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Zero-Sum Game supported by 『Transport Gaming Xanadu』  作者: 秋乃晃
SeasonX

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35/40

第35話 精鋭都市 〈1〉

 クラーケンはタコの怪物だった。

 あたしの生まれ故郷の研究所であるXanaduを破壊したやつと瓜二つ。


「怒ってます?」

「怒ってねェよ」


 だからなのか、SAAの威力も二倍増しになっていた気がする。

 モンスターに向ければそのモンスターに有利な召喚獣が出てくるはずなのに、最初っから銃弾が飛び出てきて、タコの頭を粉砕した。


 水しぶきが雨のように降ってきたから、水着でよかったよな。


「なんか、甘いものでも食べます?」

「さっきアイス食ったからいいよ」


 精鋭都市テレスへは、助手の青いカードを使用した。

 青いカードがゲーム内に実装されているスキルなんだとか。


 使ったのは《テレポート》。

 瞬間移動ができるなんて便利でいいなァ。


「そうですか? ――ほら、あの、有名ギルドのエンブレムが入ったワッフルなんて美味しそうですよ」

「腹減ってねェから」


 第一、この世界の有名ギルドがどこなのかも知らねェし。

 そもそもギルドってなんだよ。


「水着は気に入ったんですか?」


 あっ。


「……」


 あたしはSAAを構えて、地面に向かって撃つ。

 紫色のリスが二匹。


 タロウとジロウが出てきて「キュ!」「キュキュ!」と元気に挨拶してきた。


「着替えてくるから参宮と遊んでろ」

「「キュイ!」」


 助手は「あっ! ちょっと!」とあたしを止めようとするも、タロウとジロウが阻んだ。

 二匹でそのデカい身体に巻き付いている。


「キュキュー!」

「キュー!」

「やめて! くすぐったい! 四方谷さん! おーい! 止めてくださいよ!」

「キュイー!」


 さっきの『海の家』みたいに、さっと入れる着替えスペースのあるような建物って、ほかの都市にもあるもんなのか。

 さっとトイレに入って、トイレで着替えるしかないか。


「なら、ついでにメインクエストを受けておくか」


 あたしは巾着からスマホを取り出して、地図を開く。

 この街の中心部にある市役所の、市長室にいるテレスの市長に会う必要があるっぽい。


 その市長にこれまで手に入れてきたバッジを見せると、テレスのダンジョンに入場できる――らしい。


「市役所ならトイレもあるだろ」


 それなら参宮もついてきてもらえばよかったな。

 怒りに身を任せると正常な判断が出来なくなるってのはまさにこういうことだ。


 使わねェ機能だと思ったが、スマホからメッセージを送ることにする。


「おふぽか、ギルマスまた変わったらしいよ」

「なんだっけ、元々はルナさんだったよね?」


 スマホをいじりながら歩いていると、周りの会話が耳に入ってくる。


「そうそう。あのヴァンガードの」

「でも、ルナさんが別の、ゆーとぴあ? っていうギルドに引き抜かれて」


 ギルド、ユートピア。

 聞き覚えがある。


「引き抜き?」

「やばいよねー。ギルドからギルマス抜けるって、なんかあったんじゃないかって思っちゃう」


 あたしには関係のない話だ。

 そんなうわさ話に踊らされている暇はない。


 このテレスのバッジが手に入りさえすれば、最終ダンジョンへ行けるんだ。

 その最終ダンジョンの奥にいる、ドラゴンキングとやらを倒すんだよな。


「送信っと」


 元の世界にあった携帯端末と似ているようでちょいと違うスマホは、どうも使いにくい。

 メッセージを送るのにも手間取っちまった。


 まあいい。

 水着姿の女が市役所に入ってきたことに気付かれる前に、さっさと着替えよう。


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