い知ったか。身の程知らずめ」


 私が言葉を失っている様子を見て、ライナス様は勝ち誇るような笑みを浮かべてそう言いました。


 どうして私が『身の程知らず』などと罵倒されるのか、本当に意味が解りません。

 私を花嫁にと望んだのは、ライナス様のお家、クレイトン侯爵家ですのに。


 ぜひにと私を望んでおきながら、婚約が成立したら、『身の程知らず』と罵倒されるなんて。

 一体、何の罠でしょうか。


「……」


 怒りが込み上げて来ました。


 何にせよ、私はライナス様から、酷い侮辱を受けていることは確かです。


 ライナス様はさらに言いました。


「私に愛されると期待していたのだろうが、残念だったな。お前などと仲良くする気はない。身の程を知るが良い」


「……」


 私は初恋を断ち切り。

 ライナス様と結婚して、ライナス様に尽くす決意をしていたのに……。


 ライナス様は、最初から離婚するつもりで……。


 愛人を持っても良い、ですって……?


 私に触れるつもりはないとおっしゃったので、白い結婚になるのでしょう。

 そして三年後には離婚。


(それなら最初から結婚などしなければ良いのに……)


 ライナス様の幼稚な言動に、怒りが沸々と込み上げて来ました。


(私と結婚したくないなら、ライナス様はご両親と話し合うべきよ。ご両親に良い顔をしたいライナス様のために、どうして私が協力してあげて、そのうえ罵倒までされなければいけないの?)


 今すぐ、この幼稚なライナス様との縁談を断わりたい気持ちでいっぱいでした。


 ですが、クレイトン侯爵家は、資金援助を約束してくれています。

 経済的窮地に陥っている我がスタンリー伯爵家は、この縁談を断ることはできません。


 私は酷い侮辱を受けて、行き場のない怒りを抱え、しばし無言のまま固まってしまいました。

 ですが……。


「……!」


 ふと、気付きました。


 白い結婚でも、資金援助は得られるということに。

 そして三年後には離婚する。


 考えようによっては、とても良い条件なのでは?

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